tag:blogger.com,1999:blog-69171978557835100282024-03-05T13:58:38.360+09:00木質バイオの便利帳forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.comBlogger38125tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-44311506393955770352015-02-19T12:05:00.000+09:002015-02-21T18:58:32.237+09:00FIT対応バイオマス発電所の収支はどうなっているのか?(その2)<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEicegU7kapiSKcg03QUYEG16knyKHj6uMgBG7x9zNNO_H1np7WzVQQAdsubNAOqFPRpF6yGLhrXECoTtOA7-VR6enmDJ6_04wVkvwUC27Qspwnrj5sFaLrocR5DxrnxPazgXZa85gwx8W57/s1600/20150217NHK.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEicegU7kapiSKcg03QUYEG16knyKHj6uMgBG7x9zNNO_H1np7WzVQQAdsubNAOqFPRpF6yGLhrXECoTtOA7-VR6enmDJ6_04wVkvwUC27Qspwnrj5sFaLrocR5DxrnxPazgXZa85gwx8W57/s1600/20150217NHK.png" height="190" width="320" /></a></div>
<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2015/02/fit.html" target="_blank">前回は</a>、32円/Kwhの未利用木材と、24円/Kwhの一般木材とが半々で使用される発電施設を想定しシミュレートしてみましたが、<span style="color: blue;">今回は、32円/Kwhの未利用木材のみで全量購入の場合をシミュレート</span>してみたいと思います。これだと売電単価は上がり売電収益は増えますが、はたして収支の見込みはどうなるのでしょうか?<br />
<br />
ところで皆さんは、<a href="http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3617.html" target="_blank">2月17日(火)放送のNHKクローズアップ現代「急増!バイオマス発電~資源争奪戦の行方~」</a>をご覧になりましたか?木質バイオマス発電の課題を、業界の第一人者である熊崎実先生が、まさしく正論をわかりやすくお話されていました。<br />
<br />
自分は、番組を後から見るため自分用に、動画ファイル(mp4)にして下記Yahooのフォルダに置きました。400MB近くありますが、あくまで、自分で後から見るため、です。<br />
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-3duexsnptjwft2altem3ecblli-1001&uniqid=7412c10b-51dc-43a0-8fff-30b86447d513<br />
(ダチョウ倶楽部風に)ダウンロードするなよ!絶対にダウンロードするなよ!・・・ <br />
<br />
さて、番組でも課題視されていましたが、バイオマス材の価格が高騰の兆しを見せています。番組ではこのあおりを食らって、岐阜県の<span style="color: red;">製紙工場が原料の入手難に陥ってる</span>とのくだりでした。他にも例えば、青森県の<a href="http://sfc.jp/information/news/2014/2014-12-02.html" target="_blank">八戸バイオマス発電(出力規模12,100kW)</a>では、燃料種に間伐材、製材端材、鉄道林間伐材、PKS等を使用する計画と発表され、間伐材については6,500円/トンで買い取ることを表明しています。また、九州大分では、7,000円/トンが相場となりつつある、との情報です。いずれも製紙用チップ材の相場(地域によって差はあるものの4,000円/トン以下と思われる)よりもかなり高い相場が形成されつつある模様です。製紙会社が買い負けするのも当然です。<br />
<br />
FITの制度上、売電単価は20年間保証されるものの、原料となる木材の価格は状況と競争により変動するハズです。林業者にとってみれば、木材の相場が上がることは喜ばしいことかもしれませんが、番組中でドイツの例であったように、相場が上がりすぎて発電所が立ちいかなくなり倒産してしまっては、結局、全てが水の泡と化してしまう。その時になって、バイオマス発電に買い負けした製紙工場まで撤退していたならば、逆にマイナス要因ともなりかねません。要するに、行き過ぎたバブルはマズイだろう、ということです。今回は、こうした状況で発電所は本当にダイジョウブなのか?といったことを含めて検証してみよう、という趣向です。<br />
<br />
※注:前回のブログアップ後にとある方から、「<span style="color: red;">ここでのシミュレート結果はある仮定に過ぎない</span>ということを強調しておいたほうが良い」とのアドバイスを受けました。というのも、現段階では維持管理費やバイオマス材の価格は変動幅が大きく、特に維持管理費は業者によってまったく違う経費見積となる可能性があり、断定的な言い方はできないからです。<br />
<br />
<br />
さて、さっそく計算してみますが、想定する発電所の規模は前回と同じ5MWクラスとします。ただし今回は、燃料は全て購入バイオマスとなります。 <br />
■発電出力 5,800kW(うち、施設内利用800kW)<br />
■ボイラー形式 流動層ボイラー<br />
■実際蒸発量 28,000kg/h(ボイラー出力17,500kW相当)<br />
■蒸気タービン形式 抽気復水タービン<br />
■建設費 3,000,000千円(30億円) ・・・ボイラーから発電施設まで一式<br />
■木質バイオマス使用量 80,000トン/年<br />
<br />
前提条件として、次のような単価等を設定します。<br />
■売電単価 32円/Kwh(未利用木材)<br />
■稼働日数 360日/年<br />
■発電量 36,000,000Kwh ・・・5,000kW×24h×300日(実質年間稼働率83%)<br />
■原木単価 6,000円/トン<br />
■従業員数 10名×360日<br />
<br />
<br />
以上の条件で収支を計算します。<br />
■収益(売電のみ)<br />
32円/kWh×36,000,000kWh=1,152,000千円 ・・・約11.5億円<br />
<br />
■支出<br />
燃料費 480,000千円 ・・・6,000円/トン×80,000トン<br />
機械経費 98,000千円 ・・・当初の見積額<br />
資材経費 363,000千円 ・・・当初の見積額<br />
維持管理費 119,000千円 ・・・当初の見積額<br />
人件費 54,000千円 ・・・15千円×10人×360日<br />
減価償却費 100,000千円 ・・・建設費3,000,000千円/15年償却、補助金で1/2圧縮<br />
(合計)1,214,000千円<br />
<br />
■収支<br />
-62,000千円 ・・・1,152,000千円-1,214,000千円<br />
<br />
ややや、6千万円の大赤字です!まさか、実際にそんなはずはありませんね。<br />
<br />
<br />
<推測その1><br />
では、どうして経営が成り立つか? それは前回も述べたとおり、機械経費、資材経費、維持管理費といった固定経費が、実際には見積り金額よりもディスカウントされているからだ、と見て間違いないでしょう。PCシステムソフトの「0円入札」のように、メンテナンスを行う事業者の思惑によって実際の契約額は大幅に異なると考えられるからです。<br />
<br />
そこで、これら年間経費を仮に全て7掛けとしてみると、支出の合計金額は1,040,000千円となり、収支は、<br />
112,000千円 ・・・1,152,000千円-1,040,000千円<br />
<br />
これならOKです。実際の契約額や、その内訳・根拠はなかなか明らかになることはありませんが、発電所がそこそこ成り立つ金額になっているハズです。とはいえこのあたり、ブラックボックスの領域なので「言い値」の域を出ませんが。<br />
<br />
<br />
<推測その2><br />
最初に述べたとおり、FITには原料価格高騰のリスクが付きまといます。では仮に、上記で想定した6,000円/トンから7,000円/トンに価格が上昇したらどうなるでしょうか?<br />
計算は上記「7掛け」の積算に当てはめるだけで簡単なので省きますが、 収支は、<br />
<br />
32,000千円 ・・・1,152,000千円-1,120,000千円<br />
<br />
ギリギリセーフ!といったところです。トラブルさえ無ければ、利益分が3千万円毎年発生する、という皮算用ですが、さて、どうでしょう?<br />
<br />
<br />
以上まとめますが、設備の維持管理にかかる固定費はブラックボックスの中であり、現状ではブレ幅の大きな過渡期にあること、また、原料となるバイオマスの価格は高騰する可能性があるため、発電所を計画する上ではこうしたことを十分に予測した上での収支計画が必要となる、ということです。電力供給のみのバイオマス発電事業は、FITの買取り価格が保証されているとはいえ、実は、極めてリスクの高い事業なんだなぁ、と感じました。自分だったら社長になるのは、、、ちょっとイヤですね(笑)<br />
<br />
<a href="http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H3D_T10C15A2PP8000/" target="_blank">国は最近、バイオマス資源が逼迫していることを受け、発電所どうしが競合しないよう発電所の小規模化を打ち出してきました</a>が、これだけではダメで、なぜならこのことで売電単価はますます高いものになり、<span style="color: red;">国民は単価の高い電気を無理やり買わされるハメになる</span>からです。こうした動き・制度は、自然エネルギーを推進しているように見えて、逆に<span style="color: red;">原発を推進しようとしている方たちに格好の突っ込みどころを与えている</span>ような気がしてなりません。というか、かえってマズイんじゃないかな。<br />
<br />
こうしたリスクの無い、FIT制度に左右されないバイオマスエネルギーの利用形態は、はたして実現可能なのでしょうか?そのためにはどうしても、小規模分散型の電・熱併用の仕組みを確率していく必要があると考えます。その上での、バイオマスエネルギーによるグリッドパリティの可能性について、今後考察していきたいと思います。forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com6tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-39097360036367211182015-02-14T23:08:00.002+09:002015-02-16T09:17:36.335+09:00FIT対応バイオマス発電所の収支はどうなっているのか?(その1)すっかり更新をサボってしまいました、なにせ、2ヶ月近く更新していませんでしたからww<br />
死んだわけではないので、またボチボチとアップして参ります。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOWDqApXVLVAwIADA5VBPB6K3SP4UstrSSohvaXgLOR781b3hx_prCZGR3RiLDLziZCvxRcyZB_iosK3M-HAckqfYyKxQieemx28xw2nf9ODnPCGmsH9WGDkpOuOhy3AYfcaIRIsYHI-YF/s1600/DSC00910ssm.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOWDqApXVLVAwIADA5VBPB6K3SP4UstrSSohvaXgLOR781b3hx_prCZGR3RiLDLziZCvxRcyZB_iosK3M-HAckqfYyKxQieemx28xw2nf9ODnPCGmsH9WGDkpOuOhy3AYfcaIRIsYHI-YF/s1600/DSC00910ssm.jpg" height="213" width="320" /></a></div>
さて、このブログで最も閲覧件数の多いテーマは、やはりバイオマス発電です。<a href="http://www.mori-energy.jp/jinzai/hatudennshoitirann.html" target="_blank">この</a><a href="http://www.mori-energy.jp/jinzai/hatudennshoitirann.html" target="_blank">1月末で全国で100件を超す発電の計画がある</a>そうですが、これはひとえにFITの売電単価がインセンティブとなって、林業関係者、ボイラーメーカー、電力事業者、そして競合関係にある製紙や合板業界など、川上から川下まで様々な分野の方が興味を持ち、場合によっては参入の機会を伺っているからだと思われます。<br />
<br />
今回は、<span style="color: blue;">FIT対応のバイオマス発電所の収支はどうなっているのか</span>、入手した資料をもとに具体的に整理してみたいと思います。そうすれば、<span style="color: blue;">FITによるバイオマス発電という取組みを客観的に評価</span>することができる、と考えたからです。発電所の収支計算は難しいものなのかと思っていましたが、整理してみると理解することができました。なお、具体的な事業体名は公表できませんのでご了承ください。<br />
<br />
まず、想定する発電所の規模は、典型的な5MWクラスとします。また、今回は燃料として、購入によるものと、自社工場の端材チップとが半々の場合を想定してみます。<br />
■発電出力 5,800kW(うち、施設内利用800kW)<br />
■ボイラー形式 流動層ボイラー<br />
■実際蒸発量 28,000kg/h(ボイラー出力17,500kW相当)<br />
■蒸気タービン形式 抽気復水タービン<br />
■建設費 3,000,000千円(30億円) ・・・ボイラーから発電施設まで一式<br />
■木質バイオマス使用量 80,000トン/年(うち、自社チップ40,000トン/年)<br />
<br />
前提条件として、次のような単価等を設定します。<br />
■売電単価 32円/Kwh(未利用木材) 24円/Kwh(一般木材)<br />
■稼働日数 360日/年<br />
■発電量 36,000,000Kwh ・・・5,000kW×24h×300日(実質年間稼働率83%)<br />
■原木単価 6,000円/トン(未利用木材・購入) 0円/トン(一般木材・自社)<br />
※自社分の一般木材も、実際は運賃等の経費がかかるが、ここでは計算を単純にする<br />
■従業員数 10名×360日<br />
<br />
<br />
以上の条件で収支を計算します。<br />
■収益(売電のみ)<br />
32円/kWh×18,000,000kWh=576,000千円<br />
24円/kWh×18,000,000kWh=432,000千円<br />
(合計)約1,008,000千円 ・・・約10億円<br />
<br />
■支出<br />
燃料費 240,000千円 ・・・6,000円/トン×40,000トン<br />
機械経費 98,000千円 ・・・当初の見積額<br />
資材経費 363,000千円 ・・・当初の見積額<br />
維持管理費 119,000千円 ・・・当初の見積額<br />
人件費 54,000千円 ・・・15千円×10人×360日<br />
減価償却費 100,000千円 ・・・建設費3,000,000千円/15年償却、補助金で1/2圧縮<br />
(合計)974,000千円<br />
<br />
■収支<br />
34,000千円 ・・・1,008,000千円-974,000千円<br />
<br />
<br />
以上、丸めた数字になりますが、およそこんな感じみたいです。ここで注目すべき点は、<br />
1)<span style="color: red;">自社工場からのチップ供給は極めて有利</span>であること。大型の製材工場・集成材工場の場合、木材乾燥などに熱利用しても、自社工場から発生する端材チップは余る。このチップはこれまで、遠方の製紙工場に販売していたが、単価は高くないため運賃程度にしかならず、儲からない部門だった。これが24円/kWhに化けるのはオイシイ話。<br />
2)<span style="color: red;">機械経費、資材経費、維持管理費がとてつもなく高額</span>であること。燃料費と較べればその大きさが理解できる。たしかにこの金額は当初の見積額なので、<span style="color: blue;">実際はこれの7割~8割の金額で契約しているものと推測される</span>が、それでも高額であることに変わりはない。ざっくり、売電収益の半分は持っていかれる、といった感覚だ。<br />
3)その一方で、<span style="color: red;">燃料費は収益の2割強とさほど大きくない</span>こと。年間4万トンといえば相当なボリュームだが、このために、大勢の素材生産事業体が必死になってバイオマス材を供給してもこの程度なのである。<br />
4)<span style="color: red;">人件費や減価償却費も大きなものではない</span>こと。30億円の設備投資も補助金が半分入れば、15年償却とすると年間1億年程度。なお、FITは20年の売電価格保証だが、この場合リスクを見て15年償却としている。<br />
<br />
<br />
・・・計算していたら、なんだか殺伐とした気分になってきました。バイオマス発電が地域の森林資源活用の切り札のように言われつつ、その実態は、バイオマスの代金をはるかに上回る金額が中央のボイラーメーカー、タービンメーカーに毎年持っていかれる、これが現実なんだ。。。<br />
<br />
こうして、多額の補助金まで投入して生み出された電気も、その<span style="color: red;">売電単価は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3" target="_blank">グリッドパリティ</a>(※注)とは隔たりがあり、しかもこうした収支構造では、将来的にも単価の引き下げは難しい</span>と言わざるを得ません。引き下げのためには、現在は捨てている熱も商品化し、電・熱併用で収益性を確保するなど、根本的にその収支構造を変えなければならないでしょう。<br />
とはいえ、5MWクラスの発電施設ともなると、その発生する熱量は膨大なものがあり、他の<span style="color: red;">木材産業とコンビナート化するなど工夫しないと熱の利用が難しい</span>ことも、また事実です。<br />
<br />
国民だれしも、電気料金が値上げされることさえ無ければ、自然エネルギーの普及に異議を唱える人はいないハズです。しかし、単価の下がる見込みの無い自然エネルギーを、多額の補助金まで投入して見境無く推し進めれば、およそ全ての国民から大変な反発を食らうことになるのではないか?このとき、林業関係者までもが悪者扱いされるのではないか?そんな怖い思いがしてきましたww<br />
<br />
<br />
今回は、購入と自社チップが半々の場合を想定してみましたが、次回は全量買取りの場合を想定して計算し、さらに考察を進めます。<br />
<br />
<br />
<span style="color: purple;">※注:日本のNEDOは、家庭用電力並み(日本において23円/kWh)になることを第一段階グリッドパリティ、業務用電力並(同14円/kWh)になることを第二段階グリッドパリティ、汎用電源並(同7円/kWh)になることを第三段階グリッドパリティと定義している。</span>forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-59287381791692297622014-12-21T22:28:00.001+09:002014-12-21T22:28:42.837+09:00木質ガス化コジェネレーションを見学しました(その2)前回に引き続き、<a href="http://www.holz-kraft.de/en/products/wood-cogeneration-plant" target="_blank">ドイツSpanner社製の木質ガス化コジェネレーション</a>に供給する、<span style="color: red;">燃料チップの水分管理</span>のお話です。<br />
<br />
と、その前にドイツといえば先日、エネルギー関連で注目すべきニュースがありましたね。<br />
<br />
■ドイツ最大のエネルギー企業はなぜ「解体」されるのか<br />
<a href="http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20141208/274831/?P=1" target="_blank">~エネ業界最大手が原子力・火力から事実上の「撤退」~</a><br />
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20141208/274831/?P=1<br />
<br />
ドイツ最大手のエネルギー企業「エーオン」が、<span style="color: red;">原子力や石炭火力発電から撤退して、自然エネルギーに注力</span>するそうです。<span style="color: blue;">ドイツはエネルギーの民主化が進んでいる</span>のですね。とはいえ、自分の目で確かめてみないことには何とも言えない、行ってみたいですねぇドイツやオーストリア。。。<br />
<br />
<br />
さて、木質バイオマス利用では、大なり小なりその水分管理が課題となるわけですが、今回見学した<span style="color: blue;">ガス化コジェネともなると水分管理はよりシビア</span>で、<a href="http://www.ecolifelab.com/Products/Biomass_Heatsource/WoodgasCHP/" target="_blank">仕様によると</a>、適合するチップの含水率(乾量基準)は最大13%、水分(湿量基準)で12%ということになっています。<br />
<br />
先にお話したとおり、天然乾燥を十分行った木材の含水率、いわゆる<a href="http://www.mokuzai.com/in_di-8" target="_blank">平衡含水率</a>は日本の場合、屋外で15%程度と言われています。つまり、カラッカラに乾いた薪で15%ということですから、これ以上乾燥させるためには、<span style="color: blue;">何らかの人工的な乾燥を行う必要</span>があります。あるいは、人工乾燥された製材品やラミナの端材をチップ化する方法も考えられますが、入手は難しいでしょう。<br />
<br />
ところでガス化発電の場合、なぜこのような乾燥が必要かというと、<span style="color: red;">高含水のバイオマスをそのまま用いればガス化反応温度が低下し、ガス化反応性の低下およびタール生成量の増加を招く</span>ためである、とされています。自分も、ガス化と水分の関係については知識が乏しいのですが、いずれにせよ、人工的な乾燥にエネルギーを使いすぎては、チップ供給からコジェネまでのトータルで見た場合、実質的に得られるエネルギーが目減りしてしまいます。チップの人工乾燥には、自然エネルギーや余剰熱を上手に活用したシステムが求められるでしょう。<br />
<br />
現在のところ、このような<span style="color: blue;">低含水率の乾燥チップを供給する事業体を国内で求めるのは難しい<span style="color: black;">ところです。</span></span>そのため見学した施設では、自前でチップを乾燥するためハウス等の施設を整備し、この問題に対応していました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhgAL_WJm3RxSh5ySGiYYyBdtEKkJUisUCcYsOgWdjJXXuc3NuEc7gD_WDgy-fz6xURVdfPW4kZE21c0hFPHa_BxjCZHtYASPLPUESLfENDZmvgDAFnBAZErL_ZM5gEvkPU44H6LVC6UQFr/s1600/DSCN0012s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhgAL_WJm3RxSh5ySGiYYyBdtEKkJUisUCcYsOgWdjJXXuc3NuEc7gD_WDgy-fz6xURVdfPW4kZE21c0hFPHa_BxjCZHtYASPLPUESLfENDZmvgDAFnBAZErL_ZM5gEvkPU44H6LVC6UQFr/s1600/DSCN0012s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
購入している燃料チップは、10トントラックで搬入されてくるそうです。ここからは見えませんが、ハウスの奥にコジェネ装置が隣接しています。ハウスの左右にチップが分けられていますが、これは通路という意味でななく、、、<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrdYJAAKAMUBqBP2WqoU2MW5slOSLgIirFsjLdd4a6_Wh6-hAXq_Kr-pcfaS_p3nxxDUTmxIoTWkuZsIPzOSwoESnuLS31_91cIUz0lYond1rtPG7XfDn4HvJHSNg29hVVJ3R-AHESYmDI/s1600/DSCN0009s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrdYJAAKAMUBqBP2WqoU2MW5slOSLgIirFsjLdd4a6_Wh6-hAXq_Kr-pcfaS_p3nxxDUTmxIoTWkuZsIPzOSwoESnuLS31_91cIUz0lYond1rtPG7XfDn4HvJHSNg29hVVJ3R-AHESYmDI/s1600/DSCN0009s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
ハウスの左右にはトンネルがあって、このトンネルから吹き出す温風がチップの間を通ってチップを乾燥させる仕組みです。送風ファンの前に放熱器(ラジエーター)があり、ここにコジェネからの余剰熱が通るようになっています。もちろんハウスの中ですから、ハウス内で暖められた空気の熱も利用できることになります。<br />
<br />
ちなみにこの施設では、熱は暖房・給湯に使っても余ってしまい、他の施設に熱を供給することも無いので、このような形で熱を利用しても差し支え無いとのこと。ただし、冬場になると乾燥する熱が不足気味になるようです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhsh22kE5ZzXzK1AD8alKYsYhdWfFJs26adu3dWwQahj7lCBM8RwuAKYGn3roO3nfswbcWYMaNX2qIpjxFlkRopFNDQNf7okEbLbO4qVrcBKJH_qgp-_e-YCpdcyjTZykrrkuVeLgIrHhJn/s1600/DSCN0011s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhsh22kE5ZzXzK1AD8alKYsYhdWfFJs26adu3dWwQahj7lCBM8RwuAKYGn3roO3nfswbcWYMaNX2qIpjxFlkRopFNDQNf7okEbLbO4qVrcBKJH_qgp-_e-YCpdcyjTZykrrkuVeLgIrHhJn/s1600/DSCN0011s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
納入されたチップは、一般的な製紙用の切削タイプで、樹皮を含まない白チップでした。搬入したてのものなので、触った感じでもかなり湿っています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggU6a_PjGtdwCk7oRWDp7LjOmrpVSAhYx56QDo44si4ZjPsGQjkHSlVeaX7GYPjANjEDZx5E8Cf5DTstU53Ld4ixMfGKUibLFGakXcimquTj3XREjaHvzBn0AQH4C86tT_JCXBbDSx9KRK/s1600/DSCN0072s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggU6a_PjGtdwCk7oRWDp7LjOmrpVSAhYx56QDo44si4ZjPsGQjkHSlVeaX7GYPjANjEDZx5E8Cf5DTstU53Ld4ixMfGKUibLFGakXcimquTj3XREjaHvzBn0AQH4C86tT_JCXBbDSx9KRK/s1600/DSCN0072s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
ハウスで乾燥したチップはコジェネ装置の上にあるサイロに蓄えられます。ハウスからサイロへはダクトで風送しています。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZTeBRHg1BMTemktLmdVJ-u5TXAVbhP1RMTKpu4QMF2Nj3EtYecdr4tsvCaK8TOwEfFe-YdPAMvQAy5u3Y14EatoeKC6EVubn065qNy3j7oGbA5mDshUSUDWjg2QAxOaQdZ4OIWJhENmJs/s1600/DSCN0065s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZTeBRHg1BMTemktLmdVJ-u5TXAVbhP1RMTKpu4QMF2Nj3EtYecdr4tsvCaK8TOwEfFe-YdPAMvQAy5u3Y14EatoeKC6EVubn065qNy3j7oGbA5mDshUSUDWjg2QAxOaQdZ4OIWJhENmJs/s1600/DSCN0065s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
サイロの底にあるチップをかき集めるアーム。これが回転することで、チップを搬送スクリューに落とし込むようになっています。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRMfsbvzu22zl72UJaammeP52go2S7O5WuyZjLLtso9Wd22KibqJgT9MflubEGZ1d1Yr6C9caJR-nX3hsP47maVBqYNuy0DviSiWqKZLrLiML-wFriRtpjlKJ-DFTEVNl52KoVzrkk2h2y/s1600/DSCN0060s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRMfsbvzu22zl72UJaammeP52go2S7O5WuyZjLLtso9Wd22KibqJgT9MflubEGZ1d1Yr6C9caJR-nX3hsP47maVBqYNuy0DviSiWqKZLrLiML-wFriRtpjlKJ-DFTEVNl52KoVzrkk2h2y/s1600/DSCN0060s.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
サイロにもコジェネからの温風を吹き出す設計になっていました。やはり、チップの水分管理には相当気を使っているようです。<br />
<br />
ところでドイツ本国でも、コジェネを運用する側がこうしたチップの水分管理を行っているのでしょうか?施工した技術者に尋ねたところ、ドイツではこれまでのチップボイラー普及の歴史があり、乾燥したチップは熱量単価で評価されるので供給側のインセンティブとなり、運用する側でここまで対応する必要は無いとのことでした。ちなみに乾燥には、ソーラー熱を利用したサイロが利用されているとのこと。日本では<a href="http://www.e-midori.com/information.php?tpl=humimeter&nr" target="_blank">日比谷アメニスさんが「ソーラードライシステム」</a>として取組みをされていますね。<br />
確かにこれならエネルギーを無駄にすることはありませんが、乾燥にかかる期間や、サイロへの出し入れの経費、そしてこれらが加味されたチップ価格でのコジェネ収支など、さらに掘り下げて検証してみる必要があると感じました。<br />
<br />
逆にその技術者からは、「ドイツ人に出来て、日本人に出来ないことなど、無いでしょ!」などと、妙なハッパをかけられましたが、日本は高含水率チップに対応した温水ボイラーが普及しはじめたばかりで、人工的に乾燥したチップが燃料として普及するには、いましばらく時間がかかると思われます。<br />
<br />
とはいえこうしたコジェネ施設は、地域自立型の電源としてとても魅力的で、太陽光や風力のように天候に左右されないという強みがあります。また、太陽光や風力では得られない「熱」が十分得られることも強みです。こうした自然エネルギー同士が補いあう形で連携すれば、地域によっては自然エネルギーだけで自立することも夢ではない、そんな想いをさせられた見学会でした。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-61375127740189825972014-12-07T20:39:00.002+09:002015-09-06T13:46:37.605+09:00木質ガス化コジェネレーションを見学しました(その1)すっかり更新をサボってました。これでもイロイロと忙しくて!<br />
<br />
これからも、施設見学や基礎知識を交えながらボチボチと続けて参りますが、今回は、小規模・分散型「木質ガス化コジェネレーション」の見学レポです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhbFN4Ewmi1mRjlkBaXlFzveI4VICoeRj7b5Vbt_UlheFHkOUWCFRy_1CWqmqjUBppDQOFlMm2lb5bvrvokg6lSrZRbcawYrhbS1HxlOkt4vWdiFw2XtGn0kCRM0esXC_jL6z8AldHYNTek/s1600/DSCN0050s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhbFN4Ewmi1mRjlkBaXlFzveI4VICoeRj7b5Vbt_UlheFHkOUWCFRy_1CWqmqjUBppDQOFlMm2lb5bvrvokg6lSrZRbcawYrhbS1HxlOkt4vWdiFw2XtGn0kCRM0esXC_jL6z8AldHYNTek/s1600/DSCN0050s.JPG" width="320" /></a></div>
ご存知のとおり<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3" target="_blank">コジェネレーション</a>とは、<span style="color: blue;">熱源から電力と熱を生産し供給するシステムの総称</span>のことですから、何も木質バイオマスに限った話ではありませんし、大規模なものでは、<a href="http://www.chugokumokuzai.co.jp/" target="_blank">中国木材</a>鹿島工場に隣接する<a href="http://www.g-bec.jp/jigyogaiyo.html" target="_blank">神之池バイオエネルギー株式会社</a>も、中国木材からのバークや端材で発生した電気と蒸気を、今度は中国木材(及び、近くの飼料工場)に供給しており、これも一種のコジェネレーションであり評価できる取組みでしょう。<br />
<br />
木質バイオマス関係の識者の間では以前から、<span style="color: blue;">発電のみを評価し熱利用に繋がらない現行FIT法への批判</span>があり、<span style="color: blue;">小規模・分散型のコジェネレーションを推進すべき</span>、との意見が聞かれますが、じゃあ、その具体例・成功事例はというと、答えに乏しいのが正直なところかと思います。<br />
<br />
ところで、「ガス化発電」というと国内では、木質バイオマスでまともに稼働している施設が、ほぼ見当たらないのが現状ではないでしょうか?しばしば、タール分やカーボン(煤)でガス化装置やガスエンジンが閉塞して不具合が発生、というケースを耳にします。ガス化発電に関して国内では、一種のトラウマのような雰囲気が漂っている感じです。(業者の方、スイマセン!)<br />
<br />
ところが、今回見学した<a href="http://www.holz-kraft.de/en/products/wood-cogeneration-plant" target="_blank">ドイツ「Spanner(スパナー)社」のガス化コジェネレーション</a>は、ドイツ国内で200台の納入実績、海外も含めると300台近い納入実績があり、さらに業績を伸ばしているとのこと。いずれにせよ、日本国内の現状と違いがありすぎる、その理由は何なのかを知りたくて、日本の納入第1号となる福島県郡山市某所の施設を見学して参りました。<br />
<br />
<br />
まずは、コジェネレーション施設のスペックからですが、詳しくはこちらのHPをご覧いただくのが早いです。<br />
<a href="http://www.ecolifelab.com/Products/Biomass_Heatsource/WoodgasCHP/" target="_blank">■エコライフラボ 木質コジェネレーション Woodgas CHP</a><br />
<br />
ざっとスペックを列挙(コピペ)しますと、<br />
名称: エコライフラボWoodgasCHP45<br />
発電能力: 45kW electric<br />
ボイラー能力: 105kW thermal<br />
燃料消費: 45kg/h<br />
年間動作時間: 6000時間<br />
年間燃料消費: 240トン<br />
年間発電量: 15万kWh = 540GJ<br />
年間発熱量: 30万kWh = 1.08TJ<br />
燃料: 自然のままの木質チップ、乾燥済み<br />
形状: 基準G30-G40<br />
含水: 最大13%<br />
細粉割合: 4mm以下最大30%<br />
<br />
上記を簡単に訳せば、<span style="color: red;">1kgのチップで1kWhの電力と約2kWhの熱が得られるシステム</span>ということになります。この熱効率をざっと計算しますと、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post.html" target="_blank">含水率(乾量基準)13%=水分(湿量基準)12%</a>の<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_16.html" target="_blank">チップの低位発熱量</a>は約4kWhですから、エネルギー効率は(1kWh+2kWh)÷4kWh=75%ということになり、<span style="color: red;"><a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/07/blog-post_13.html" target="_blank">発電のみの26%</a>と較べ段違い約3倍の高い効率</span>になる理屈です。要するに、木質バイオマス資源を有効活用していることになりますね。<br />
ただし発電だけを見ると、25%と同程度なのが不思議なところです。<br />
<br />
発電能力45kWの規模ですが、一般家庭の年間消費電力を1戸当り4.2MWh/年(4,200kWh/年)程度とすると、45kW☓6000時間÷4200kWh/戸≒64戸分に相当します。<br />
また、ボイラー能力105kWの規模ですが、一般的なFF式石油ストーブの出力は5kW程度ですから21台分に相当しますが、ただしこれは、21台のFFストーブが6000時間(250日)Maxで運転する意味ですから、相当な熱出力があることになります。<br />
<br />
実際の運用では、一定時間を運転するとメンテナンスが必要になるため、装置を複数台、場合によっては10台以上並列に接続して、1台がメンテナンス中でも全体として支障なく運用できるようシステムを組むのがベターなのだそうです。そのようなシステムで、ホテルや公共施設の熱・電をまかなうのが、得意とする用途だと思われます。<br />
<br />
<span style="color: red;">YouTubuにも紹介ビデオ</span>がありました。かなりオモシロイです。<br />
<a href="https://www.youtube.com/watch?v=UjtcybVKLkM" target="_blank">20 Spanner Re² wood cogeneration plants in Latvia</a><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhjhgg8D-VFGXTRgDFIsYpYprfDDIAqW6nNM_OQ8WHU6AXQpLZ22pf9Iu9JZCJej51zkYaGMDBpvmcSjrx6EwBgrxdu5ITASETKerhc3G1nzbaMJsZ4kv4r-Ul4FhgXWLiTQ77evHllFhJ6/s1600/Flie%C3%9Fbild_Facelift_EN.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="152" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhjhgg8D-VFGXTRgDFIsYpYprfDDIAqW6nNM_OQ8WHU6AXQpLZ22pf9Iu9JZCJej51zkYaGMDBpvmcSjrx6EwBgrxdu5ITASETKerhc3G1nzbaMJsZ4kv4r-Ul4FhgXWLiTQ77evHllFhJ6/s1600/Flie%C3%9Fbild_Facelift_EN.jpg" width="320" /></a></div>
上の写真でお分かりのとおり、装置は配管むき出しで、外観からもおおよそ仕組みが理解できます。<a href="http://www.holz-kraft.de/en/products/wood-cogeneration-plant" target="_blank">Spanner社のHP</a>から図を勝手に拝借してますが、<br />
1)チップは中央の筒に貯められる<br />
2)右側のreformerでチップをガス化する<br />
3)左側のgas-filterでガスを浄化する<br />
4)ガス燃料はオットーサイクル(4サイクル)のエンジンを駆動し発電機を回す<br />
といった流れになります。<br />
<br />
ガスエンジンはV型8気筒(排気量は未確認です、スイマセン)の立派なもの、V8といえば<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BBDFV%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3" target="_blank">F1エンジンのコスワース・DFV</a>、あるいは<a href="http://orm-web.co.jp/headline/1973_ford_falcon_xb_gt_coupe_mfp_interceptor_black_pursuit_special_in_mad_max_mfp.php" target="_blank">マッドマックスのV8インターセプター</a>並かよ!ってくらいカッコイイ代物ですが、以前見学した<a href="http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/article.php?story=20080920115543168" target="_blank">岩手県葛巻町のガス化発電</a>では<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/V%E5%9E%8B12%E6%B0%97%E7%AD%92" target="_blank">V型12気筒</a>のガスエンジンが接続されており、これだとフェラーリ並でさらにカッコ良くてしびれる(笑)、エンジンは求められる出力に応じて多気筒化するのだと思います。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5O4P_Hf6Waz4bg1IqQHbPLohuPiN7ObJFY2BQ9225dir4IspTsac5fYO85yw8uqro55WQKn49vjwEpK20PsfKdw_5T4DJ_k7PJwCR1Iz_Q-N4QoAUDouUDNlFoOPg6Sxh74WP1quaXznm/s1600/DSCN0036s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5O4P_Hf6Waz4bg1IqQHbPLohuPiN7ObJFY2BQ9225dir4IspTsac5fYO85yw8uqro55WQKn49vjwEpK20PsfKdw_5T4DJ_k7PJwCR1Iz_Q-N4QoAUDouUDNlFoOPg6Sxh74WP1quaXznm/s1600/DSCN0036s.JPG" width="320" /></a></div>
手前の黒い部分がV8のガスエンジン、奥のグレーの箱が発電機です。男の子なので、こういうメカを見ていると楽しくて仕方がありません(笑)<br />
<br />
自動車エンジンとの大きな違いを発見しました。それは、熱回収の仕組みです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjgAnAJ4ZhyphenhyphenCuhkE02FpspHA_7NAirI-H8rAZGsiaIp8rclsIA7vbh29gI_5o-yL_IWtEsM2IEz9n2cEeKoS3-BpXD7uN8qSVWYFO4pZL_XZNpleQ_T-c0oBFKduuFEpP2bf8j-suQ-DB2W/s1600/DSCN0044sr.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjgAnAJ4ZhyphenhyphenCuhkE02FpspHA_7NAirI-H8rAZGsiaIp8rclsIA7vbh29gI_5o-yL_IWtEsM2IEz9n2cEeKoS3-BpXD7uN8qSVWYFO4pZL_XZNpleQ_T-c0oBFKduuFEpP2bf8j-suQ-DB2W/s1600/DSCN0044sr.jpg" width="320" /></a></div>
赤の点線で囲んだ2つの部分がプレート式の熱交換器で、上がエキゾーストマニホールド(排気ガスの通るパイプ)からの排ガスの熱を、下が冷却水からの熱を、それぞれ回収する仕組みになっているようです。自動車用エンジンの場合その目的は車の動力で、熱は排ガスやラジエーターから捨てるだけ(一部、暖房に使用)ですが、そんなマヌケなことはコジェネ屋はやらない、ということです。<br />
<br />
そういえば、ガス化装置の側にも二重管式の熱交換器がついていました。ガス化の際に発生する熱も無駄なく利用するためですが、得られる熱量は、ガス化装置側よりもガスエンジン側から得られるほうが多いそうです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEigWEKiD-c3C7FqIbIfiEkkUKFezO9PN9uF7L1OHPCtsZD3AezL48ZkaTNzDZjAJQ-8Flho3LlOWXjczsjYrrsfL9g0jxeLpT6toqLURiCm71bxIF1ckSIX7rBDeH1TZ2qFet5G5K9k5Rvz/s1600/DSCN0035s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEigWEKiD-c3C7FqIbIfiEkkUKFezO9PN9uF7L1OHPCtsZD3AezL48ZkaTNzDZjAJQ-8Flho3LlOWXjczsjYrrsfL9g0jxeLpT6toqLURiCm71bxIF1ckSIX7rBDeH1TZ2qFet5G5K9k5Rvz/s1600/DSCN0035s.JPG" width="320" /></a></div>
ちなみに、装置の大きさは下の写真でお分かりになるかと思います。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh0XhWcO3nXwiOpoDZConIA4JeWQ0k1TIWfJ6o14sbXv8681AixHlJB7wwWbNLSplzkHdRZgEgOM4Cw_XS9CUBlu7wKCozDXa5-tMngLcqFZSd2sZPuiiEqowZNySwllHrwzLwnEb5uj1yR/s1600/DSCN0021s.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh0XhWcO3nXwiOpoDZConIA4JeWQ0k1TIWfJ6o14sbXv8681AixHlJB7wwWbNLSplzkHdRZgEgOM4Cw_XS9CUBlu7wKCozDXa5-tMngLcqFZSd2sZPuiiEqowZNySwllHrwzLwnEb5uj1yR/s1600/DSCN0021s.JPG" width="320" /></a></div>
以上、装置を見て参りましたが、<span style="color: red;">課題は燃料となるチップの含水率</span>だと理解できました。使用に適したチップの含水率(乾量基準)は最大13%となっていますが、天然乾燥を十分行った木材の含水率、いわゆる<a href="http://www.mokuzai.com/in_di-8" target="_blank">平衡含水率</a>は屋外で15%程度と言われています。従ってこのシステムは、人工的に乾燥されたチップが必要なのです。<br />
<br />
逆に言えば、乾燥チップさえ安定的に供給できれば、化石燃料にも原子力にも頼ること無く、地域で熱・電供給が可能となる理想的なシステムということになります。次回はこのシステムのチップ乾燥について整理してみたいと思います。forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-22643534352054663002014-09-15T22:07:00.001+09:002014-12-07T23:38:43.226+09:00大分県日田市「天瀬発電所」を見学してきましたこのところ林業や木材関係のニュースで、木質バイオマス発電のことが掲載されない日はありませんね。言うまでもなくFIT法の影響ですが、法律の威力ってすごいものだと思います。それだけに、責任も重大だと言えるわけですが。<br />
<br />
バイオマス発電の計画も、発電効率を追って大型化する傾向にあるようです。例えば、<br />
「住友商事、愛知県半田市に日本最大級のバイオマス発電所を建設開始」<br />
http://plant.ten-navi.com/news/4070/<br />
<br />
「愛知県半田市におけるバイオマス発電所建設開始について」<br />
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27923<br />
<br />
愛知県のそれは、7.5万kWのバイオマス発電とのことですが、これって<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html" target="_blank">先日取り上げた「ウッティかわいバイオマス発電」</a>の15倍ですよ!確かに5,000kW程度では本格的な発電所とは呼べないのかもしれませんが、それにしても、こんな巨大な規模でもバイオマスで動かせるんですね。<br />
<br />
その秘密は何といっても、輸入チップやパームヤシ殻を燃料にしているからでしょう。現地で集積している未利用バイオマスを大量に仕入れて、コンテナ船で日本に運んで発電するわけですね。<br />
<br />
バイオマスが集積している地域は途上国がほとんどでしょうから、エネルギーかけて日本に運ぶよりも、できることなら現地で発電して、その国の経済力や教育水準を高めることに使えば良いのになぁ、などと思ってしまうのは、自分が経済に疎いからでしょうか?商社の皆さんとか、たいへんなご努力をされていことは重々知りつつも、FIT法の影響力の大きさにモヤモヤしたものを感じてしまいます。<br />
<br />
<br />
さて、前置きが長くなりましたが、先日、大分県日田市のバイオマス発電施設である<a href="http://www.gho.co.jp/about/" target="_blank">株式会社グリーン発電大分「天瀬発電所」</a>を見学する機会に恵まれたので、「<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html" target="_blank">ウッティかわいバイオマス発電</a>」と比較しながらご紹介したいと思います。というのも、この2つの発電所はバイオマスの調達方法は異なるものの、規模的にまったく同一だからです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiQowZ57S2OVXo5mQZlnwQqXtcnKNVowNrPONozXWXNRfxgWDBIry0Myn_WF0xls-UQXj_erNunwht4OMeADFXA76sbTYcbW6RElZvXUYs0bazUb-sgZT64AU1RaOXL-ZPm_z-aZ8Sq0NZ0/s1600/DSC02425ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiQowZ57S2OVXo5mQZlnwQqXtcnKNVowNrPONozXWXNRfxgWDBIry0Myn_WF0xls-UQXj_erNunwht4OMeADFXA76sbTYcbW6RElZvXUYs0bazUb-sgZT64AU1RaOXL-ZPm_z-aZ8Sq0NZ0/s1600/DSC02425ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
まずは、発電施設のスペックなど。<br />
<br />
■所在 大分県日田市天瀬町五馬市245-4<br />
■発電出力 5,700kW(うち、施設内利用700kW)・・・一般家庭の10,000戸分相当(1戸当り4.2MWh/年として)<br />
■ボイラー形式 流動層ボイラー<br />
■実際蒸発量 25,000kg/h(ボイラー出力15,700kW相当)<br />
■蒸気タービン形式 抽気復水タービン<br />
■木質バイオマス使用量 60,000トン/年(全量、間伐材等由来の木質バイオマス)<br />
■バイオマス買取価格 7,000円/トン(生材)<br />
<br />
発電出力、ボイラー形式はほぼ同一。違いといえば、<br />
1)「かわい」は利用するバイオマスの半分が自社工場の端材、残り半分が買取りだったのに対し、「天瀬」は全量が買取りとなっている。<br />
2)バイオマスの買取り価格が、「かわい」が5,000円/トン程度であるのに対し、「天瀬」は7,000円/トンと高い。<br />
<br />
こうしたバイオマス調達の違いを見ると、「天瀬」のほうが「かわい」よりも事業化のハードルが高かったような気がします。ただし、「天瀬」の立地する<span style="color: red;">日田市の取組みとして、市内全域の森林で森林経営計画を策定済み</span>であることが挙げられます。<br />
これにより、日田市内から伐採された木材であれば、原則的に伐採届の手続きさえ行えば、間伐材等由来の木質バイオマス(間伐材・保安林材・森林経営計画材・国有林材)の認定を受けられることになります。<br />
発電所としても、材の集荷範囲は半径50kmと想定しており、この範囲で無理なく操業できる規模として5,000kWクラスが選定されたそうです。これら認証材の証明書の管理・整理に相当な事務労力を費やしている、とのこと。<br />
<br />
また、バイオマスの買取価格を7,000円/トン(生材)とし、水分の多寡は問わない決まりにしたそうです。例えば、雨の日に材を持ち込めば発電所としては不利になりますが、7,000円/トンの単価の中でこれを吸収しているとのこと。この単価は、材を集めるためのインセンティブとなるよう、かつ、他の製材業などを圧迫することのないよう、慎重に検討したとのことです。<br />
なお、材積(㎥)と重量(トン)の換算係数は「1」、すなわち1㎥=1トンとしているそうで、これは事前に実測した結果によるとのこと。かなり水分の多い材を想定していることが分かります。<br />
<br />
材の水分の多寡を問わない代わりに、「天瀬」には「かわい」に無い装備がありあます。それが、チップの水分を調整するロータリーキルンで、この装置のおかげで、多少水分の高い材であっても安定してボイラーで燃焼させることが可能となっています。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBlObo3S9N4cvZlLr0IZxiTppcFL-kMzG13rNOF6c3-9X3c6R3gVMAUDAuIxVJdRh_h-mTcbie2LDH3pFoyGVh5eKq6G9KHcwfPmD_RA3WLyYNA8IvRCP7jTmsZ6mJNC7adGw-h70Au9Ba/s1600/DSC02421ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBlObo3S9N4cvZlLr0IZxiTppcFL-kMzG13rNOF6c3-9X3c6R3gVMAUDAuIxVJdRh_h-mTcbie2LDH3pFoyGVh5eKq6G9KHcwfPmD_RA3WLyYNA8IvRCP7jTmsZ6mJNC7adGw-h70Au9Ba/s1600/DSC02421ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
チップ化された材は、ロータリーキルン(右側の水平になった筒)を通ってボイラーに送られていきます。ロータリーキルンは木質チップの熱源(左側の縦の筒型のボイラー)で暖められていますが、この熱源は発電とは無関係でFITに算定されないため、建築廃材チップを使用しているそうです。<br />
<br />
ちなみに、FIT対応バイオマス発電所の第1号といわれる福島の「<a href="http://gh-aizu.co.jp/index.html" target="_blank">グリーン発電会津</a>」も、発電用ボイラーに投入する前段階でチップの水分調整をしていますが、「会津」はロータリーキルンではなくチップの搬送コンベアーを下部から熱する構造でした。「天瀬」は後発だけあって、より積極的に効率よく水分を調整する仕組みになっていると思いました。<br />
<br />
バイオマス材の受入れはトラックスケールによるもので、「かわい」でもどこでも変わりありません。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgS3nzi7HaDuDSCo4bjMd5Vtbc2V-nQqWAd84t1TAi2o5dJ7p5K4wtbJkHAm2SlQjnU5FZDqhrCzz30y5FrH6YXdKSBeaXZZClXRBDBZmP7zuZx5nZGwnpnAW06DKneSuhyphenhyphen6HsEhUNKnRAo/s1600/DSC02430ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgS3nzi7HaDuDSCo4bjMd5Vtbc2V-nQqWAd84t1TAi2o5dJ7p5K4wtbJkHAm2SlQjnU5FZDqhrCzz30y5FrH6YXdKSBeaXZZClXRBDBZmP7zuZx5nZGwnpnAW06DKneSuhyphenhyphen6HsEhUNKnRAo/s1600/DSC02430ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
敷地いっぱいに材が積まれていましたが、隣接地にまだ空きスペースがあるそうで、できれば2~3ヶ月分をストックし、天日乾燥させながら安定した発電を心がけたい、とのこと。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg-5Vnm3FymGgqdpd3FHFUcasKi33BcJyN0if86TwecJLSJSQYwzWATLkfmVRT988tFtzQiLk_waCjzyxEIs4EwPeC8rYyPt5yVzJYGenuaa1UrTKoakJeST2b06RnfXjTl7djGR-hpVMDn/s1600/DSC02434ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg-5Vnm3FymGgqdpd3FHFUcasKi33BcJyN0if86TwecJLSJSQYwzWATLkfmVRT988tFtzQiLk_waCjzyxEIs4EwPeC8rYyPt5yVzJYGenuaa1UrTKoakJeST2b06RnfXjTl7djGR-hpVMDn/s1600/DSC02434ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
なお、燃焼灰は山林からの木材だけを燃焼させているため非常にクリーンで、廃棄物ではなく有価物として売却している模様。具体的に何の用途に売却しているかは企業秘密とのことでしたが、廃棄物として経費がかかるのと比べ、有価物として売却できることが経営上有利になっているとのお話でした。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjBkJD2d33KMPBdUeD-z8hAcfUe_FDupiqztHRUwPzjR1z7VARy6lDkuGkKXNlxZ7K7ktRvHRLlvb3DRR-GwRJPCGW5vVjJVOpOECsBCziSWE1zDqEZIrVPhwC967D0tU_CD79GpMdm7_aC/s1600/DSC02418ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjBkJD2d33KMPBdUeD-z8hAcfUe_FDupiqztHRUwPzjR1z7VARy6lDkuGkKXNlxZ7K7ktRvHRLlvb3DRR-GwRJPCGW5vVjJVOpOECsBCziSWE1zDqEZIrVPhwC967D0tU_CD79GpMdm7_aC/s1600/DSC02418ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
<br />
まとめになりますが、やはり、他のバイオマス発電所と同様、熱利用がなされていないのが残念ですが、大分県日田市という林業が盛んな地域で、低質材の売り先として意義のある取組みであると評価できました。<br />
<br />
この発電所が無かったら、この地域の低質材が7,000円/トンで売れることは無かったでしょう。<a href="http://www.npobin.net/hakusho/2014/topix_02.html" target="_blank">九州はバイオマス発電計画が乱立気味の様相</a>ですが、「天瀬発電所」は日田市の地域に根ざした発電所として、どうか末永く運営していただきたいと願うものです。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-49048437000911118032014-08-19T22:06:00.001+09:002014-08-19T22:06:02.448+09:00オーストリア製の薪ボイラーを見学しました見学レポートが続きますが、今回は発電からガラリと変わって小規模に、家庭用の薪ボイラーを見学したお話です。<br />
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聞くところによると、<span style="color: blue;">欧州圏では薪ボイラーがたいへんなブームになっている</span>そうです。たしかに、石油やガスのボイラーと違って自分で薪を準備したり、手作業で点火したりする手間はありますが、薪が手に入りやすい地域やご家庭にとっては、<span style="color: blue;">これ1台で給湯も暖房もまかなえる</span>魅力的な選択肢といえるでしょう。<br />
<br />
これは憶測ですが、欧州通貨(ユーロ)って一時期ほどではないにせよ、円に比べて安いですよね。安いユーロで海外から石油を買うと高くつきますし、欧州圏は様々な環境税が石油に課せられているらしい。要するに、欧州圏の皆さんは石油で暖を取ろうとすると、お金がかかって大変なんだと思います。しかも、冬が寒くて長い国ばかり。<br />
それでも凍死者も出さずに、先進国として社会・経済・文化を保っているのは、きっと地域の資源を地域で活かす仕組みが成り立っているからではないでしょうか?まあ、ロシアからのガスパイプラインのおかげもあるかもしれませんが。このあたり、いつか現地を訪ねてこの目で確かめてみたいものです。<br />
<br />
さて見学レポですが、新築されたばかりのこのお宅には、ご紹介する<span style="color: blue;">薪ボイラー</span>のほか、居間には輸入品の<span style="color: blue;">薪ストーブ</span>が設置され、また、建築に使用した木材は<span style="color: blue;">地域材</span>に限定、かつ十分な<span style="color: blue;">断熱仕様</span>とするなど、施主とご家族の「想い」や「こだわり」が感じられる造りになっていました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjqnRP1hvGMgX-4uwGGNrDQtSvrZbxSCnnWhd5IVXGM2FJU1AxuhWDVlxefWagSccQ0wWvi4mTBdkSCxWgNQbWP2qqsPc6z7WUbJeQ3ncDyFYaYkfggqqmMWWQsMUYlJf6C0spuNSjmnFWm/s1600/DSC02335ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjqnRP1hvGMgX-4uwGGNrDQtSvrZbxSCnnWhd5IVXGM2FJU1AxuhWDVlxefWagSccQ0wWvi4mTBdkSCxWgNQbWP2qqsPc6z7WUbJeQ3ncDyFYaYkfggqqmMWWQsMUYlJf6C0spuNSjmnFWm/s1600/DSC02335ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
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ボイラー室というよりも、お宅の勝手口に納まったコンパクトな機体。<a href="http://www.eta.co.at/index.php?id=40&L=1" target="_blank">オーストリアETA社</a>製、<a href="http://www.eta.co.at/109.0.html?&L=1" target="_blank">定格で20kW出力のタイプ</a>です。大きさは、高さ1,5m、奥行き1.0m、幅0.6mといったところ。<br />
<br />
出力のイメージとして、ご家庭のFF式石油ストーブが5kW程度ですから、その4倍ほどの出力があることになります。これ1台で、一家の暖房・給湯が全てまかなえる計算です。<br />
<br />
薪ボイラーをご家庭に設置する際、いった何kWの出力を選べば良いのか?貯熱(給湯)タンクは何リットルが適切か?といった計算については、改めて整理していきたいと思います。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi41Jq623Z3PpRtC2bjvoSge8rrlIIp74e4cmfUOlHWGr_vghDuEfuCbbspxq87dHlqhCVJlv4yBwQGlJ7KUXkC1ABqKQAaRqRKx3Xqn6c1UbPPYW-UDLmZSv-_3BLCzqdQ06F0KBd956FL/s1600/0654bd2b64.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi41Jq623Z3PpRtC2bjvoSge8rrlIIp74e4cmfUOlHWGr_vghDuEfuCbbspxq87dHlqhCVJlv4yBwQGlJ7KUXkC1ABqKQAaRqRKx3Xqn6c1UbPPYW-UDLmZSv-_3BLCzqdQ06F0KBd956FL/s1600/0654bd2b64.jpg" height="320" width="319" /></a></div>
メーカーのホームページから断面図を拝借。薪の燃焼方式は、いわゆる「<span style="color: blue;">ダウンドラフト式</span>」と呼ばれるもので、図で①の<span style="color: blue;">一次燃焼室</span>に詰めた薪を下側の④から着火、Aの吸引ファンを回して燃焼ガスを下側Eの<span style="color: blue;">二次燃焼室</span>で燃やしてから、背後の煙管(図で螺旋状のコイルが入っている管)で周りの水に熱を伝え、最後に煙突で排出します。<br />
<br />
このように、薪の下から火を点ける「ダウンドラフト式」にすることで、<br />
1)木材を一次燃焼室でガス化、二次燃焼室で完全燃焼させ<span style="color: red;">クリーンかつ高効率な燃焼</span><br />
2)<span style="color: red;">薪が下から逐次に燃えていく</span>ので、投入した薪が一度に全部燃え上がることがない<br />
3)そのため、必要な分のまとまった薪を詰めておくことができ、<span style="color: red;"><span style="color: black;">何度も</span>途中で薪をくべる必要がない</span>(もちろん、後から継ぎ足し投入は可能)<br />
4)吸引ファンと一次・二次の空気量を調節することで、ある程度の<span style="color: red;">出力制御が可能</span><br />
といったメリットがあります。<br />
<br />
また、このメーカーの特徴として、<span style="color: blue;">手動式の簡易な煙管内のスス払い装置</span>を備えていることが挙げられます。図のとおり煙管内には螺旋状のコイルが入っていて、外のハンドルを動かすことで、煙管内のススを簡単に除去できるようになっています。煙管内部の汚れは熱効率に直結するだけに、簡便にして要領を得た設計といえるでしょう。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEilJ1bpbmbny01MlJyIn8aO65Na54f5A5wZ8UxGRV22XJV_m5QPhd6HxqSajLbIAPP2EYvJjDmDVD0nxwkb7-cTgeeUD9icJZ3mr7LTyq1bslJVP6J7EyVnCqHIR7RRmpqHP92fR5OL7Xyz/s1600/DSC02343ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEilJ1bpbmbny01MlJyIn8aO65Na54f5A5wZ8UxGRV22XJV_m5QPhd6HxqSajLbIAPP2EYvJjDmDVD0nxwkb7-cTgeeUD9icJZ3mr7LTyq1bslJVP6J7EyVnCqHIR7RRmpqHP92fR5OL7Xyz/s1600/DSC02343ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
お湯は500リットルのタンクに蓄えられます。このお湯は、このまま直接給湯に用いられると同時に、暖房用の貯熱タンクを兼ねています。 <br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg9ntUQZWHPoyW2G8vTBIAYRXO7cUnR_CWevfCFIuQRBGKorVG9W_hfKWPAvKujGX3b65si1K81KawBICBpfNVjaLEghHrdsdIJNaagcNcvJNyQq04MjX2Ee6Jfw22z-93T95-URovsD9I5/s1600/DSC02345ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg9ntUQZWHPoyW2G8vTBIAYRXO7cUnR_CWevfCFIuQRBGKorVG9W_hfKWPAvKujGX3b65si1K81KawBICBpfNVjaLEghHrdsdIJNaagcNcvJNyQq04MjX2Ee6Jfw22z-93T95-URovsD9I5/s1600/DSC02345ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
各部屋へ暖房の温水を分派する「ヘッダー」と呼ばれる配管部分。当然、「行き」と「戻り」があります。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjxxDxoOj-Ni9dKtg30hM8DuhVPwv4VrycQuh1sNT_YlSfRSu13Uw7XZQ5FKCWsz91Ev2fQTFp3KhzaYQ36eaCqO4nWQGnLRYXaGSj3gVSz2qklg3st1h1d4LE5DfuCURO5LL7psSZIGtz1/s1600/DSC02340ss.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjxxDxoOj-Ni9dKtg30hM8DuhVPwv4VrycQuh1sNT_YlSfRSu13Uw7XZQ5FKCWsz91Ev2fQTFp3KhzaYQ36eaCqO4nWQGnLRYXaGSj3gVSz2qklg3st1h1d4LE5DfuCURO5LL7psSZIGtz1/s1600/DSC02340ss.jpg" height="213" width="320" /></a></div>
ボイラー背面の配管接続部。分かりにくくて申し訳ないのですが、温度計とサーモスタット付きのミキシングバルブが付いていて、これでボイラーに戻る水の温度を制御している模様です。このあたりにメーカーのノウハウがあるのでしょう。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg2H7fQ8Z-E2dQ66hbhpU7zpKQ1X-5FXi1-HUqAvBUbOnBYNDb6m4UD1v9iXdPP90k-zuJFy4LkgpoVC9Gi7PPkN3dn4Z73lpRIwJgwbGIqIXLtgW5Vw5D3kI06EE3CKSqW4HMUNylz3Tdi/s1600/DSC02347ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg2H7fQ8Z-E2dQ66hbhpU7zpKQ1X-5FXi1-HUqAvBUbOnBYNDb6m4UD1v9iXdPP90k-zuJFy4LkgpoVC9Gi7PPkN3dn4Z73lpRIwJgwbGIqIXLtgW5Vw5D3kI06EE3CKSqW4HMUNylz3Tdi/s1600/DSC02347ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
さて点火です。<span style="color: blue;">点火作業は小学校4年生の長男の仕事</span>とのこと。火を点ける「アソビ」は男の子にとってゲームよりもオモシロイのでは?妹さんも興味津々ですね。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhUBlQmp2KUJTjuOWwMw8f0M1QezBdP2kji7qanCsvJbo_o4lWIHcMIzjLIam5WGi5iN_7BAOIF9w-ABOb3sVHQbgK-LYayhHMg65aMmbtTu0GFn9ofbbQ-GyrY7_qej4kML2bjDldDjVy7/s1600/DSC02350ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhUBlQmp2KUJTjuOWwMw8f0M1QezBdP2kji7qanCsvJbo_o4lWIHcMIzjLIam5WGi5iN_7BAOIF9w-ABOb3sVHQbgK-LYayhHMg65aMmbtTu0GFn9ofbbQ-GyrY7_qej4kML2bjDldDjVy7/s1600/DSC02350ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
着火の手順は、①一次燃焼室に必要量の薪を詰める、②スス払いハンドルを動かして煙管を掃除、③本体のスイッチを入れて吸引ファンを回す、④下側の点火口から古新聞で着火、⑤モニターパネルに表示される排煙温度が100℃になったら点火口を閉める、あとは自動運転になります。<br />
<br />
男の子が説明しながら、やって見せてくれました。 <br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi4z_D5vXypnI8MiJd7i9Uk_TGJsR83_0hUCZ6odnybmnhEk5WTn1DFhfxFbynl54loSzcJ8fwbd1EYfnYwf8Ghk8Q7cGTXNgkksF8JA33dN2282gRTZx0imRaFwH1Pg6HLlidbXRsEHc-7/s1600/DSC02357ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi4z_D5vXypnI8MiJd7i9Uk_TGJsR83_0hUCZ6odnybmnhEk5WTn1DFhfxFbynl54loSzcJ8fwbd1EYfnYwf8Ghk8Q7cGTXNgkksF8JA33dN2282gRTZx0imRaFwH1Pg6HLlidbXRsEHc-7/s1600/DSC02357ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
着火した直後。焚き付けを用意するところは薪ストーブと同じです。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhZMn1xOm8Ky905Vw_ExzS9fTnxx3zQmVU7lc02QYdQJxkU3CAN_axJucKfJXBUkRLDWaQZiwmwfZ3Ba_RXdnMneV0zjXol2d5yjh_Mvf0rzS5-p9g4JmFXrw9Pmwv2oEdC43sabYqhi1PN/s1600/DSC02361ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhZMn1xOm8Ky905Vw_ExzS9fTnxx3zQmVU7lc02QYdQJxkU3CAN_axJucKfJXBUkRLDWaQZiwmwfZ3Ba_RXdnMneV0zjXol2d5yjh_Mvf0rzS5-p9g4JmFXrw9Pmwv2oEdC43sabYqhi1PN/s1600/DSC02361ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
下段の二次燃焼室に向かってガスが吸引されている様子。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrGA6vst1AOtaImgyWawg20QtoOCRstZjiFfdisk1iynaUOfXem4NnrYZ9Dza3Hl6jfjTgGNCeNXNPLEN1G2XkvodAYs4pYaAVFVOdZjki0AGJLpLjogWShcRVj4GVR69L1xmSxdK2wywO/s1600/DSC02358ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrGA6vst1AOtaImgyWawg20QtoOCRstZjiFfdisk1iynaUOfXem4NnrYZ9Dza3Hl6jfjTgGNCeNXNPLEN1G2XkvodAYs4pYaAVFVOdZjki0AGJLpLjogWShcRVj4GVR69L1xmSxdK2wywO/s1600/DSC02358ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
扉の絵を見れば点火の手順がわかるようになっています。難しいところはありません。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOxo0VJdaBGb7SXhgkmTlxQP-PnUUrvksMWsrYxYVQQkXO_ENju8M9xVn1t9F__L7-tA9Gk1Zl2VR63knFqar1FN5_gvU_3ZxYx1GoA5HxklLqjphA5g9eNloH2GFnhrwVcCek-VXMXZuZ/s1600/DSC02364ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOxo0VJdaBGb7SXhgkmTlxQP-PnUUrvksMWsrYxYVQQkXO_ENju8M9xVn1t9F__L7-tA9Gk1Zl2VR63knFqar1FN5_gvU_3ZxYx1GoA5HxklLqjphA5g9eNloH2GFnhrwVcCek-VXMXZuZ/s1600/DSC02364ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
運転状況は上部の液晶でグラフィックに表示されます。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiPmxHO2emD0670yPPOi-s_VjXGf7GQStPKxRZt6m1zWekFiWgXqLy6Eavaqo4CpIJ6P4CWhJFKLK4WyAEwCCjAJM-FTZoZDX018a123TcAEINrqHNSw_kgaNe54Sov19q6uR4BZsKApn2z/s1600/DSC02369ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiPmxHO2emD0670yPPOi-s_VjXGf7GQStPKxRZt6m1zWekFiWgXqLy6Eavaqo4CpIJ6P4CWhJFKLK4WyAEwCCjAJM-FTZoZDX018a123TcAEINrqHNSw_kgaNe54Sov19q6uR4BZsKApn2z/s1600/DSC02369ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
吸引ファンがあるとはいえ、煙突は保温したほうがドラフト(通風力)が出て良いようです。チップボイラーもそうですが、木質ボイラーはみな薪ストーブと同じ理屈です。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggYJ-YtxuRxQxBgirY2V0L1OyKHp78umotllw1d-Fg3W80xyEBofc0UDndkmmzUDHT4NOEg19_UEIsOxVoATndPX68CkJ045d4LIvwKLKPiHc9OTPe29ry5-Jn_lQt5wjU3LnPGz650u4S/s1600/DSC02385ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggYJ-YtxuRxQxBgirY2V0L1OyKHp78umotllw1d-Fg3W80xyEBofc0UDndkmmzUDHT4NOEg19_UEIsOxVoATndPX68CkJ045d4LIvwKLKPiHc9OTPe29ry5-Jn_lQt5wjU3LnPGz650u4S/s1600/DSC02385ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
薪ボイラーの運転データは全てネット経由でETA本社に送られ、<span style="color: blue;">ETAのサーバから運転状況がリアルタイムで見られるハイテク仕様</span>です。売った製品がちゃんと使われているかどうか、メーカーからまる分かり(笑)<br />
<br />
<br />
岩手でも薪ストーブは一般的に見られるようになりましたが、こうした二次燃焼方式の薪ボイラーはまだ稀です。一方、寒くて長い冬を過ごす欧州圏の方々にとって、暖房と給湯が同時に得られる薪ボイラーは、少々贅沢ながらたいへんありがたい機器なのでしょう。そのニーズが、<span style="color: blue;">薪ボイラーをここまでハイテク機に進化させた</span>のだと思いました。<br />
<br />
ご覧のとおり使い勝手は極めて良く、薪を準備する以外にこれといった手間はかからないようです。冬が寒くて長いことは岩手も同じ。だとすれば岩手でも、薪ストーブが普及したその先には、こうした薪ボイラーが普及する可能性があるのでしょうか?forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-27783658469640390722014-08-03T22:23:00.001+09:002014-08-04T17:02:15.827+09:00「ウッティかわいバイオマス発電」を見学しました(その3) 燃料の要件・価格と受入れブログ更新が遅くなりましたが、今回は「ウッティかわいバイオマス発電」のバイオマス材受入れの要件・価格や、燃料供給の様子を整理したいと思います。<br />
<br />
ご案内のとおり、「ウッティかわいバイオマス発電」が<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html" target="_blank">消費する木質燃料は年間9万トン程度</a>ですが、このうち半分の4.5万トンは雫石町及び川井村の自社集成材工場から発生するチップでまかなう計画です。これら端材チップは、<a href="http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html" target="_blank">FIT法で区分されるところの「一般木質バイオマス」に相当し、この燃料から発生する電力は24円/kWh</a>で買い取られる、とされています。<br />
<br />
一方、残りの半分の4.5万トンは<a href="http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html" target="_blank">「間伐材等由来の木質バイオマス」を想定しており、この燃料から発生する電力は32円/kWh</a>で買い取られる、とされています。<br />
<br />
「間伐材由来の木質バイオマス」は、丸太のかたちで各地の素材生産事業体(要するに、山で木を切る仕事をする業者)が、<a href="http://www.soryukyo.or.jp/" target="_blank">ノースジャパン素材流通協同組合</a>を通じて納入することになっています。個々の業者が個別に持ち込んだのでは、1)丸太の検収及び代金の決済事務が煩雑になる 2)発電所の需要に応じた安定的な供給が難しい、といったことから、ノースジャパンが業者を束ねて供給の任を担っていらっしゃるわけです。<br />
併せてノースジャパンは、納入するバイオマス材について間伐材証明を取得・整理する役割も担っています。こうした仕組みは、合板工場に丸太を安定供給する取組みでも見られた手法ですね。<br />
<br />
ちなみに、川井林業(雫石工場)及びウッティかわい(川井工場)の原木消費量は合わせて年間30万㎥の計画です。どちらも集成材工場なので、丸太→ラミナの歩留まりは50%程度、したがって年間15万㎥相当の端材チップが発生し、重さにするとおよそ12万トン、このうち4.5万トンが発電に回される計算です。残りはこれまで通り、製紙用チップとして遠く宮城県石巻市の製紙工場に運ばれることになります。<br />
どうやら、安い製紙用チップを運賃をかけて石巻に運ぶより、発電所で24円/kWhで燃やしたほうが利益になるらしいです。それでも、川井林業ほどの大口供給者になると、発電に回すので明日から製紙用は供給ストップします、とはいかないのでしょう。<br />
<br />
さて、ノースジャパン素材流通協同組合が示す<span style="color: red;">バイオマス用素材の納入条件</span>は以下のとおりです。<br />
※2014年4月11日現在<br />
(素材規格)<br />
対象 :間伐材等由来の木質バイオマスのみ(間伐材・保安林材・森林経営計画材・国有林材 等)<br />
品質 :バイオマス用素材(C材・D材)<br />
樹種 :スギ・カラマツ・アカマツ(分別して納入)<br />
径級 :6㎝以上、最大径級は上限なし<br />
長さ :1.8m~2.2m<br />
その他:枝・短コロは当面納入不可ですが将来的には納入可能予定です<br />
(納入方法)<br />
川井林業(本社)又は区界計量施設で重量を測定、指定の土場へ荷降ろしする<br />
再度、空車重量を測定し納品書に重量等記入の上、提出する(納品書控えと計量伝票を受け取る)<br />
(納入価格)<br />
スギ・アカマツ @4,500円/トン<br />
カラマツ @6,000円/トン<br />
ただし、上記金額は消費税抜き<br />
(流通手数料)<br />
販売代金の3.5%を徴収します<br />
(決済方法)<br />
販売代金は25日締め翌月末に指定口座へ支払います<br />
<br />
上記のとおり、納入価格はトン単位ですが、<span style="color: blue;">材積当りに換算(推計)</span>してみましょう。<br />
スギ・カラマツ・アカマツの絶乾比重をそれぞれ0.4・0.5・0.5、生材時の含水率(乾量基準)をそれぞれ100%、80%、100%とします。<br />
すると、スギ=0.8トン/㎥、カラマツ=0.9トン/㎥、アカマツ=1.0トン/㎥となるので、<br />
ス ギ :4,500円/トン ☓ 0.8トン/㎥ = 3,600円/㎥<br />
カラマツ :6,000円/トン ☓ 0.9トン/㎥ = 5,400円/㎥<br />
アカマツ :4,500円/トン ☓ 1.0トン/㎥ = 4,500円/㎥<br />
説明では「受入れ価格は製紙用材の相場に配慮した」とのお話でしたがまさにその通り、製紙用材より微妙に高めの設定にしてある模様です。<br />
材積当りではスギよりもアカマツの単価が高くなっていますが、これは熱量単価に配慮した結果と見て良いでしょう。また、カラマツは生材でも含水率が低く絶乾比重も高いので、バイオマス利用しやすい材として評価していると考えられます。<br />
<br />
長くなりましたが、場内のバイオマス材やチップ保管の様子など。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhwHL6OR_kUWjJz6iAadv04PkT-gOtYpP_l4yk3_cgmNTcTq12DurwB2VyH4jEAUi1-P8JhkgexvThK6F1n79f7-Gg3-8IC91e__ZYcNHHGDBeOqQ8Hk0ZNI6g_quVB1T7F9k27rEhO2q8/s1600/DSC02232ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhwHL6OR_kUWjJz6iAadv04PkT-gOtYpP_l4yk3_cgmNTcTq12DurwB2VyH4jEAUi1-P8JhkgexvThK6F1n79f7-Gg3-8IC91e__ZYcNHHGDBeOqQ8Hk0ZNI6g_quVB1T7F9k27rEhO2q8/s1600/DSC02232ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
まず、計量施設(トラックスケール)で重量を測定。これは自社工場からチップを運んできたチップ車ですが、これも証明が必要なため、購入する丸太と同様、一律に重量を測定することになります。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhiwm9C15RHZarKFsPx_iZYGzBUGSGxDaJw3sNxVX1wxJZWOJAqGia9nLFDE2v7jJqnUDRdxgouDgtPfNBdq09AL6r_NZVS1Vcr_WgFErbB-MIJ9TnWvJihLeDrle_GWk5BuywKvmQQZBNw/s1600/DSC02236ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhiwm9C15RHZarKFsPx_iZYGzBUGSGxDaJw3sNxVX1wxJZWOJAqGia9nLFDE2v7jJqnUDRdxgouDgtPfNBdq09AL6r_NZVS1Vcr_WgFErbB-MIJ9TnWvJihLeDrle_GWk5BuywKvmQQZBNw/s1600/DSC02236ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
チップ車からチップを降ろしている様子。チップ車のゲートを開けてフォークローダでその場に落としていきます。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi_H4M9C2l7Cr6Xwzng0LoP-o1qPaiMMuayolprR6P3RfiUEETKltb7Il8YPlCkA739dMD-zZzAWQTJGl6w1Bpl5frWlOh5DGYqhQ2IQHBFFoShSzb-YrMzArmo1T6xLRd9EnXKuOLMCAbC/s1600/DSC02238ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi_H4M9C2l7Cr6Xwzng0LoP-o1qPaiMMuayolprR6P3RfiUEETKltb7Il8YPlCkA739dMD-zZzAWQTJGl6w1Bpl5frWlOh5DGYqhQ2IQHBFFoShSzb-YrMzArmo1T6xLRd9EnXKuOLMCAbC/s1600/DSC02238ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
チップ化前の丸太の様子。丸太の土場は数カ所に別れており、夏場はもっぱら天日乾燥させて水分を下げ、冬場の熱需要増大に備えているそうです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiIlAiINQCLgwFyKJBIopZeNJozD_htha8NRZ6nCl1-rKaF7UMqsUFQfmoWVcu0S1pwsCfKDm6DOZClTgl0PJH4XpubVTpIMD0erF9tx76NPBsgHqeOgLQT-XYBYpZNRt6azCkWVmfUkDBo/s1600/DSC02239ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiIlAiINQCLgwFyKJBIopZeNJozD_htha8NRZ6nCl1-rKaF7UMqsUFQfmoWVcu0S1pwsCfKDm6DOZClTgl0PJH4XpubVTpIMD0erF9tx76NPBsgHqeOgLQT-XYBYpZNRt6azCkWVmfUkDBo/s1600/DSC02239ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
バイオマス材の様子。丸太なら何でも構わない、といった様子です。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgqkXi5_ux5liH17b5wMEQC4YuLnvKJnJJUGlKOefBA76KPxAtPifMb4g4xNkBWG3gIhs7b3BX-vMxhMxIvIITlNT7eVsEVHwT3zjvmbQ712S8js4CjTWVvmuHhWOKeYY7H7c7vjtW5daHp/s1600/DSC02254ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgqkXi5_ux5liH17b5wMEQC4YuLnvKJnJJUGlKOefBA76KPxAtPifMb4g4xNkBWG3gIhs7b3BX-vMxhMxIvIITlNT7eVsEVHwT3zjvmbQ712S8js4CjTWVvmuHhWOKeYY7H7c7vjtW5daHp/s1600/DSC02254ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
丸太はチップ保管施設内のチッパー(破砕タイプ)でチップ化されます。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiBGeesuhIPKetTl8oiJuziyYFXWNGOkGL_Yz3HOYyYgnhsHJAn09eiEVfIhrQUMwuNDMjqBw802PuUqAUk9Pofw0jY8wIJ9eZa6W9Pf08On5HADQDTTLKOexjsQ2N_oY2IJlAqq29wsqCc/s1600/DSC02251ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiBGeesuhIPKetTl8oiJuziyYFXWNGOkGL_Yz3HOYyYgnhsHJAn09eiEVfIhrQUMwuNDMjqBw802PuUqAUk9Pofw0jY8wIJ9eZa6W9Pf08On5HADQDTTLKOexjsQ2N_oY2IJlAqq29wsqCc/s1600/DSC02251ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
広大な屋根付きチップ保管施設。何トン保管できるかは、聞き忘れましたスイマセン。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgg2nVuhDOWZ16AOYHFnxwlMs3NtpNgrfFSbiHfen2OtHjWAOQFzidOCe2PuhFoxi1Pc5b30oiU93mTugZf45TwDpZ8-o6rZtjW1hCBsVtMQEtKF3rmtPqDSzYj3t6zvCiAa8s5mCR-SaH3/s1600/DSC02249ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgg2nVuhDOWZ16AOYHFnxwlMs3NtpNgrfFSbiHfen2OtHjWAOQFzidOCe2PuhFoxi1Pc5b30oiU93mTugZf45TwDpZ8-o6rZtjW1hCBsVtMQEtKF3rmtPqDSzYj3t6zvCiAa8s5mCR-SaH3/s1600/DSC02249ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
保管施設にペレットを発見。これは、集成材工場で発生する細かいノコ屑等をペレタイザーで固めたもの。こうした粉体はそのままでは取扱が厄介なため、ペレタイザーで固めてから運搬することにしたとの由。ペレットといっても粉の多いラフな性状で、ストーブ用として販売できる品質ではありませんでした。<br />
<div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgTUIEUAWkn2Z57e0EhS768sv5EvnwVUF0clDYZLHixYZyu9yhQ7aW5ShyfWq1Od9oiHWo11AebAsnDdBXaURv4g-4-KDkTbUtn8KwymATHgRF3CwXLA1bID9JRRLnuuT_vMS5TAAjiBoeJ/s1600/DSC02266ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgTUIEUAWkn2Z57e0EhS768sv5EvnwVUF0clDYZLHixYZyu9yhQ7aW5ShyfWq1Od9oiHWo11AebAsnDdBXaURv4g-4-KDkTbUtn8KwymATHgRF3CwXLA1bID9JRRLnuuT_vMS5TAAjiBoeJ/s1600/DSC02266ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
燃料投入口には、集成材工場のチップ、ペレット、破砕した原木チップと様々な木質バイオマス燃料が混合され、ボイラーに流れていきます。<br />
<br />
以上、3回にわたって「ウッティかわいバイオマス発電」の様子を見てきました。どうやら、<span style="color: blue;">関東・関西と比べバイオマス材の買取り価格が低い</span>ように思われます。それはおそらく、製紙用チップ材との価格差に配慮した結果と推測されますが、今後、この相場がどのように動いていくか注視していきたいと思います。<br />
<br />
施設の稼働には様々なご苦労があったことは想像に難くありませんが、<a href="http://www.eneres.co.jp/pr/20140331.html" target="_blank">発電した電力が新丸ビル向けに供給する再生可能エネルギーとして直接販売される</a>など順調に運営されている模様で、「今後、さらに電気料金が高騰するようであれば、自社工場向けに発電施設を増設することも考えたい」とお話されていました。<br />
代表取締役の澤田令氏は、言ったことは実現する方なので、今後もウッティかわいの動向から目が離せませんね。<br />
<br /></div>
forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-57463007213998270302014-07-13T20:33:00.001+09:002014-12-19T12:55:59.973+09:00「ウッティかわいバイオマス発電」を見学しました(その2) 規模や発電効率を知る<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%8A%80%E5%A3%AB" target="_blank">労働安全衛生法</a>では、ボイラーは蒸気ボイラーと温水ボイラーとに区分され、それぞれ異なる安全基準や<a href="http://www.jbanet.or.jp/license_qualification/division/boiler.html" target="_blank">取扱の資格</a>が定められています。<br />
蒸気ボイラーは発電施設だけでなく各種工場の熱源やクリーニング店などの産業用に、温水ボイラーは暖房や入浴施設の熱源などに用いられています。<br />
<br />
<span style="color: red;">蒸気ボイラーの出力は「最大蒸発量」で評価</span>されます。これは、最大連続負荷の状態で1時間に発生する蒸発量(kg/h又はt/h)でその能力を示しています。<br />
一方、<span style="color: red;">温水ボイラーの出力は発生する「最大熱量」で評価</span>され、単位はkW(キロワット)で示されることが多いです。<br />
そして、発電所の規模は発生する電力で評価され、単位はkW(キロワット)やMW(メガワット)です。<br />
<br />
以下では、「ウッティかわいバイオマス発電」を引き合いに、蒸気ボイラーと温水ボイラーの規模を比較するため<span style="color: blue;"><span style="color: black;">、</span>「最大蒸発量」(kg/h)を「最大熱量」kW(キロワット)へ換算する方法</span>を整理してみます。これを知っていると、自分が知っているボイラーの出力を思い出せば、計画中のボイラーなどおおよその規模がイメージできるからです。<br />
<br />
また併せて、ウッティかわい<span style="color: blue;">バイオマス発電の発電効率を推測</span>し、評価してみます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRAxgKWorafhL00GnPR2KRCmsK_QYbW-UBGZ2KMWFIi2o7VDE48321j0-YkFBka40e9GNYhAR_WQVPv_s4wSQVaaF4TtyaFUCVvSyO_hnWAUemDGpYqLCaCwnvwELdIk4NgHo3uehj392I/s1600/takuma.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRAxgKWorafhL00GnPR2KRCmsK_QYbW-UBGZ2KMWFIi2o7VDE48321j0-YkFBka40e9GNYhAR_WQVPv_s4wSQVaaF4TtyaFUCVvSyO_hnWAUemDGpYqLCaCwnvwELdIk4NgHo3uehj392I/s1600/takuma.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
■最大蒸発量(kg/h)→出力(kW)に換算<br />
蒸気の発生に要する熱量は、圧力、温度によって変わってきますが、ボイラー定格の最大蒸発量は、そのボイラーが実際に給水から所要蒸気を発生させるのに要した熱量を、標準状態における<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_9.html" target="_blank">水の蒸発潜熱(2,257kJ/kg)</a>で除したもの、と規定されています。<br />
<br />
逆に言うと、 <span style="color: blue;">水の蒸発潜熱(2,257kJ/kg)に定格の最大蒸発量を掛けると、そのボイラーが発生する熱量</span>になります。<br />
ウッティかわいバイオマス発電の場合は、<br />
2,257kJ/kg ☓ 28,000kg/h = 63,196,000kJ/h<br />
<br />
一方、熱量J(ジュール)と、仕事率W(ワット)との関係式は、<br />
1J = 1W・s<br />
つまり、1Wの出力で1秒間運転したエネルギー量が1Jですから、<br />
1kW・h = 1kJ☓3,600s = 3,600kJ<br />
<br />
したがって、最大蒸発量28,000kg/hのこのボイラー出力kWは、<br />
63,196,000kJ/h ÷ 3,600 = 17,554kW<br />
<br />
ただし、上記の水の蒸発潜熱(2,257kJ/kg)は近似値ですから、端数など含めますと、<br />
<br />
<span style="color: blue;">※最大蒸発量(kg/h)→出力(kW)に換算する係数</span><br />
<span style="color: red;">最大蒸発量(kg/h) ☓ 0.626954 =出力(kW)</span><br />
<br />
ウッティかわいバイオマス発電の場合は、<br />
28,000kg/h ☓ 0.626954 = 17,554.712kW ≒ 17,500kW<br />
暗算するときは、<span style="color: blue;">最大蒸発量kg/hの6掛け強の値でkWの値になる</span>、といった感じです。<br />
<br />
バイオマスの温水ボイラーには様々な規模がありますが、よく使われるのは小型で200kW程度、大きくて500kW~1,000kWといった規模のものです。発電用の蒸気ボイラーの出力がいかに大きいか、お分かりいただけるかと思います。<br />
<br />
とはいえ、これが石炭火力発電所ともなると、ボイラーの出力は数100万kWありますから、バイオマス発電のさらに数十倍はあります。木質バイオマスでは実現できない規模です。<br />
<br />
<br />
■バイオマス発電所の発電効率を推測する<br />
まず、発電効率の定義です。<br />
<br />
バイオマスに限らず、ボイラーによる蒸気タービンの発電では、<br />
①燃料 ⇒ ②ボイラー → ③蒸気タービン → ④発電機 ⇒ ⑤電力<br />
<br />
といった流れになりますが、一般的に<span style="color: red;">発電効率とは、「ボイラーに供給した燃料の発熱量」に対する「発電機出力」の比</span>と定義され、正しくは、「発電端熱効率」と言います。<br />
また、供給した燃料の発熱量は、低位発熱量基準で評価するお約束になっています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi5mXTBA_Y35xX8XVKocmUJcHgChgXw9SAPphnKOLpRRJvdBnn4KY8GAG12xqLnWvSOyCcxE0JFR4P9DaxOmJuNii_LkMABCh0YvD-uxe4M7fHH3xbB4C0ZBcRFUZSMaGqb239Ag_8B6Ua_/s1600/steamengine.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi5mXTBA_Y35xX8XVKocmUJcHgChgXw9SAPphnKOLpRRJvdBnn4KY8GAG12xqLnWvSOyCcxE0JFR4P9DaxOmJuNii_LkMABCh0YvD-uxe4M7fHH3xbB4C0ZBcRFUZSMaGqb239Ag_8B6Ua_/s1600/steamengine.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
さて、上記のボイラー出力換算で、②のボイラー出力が17,500kWであることが判明しています。<br />
また、④の発電機が発生する⑤の電力は、5,800kWであると表示されています。<br />
<br />
一方、単位時間当りに投入されるバイオマス燃料の量や発熱量はハッキリしません。そこで推測ですが、<span style="color: blue;">①燃料が②ボイラーで蒸気熱に変換される効率を、他のバイオマス蒸気ボイラーの事例などから80%と推測</span>してみます。<br />
<br />
すると、①で投入される燃料の熱量は、<br />
17,500kW ÷ 0.8 = 21,875kW ≒ 22,000kW<br />
<br />
このときに発生する電力が5,800kWですから、<span style="color: red;">この発電所の発電効率(発電端熱効率)は</span>、<br />
5,800kW ÷ 22,000kW ≒ 0.26 すなわち、<span style="color: red;">26%程度(推測)</span>ということになります。<br />
<br />
この数値が高いか低いか、ということですが、大型の石炭火力発電所の発電効率が40~43%などとされていますから、さすがにこれと比べれば低いということになります。しかしながら、石炭火力発電所の出力は数十万kWあるのが普通で、発電施設の大型化=高効率という常識からすれば、現状では妥当な発電効率と言えるのではないでしょうか。<br />
<br />
<br />
■余ったエネルギー(熱)はどうなる?<br />
もっとも、「ウッティかわいバイオマス発電」は発電のみの施設で、その熱を利用することが想定されていません。余った差し引き74%のエネルギーは、熱として周囲に放出されているわけです。そのため、発電施設ではあたりまえのことですが、施設の正面には蒸気を水に戻すための冷却塔がいくつも設けられています。<br />
<br />
本当は、冷却塔で冷やす代わりにこの熱を、自社工場の木材乾燥に活かすことができればベターだったでしょう。実際、米マツ製材・集成材で国内最大手の<a href="http://www.chugokumokuzai.co.jp/home.html" target="_blank">中国木材株式会社</a>・鹿島工場では、隣接地に<a href="http://www.g-bec.jp/jigyogaiyo.html" target="_blank">神之池バイオエネルギー株式会社</a>を設立し、<span style="color: blue;">鹿島工場で発生した樹皮や端材を神之池バイオに供給して発電し、その電力と蒸気を鹿島工場の電気と木材乾燥用の蒸気として利用する</span>、という取組みを行っています。さらに、余った電力と蒸気は外部に販売するまで行っている、とのことです。<br />
<br />
「ウッティかわい」も本当は、主力の集成材工場に隣接して発電所を建築したかったのだろうとは思いますが、様々な制約があり結局、雫石工場まで西に50km、川井の工場まで東に30km離れた当地に発電所を建築する判断に至ったのであろうと推測します。<br />
<br />
なんだか、<span style="color: red;">熱がもったいない</span>ですね。木材産業は「木」という重量・容積のかさむ原料を相手にするだけに、できれば、<span style="color: blue;">製材・加工とバイオマス利用をひとつにまとめて<span style="color: red;">コンビナート化</span>すると、熱や電気が上手に活用でき、さらに運搬コストも低減<span style="color: black;">できた</span></span>のだろうと思います。<br />
<br />
どうせやるなら、もっと合理的な設備投資ができなかったものか。「ウッティかわいバイオマス発電」の場合も、なにか立地を規制するものがあったとしたら、これを緩和して差し上げることができなかったものだろうか。これが、施設を見学しての素直な感想デス。。。<br />
<br />
<br />
次回は、「ウッティかわいバイオマス発電」のバイオマス材や燃料チップの受入状況などを整理してみます。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-3286721765614033502014-07-12T21:44:00.001+09:002014-08-03T21:35:02.563+09:00「ウッティかわいバイオマス発電」を見学しました(その1) こんな施設でした<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjvXGypE13CHAM-bVmZlTU80eol3wxaz3HV3rIqxdkv4WSDX2b_8EwiO6pGRbgPHteNGSB_iLvs8I10DtHvudIipHefKkDRa6N9V73lTjCWWKk9Q5_gXO4Rmeii97OygWAxIcvI-7JMvjmK/s1600/DSC02301ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjvXGypE13CHAM-bVmZlTU80eol3wxaz3HV3rIqxdkv4WSDX2b_8EwiO6pGRbgPHteNGSB_iLvs8I10DtHvudIipHefKkDRa6N9V73lTjCWWKk9Q5_gXO4Rmeii97OygWAxIcvI-7JMvjmK/s1600/DSC02301ss.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%B2%B7%E3%81%84%E5%8F%96%E3%82%8A%E5%88%B6%E5%BA%A6" target="_blank">自然エネルギー電力の固定価格買い取り制度、いわゆるFIT法</a>により現在、<a href="http://www.mori-energy.jp/hatsuden1.html" target="_blank">全国で90箇所にも上る木質バイオマス発電所の計画</a>が進められているそうです。木質バイオマス利用はこれまでもっぱら熱利用でしたが、FIT法で一足飛びに木質バイオマス=発電といった雰囲気になってますね。<br />
<br />
岩手県内でもこの4月から、県内におけるFIT認定第1号となる「ウッティかわいバイオマス発電」が稼働しました。先日、この施設を見学する機会に恵まれましたので、その様子をレポートいたします。<br />
<br />
<br />
まずは、発電施設のスペックです。<br />
<br />
■所在 岩手県宮古市区界第4地割<br />
■発電出力 5,800kW(うち、施設内利用800kW)・・・一般家庭の12,000戸分相当(1戸当り3.5MWh/年として)<br />
■ボイラー形式 流動層ボイラー<br />
■実際蒸発量 28,000kg/h(ボイラー出力17,500kW相当)<br />
■蒸気タービン形式 抽気復水タービン<br />
■木質バイオマス使用量 90,000トン/年(うち、自社チップ4.5万トン/年)<br />
■設計・施工 株式会社タクマ <br />
<br />
<br />
場所はココ。盛岡市から宮古市に入った国道106号線沿いにあります。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjLj4WLBodCIE4p1IlOIcn6ZdqSH8rzW38sSjHQoKvgtdeI7q1GIJgf-DitY1QJBtxg927cnXQOb0XPMUA5q4mfosLTYn-ciY8D8veSdvXGdqSuRN2vBw5vJi52_gOAnubHotLQCTWbJ75b/s1600/map.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjLj4WLBodCIE4p1IlOIcn6ZdqSH8rzW38sSjHQoKvgtdeI7q1GIJgf-DitY1QJBtxg927cnXQOb0XPMUA5q4mfosLTYn-ciY8D8veSdvXGdqSuRN2vBw5vJi52_gOAnubHotLQCTWbJ75b/s1600/map.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
見学の際に配布されたシステムフロー図です。<br />
<br />
このフローはいわゆる<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB" target="_blank">ランキンサイクル</a>で、蒸気発電所の最も基本的な蒸気サイクルとされ、(1) 飽和水を給水ポンプでボイラに供給する過程、(2) ボイラで等圧加熱を行い過熱蒸気にする過程、(3) 原動機 (一般には蒸気タービン) で断熱膨張を行なって仕事を発生する過程、(4) 排気が復水器中で等圧冷却されて飽和水となる過程、の4過程から成っています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgA14QQoA-K_w0XA0OS-UkCzFwI0voySZoraqUIOjv_6t5r52DBFJjEI5UCOC4smJO2gOO_JmWBc1EiUv8nSah4tAHzkMZSZp6L-QPeeRtXuHWX9iqKr8fKeg9mk8RpDe0xRjjzNdym2-BM/s1600/kawai_sys.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgA14QQoA-K_w0XA0OS-UkCzFwI0voySZoraqUIOjv_6t5r52DBFJjEI5UCOC4smJO2gOO_JmWBc1EiUv8nSah4tAHzkMZSZp6L-QPeeRtXuHWX9iqKr8fKeg9mk8RpDe0xRjjzNdym2-BM/s1600/kawai_sys.jpg" height="224" width="320" /></a></div>
システムフロー図ではボイラーの構造が分からないので、メーカーの<a href="http://www.takuma.co.jp/index.html" target="_blank">タクマさんのHP</a>から図を拝借。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgFNgVTgygzVw1w5Did97UksNICEA0DaI5aDixdeuYSyWJwJ3qs909nCzVSIKOtXy59nPnSUGMojmLM-fNND9j33dz-u_VJXYZ1SuzRPwy9pgOLpR6dtoxJ-X5TYRbjHg1aiyqWgfSD8ZNA/s1600/r-1.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgFNgVTgygzVw1w5Did97UksNICEA0DaI5aDixdeuYSyWJwJ3qs909nCzVSIKOtXy59nPnSUGMojmLM-fNND9j33dz-u_VJXYZ1SuzRPwy9pgOLpR6dtoxJ-X5TYRbjHg1aiyqWgfSD8ZNA/s1600/r-1.gif" height="217" width="320" /></a></div>
ううむ、かえって分からんか(笑)<br />
<br />
<a href="http://www.takuma.co.jp/product/boiler/ryudou/" target="_blank">流動層ボイラー</a>というのは、熱媒体として硅砂(石英の砂)を高温の流動状態に保ち、この中に焼却物を投入することにより瞬時に完全焼却させる焼却装置だそうです。燃焼に必要な空気は砂の下から吹き込まれ、砂は絶えず動いているので燃料は砂とスレ合いながら燃焼、未燃分(灰)を残して完全に燃焼する理屈です。<br />
砂は一定の周期で循環していて、外部に取り出されたときに灰を分離、再び炉内に戻される仕組みです。<br />
<br />
蒸気を発生させるのは図に書いてあるたくさんの管で、 この管を水管(すいかん)といいます。管が上部で集合している丸い部分を蒸気ドラム、下部で集合している部分を水ドラムと呼びます。節炭器(エコノマイザー)で予熱された水は蒸気ドラムに入り、ボイラー内の水管を上下するうちに熱せられて蒸気となり、蒸気ドラムからタービンに送られていきます。蒸気になれない水は下部の水ドラムに落ちて、熱せられるごとに水管を登っていくわけです。ボイラー内にポンプのようなものを設けなくても、ボイラー水に自然循環を行わせる上手い仕組みです。<br />
<br />
ボイラーは水管が埋め込まれた壁(水冷壁)で覆われていてるので、熱は全て水管に伝わる理屈です。この方式のボイラーを、曲管式水管ボイラーといいます。<br />
タービンを回し終わった蒸気は復水器で冷却されて、再びボイラーに送られ循環します。<br />
<br />
ボイラーの種類や構造については、また日を改めて整理することにして、今日は施設の写真など。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8NRIBzJ9ybx7jjIN3zKWVUeKlHShUYIpvhQmL-fwzLSe2ObLMGB2tRdJVG5L4VXuBR1IPW-OiManfKZWBAPYswt6AA8RNmFApNYDwOB2ZAnR6f1L3IqSV_Quwr282-4fufInsQA_1vo54/s1600/DSC02271ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8NRIBzJ9ybx7jjIN3zKWVUeKlHShUYIpvhQmL-fwzLSe2ObLMGB2tRdJVG5L4VXuBR1IPW-OiManfKZWBAPYswt6AA8RNmFApNYDwOB2ZAnR6f1L3IqSV_Quwr282-4fufInsQA_1vo54/s1600/DSC02271ss.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
施設は、ボイラー棟と発電棟に大きく分けられますが、これはボイラー棟の中の様子です。高さは25m以上あり、複雑な管だらけでよく見えませんでした(苦笑)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnWL6wgwgGfHyt0KMbPT-b4nF0gfZXSzq6F2zi2EVDmdtR6ycLQ8acIiwR2wE4tYcONcwnPrhVwyWaLANtD59bHPpvD3kcW2Q3tOcti0UrC8QbzlTdcUkDEzEwmLVB30XbbpB77rjbL31i/s1600/DSC02277ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnWL6wgwgGfHyt0KMbPT-b4nF0gfZXSzq6F2zi2EVDmdtR6ycLQ8acIiwR2wE4tYcONcwnPrhVwyWaLANtD59bHPpvD3kcW2Q3tOcti0UrC8QbzlTdcUkDEzEwmLVB30XbbpB77rjbL31i/s1600/DSC02277ss.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
排ガスはバグフィルターを通して排出。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEji_C3yxg3bgOfqs3le8ZBR-peqVmS97hUBCg81kWhhIMbW0EPVBR0dhjX53bYOZbSDCVX4aq3gWx0a_2njIgY6TEgyT8ygpY6e73pwUaVtrKVb6m3S6v8-d6lZYineCW4XhFk0HS4d8Bkz/s1600/DSC02284ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEji_C3yxg3bgOfqs3le8ZBR-peqVmS97hUBCg81kWhhIMbW0EPVBR0dhjX53bYOZbSDCVX4aq3gWx0a_2njIgY6TEgyT8ygpY6e73pwUaVtrKVb6m3S6v8-d6lZYineCW4XhFk0HS4d8Bkz/s1600/DSC02284ss.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
発電棟の中の様子。手前の青緑色の箱にタービン、奥のクリーム色の箱に発電機が収まっています。<br />
人の背丈よりも若干高いくらいの大きさで、正直、さほど大きな規模じゃないな、などと思ってしまいました(失礼)<br />
<br />
なお、発生する灰は、大船渡市の太平洋セメントさんが引き取っていただいているそうです。放射能検査を逐次に行い、<a href="http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/110728.html" target="_blank">100ベクレル/kg以下</a>であることを確認している、とのことでした。<br />
<br />
<br />
次回は、この発電所の規模や発電効率を整理してみます。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-81849826035821885522014-06-29T21:21:00.000+09:002014-06-30T01:15:45.554+09:00放射能汚染の「負の連鎖」を断ち切る(その3) チップ工場の危機<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/06/blog-post_22.html" target="_blank">前回お話した再生紙工場</a>K製紙は、大小6つの製材所・チップ工場からバークを燃料として購入していましたが、このうち最も多くバーク燃料を納めていたW林業の対応を追って見ることにします。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgKO9fAUnr6ZepqXSwAijhB6m9fjUgbkBb9ohlMw9yNLaMTs5X6dpIt7aRbFoOA50TwLlTPbie7aqTKr2QpBuhyphenhyphenvY4fhvUAo7MJ5GYXNhOT6yOIazIbfxrAUwfv8KEocNfvOJj3tXGqzMEL/s1600/bark.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgKO9fAUnr6ZepqXSwAijhB6m9fjUgbkBb9ohlMw9yNLaMTs5X6dpIt7aRbFoOA50TwLlTPbie7aqTKr2QpBuhyphenhyphenvY4fhvUAo7MJ5GYXNhOT6yOIazIbfxrAUwfv8KEocNfvOJj3tXGqzMEL/s1600/bark.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
標題の「負の連鎖」についておさらいしますと、<br />
事故前は、チップ工場のバークが木質バイオマス燃料として、<br />
バーク(チップ工場) → バークボイラー(再生紙工場) → 灰(セメント工場)<br />
と滞りなく流れていたものが、放射性物質の影響により、<br />
1)セメント工場が100Bq/kg以上の灰の受け入れを中止<br />
2)再生紙工場のバークボイラーの灰が8000Bq/kgを超え指定廃棄物に<br />
3)バークの汚染が原因と判明、再生紙工場がバークの受け入れを制限<br />
4)受け入れ制限されチップ工場の行き場のないバークが場内に滞留<br />
5)バークの滞留が3000トン(推定)に及び、チップ工場の稼働が危機に陥る<br />
といった「負の連鎖」が生じたものです。<br />
<br />
このチップ工場W林業は、チップ原料用の丸太取り扱い量が年間約3万トン、<span style="color: red;">バークの発生量は年間約2,400トン</span>(<span style="color: blue;">バークは素材丸太の約8%</span>)といった規模の工場です。<br />
発生したバークはこれまで、家畜の敷料(最終的には堆肥になる)及びK製紙のボイラー燃料で、およそ半々ずつ<span style="color: red;">販売されて</span>いました。<br />
<br />
しかし、福島第一原発の事故後に、K製紙からの指摘を受けてバークの放射線量を測定したところ、丸太の産地やロットによってバラつきはあるものの、およそ500~800ベクレル/kgの汚染が確認されました。<br />
このことにより、バークは家畜の敷料として出荷ができなくなり(<a href="http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/supply.html" target="_blank">堆肥の基準は400ベクレル/kg以下</a>)、また、上記4)の受け入れ制限によりK製紙のバーク燃料の買い取り量は半分になりました。<br />
<br />
W林業も他に受け入れ先は無いかと必死に探しましたが、放射性物質を帯びたバークの引取先などあるわけも無く、1年近くあれこれ探したり悩んでいる間にバークは次々に堆積し、ついには<span style="color: blue;">3,000トン近くが工場内に堆積</span>することになりました。これによりW林業は、<br />
<br />
1)山積したバークが原料の<span style="color: red;">丸太の置き場を圧迫</span>し業務に支障<br />
2)高く積み上がったバークが<span style="color: red;">発酵熱により発火</span>するおそれ<br />
3)汚染物質を堆積していると<span style="color: red;">地域住民から苦情</span>が出るおそれ<br />
4)廃棄物処理が不適切であると<span style="color: red;">保健所から処分</span>されるおそれ<br />
5)敷料やバーク燃料として<span style="color: red;">販売していた利益の損失</span><br />
といったリスクが急激に高まり、やむを得ず、市役所にその窮状を訴えることになりました。<br />
<br />
このうち、5)の販売利益は諦めたとしても、3)の苦情や4)の行政処分を受ければ会社の存続が危うくなります。<br />
また、2)の発酵熱による発火というのは本当の話で、これは火災原因のうち<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E7%99%BA%E7%81%AB" target="_blank">自然発火</a>に分類されるものですが、バークやチップを屋外に集積した場合、内部に雨水等が徐々に溜まり微生物による発酵熱を生じ、その発酵熱の蓄積に伴う自然酸化により発熱・発火に至ることがあるのです。一説には、堆積する高さが5m以上になると、特に夏場は危険であると言われています。<br />
なお、丸太の場合は、内部に雨水が溜まることは無いので、積み上げても自然発火の心配はありません。<br />
<br />
事例:<a href="http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/938/198/220901%20syoubou,0.pdf" target="_blank">発電所敷地内で集積・保管していたチップ材の火災について</a><br />
<br />
このため、堆積したバークは早急に処分する必要があったのですが、引き取り手が無いとなると、<span style="color: red;">有価物(資源)であったはずのバークが産業廃棄物扱い</span>になり、その処分費用は、最寄りの「<a href="http://www.iwatecln.or.jp/images/pdf/riyouannai_h21_2013.4.pdf" target="_blank">いわてクリーンセンター</a>」の場合「木くず」に分類され、処理費用は10kg当り90円、これが3,000トンともなると、<br />
90円 ☓ 1,000kg/10kg ☓ 3,000トン = 2,700万円<br />
にも膨れ上がり、これに運搬費用もプラスされるとなると、W林業にとっては廃業するか夜逃げするかといったレベルです。<br />
<br />
W林業はその後、行政の指導を受けながら、<span style="color: blue;">東京電力の福島原子力補償相談室と協議を重ねた</span>結果、<span style="color: red;">処分費用については満額、販売利益の損失についても一部、補償を受ける</span>ことになりました。<br />
ただし、東電から<span style="color: blue;">処分費用が支払われるのは、処分を開始してからその金額を精算した約半年後</span>となるため、多額の処分費用の立て替えも容易なことではありません。ここでは、国(林野庁)が被害を受けた製材事業体のために用意した無利子資金を運用することで、現在も処分を進めながら、なんとか事業を継続している状況です。<br />
<br />
バーク燃料を購入しているK製紙にしても、バークに代えて購入している建築廃材の価格が高く、品質も供給も不安定であるため、早く元のようにバークを買い取りたいのですが、指定廃棄物をこれ以上増やさないためには当面、バークの買い取りは制限せざるを得ない状況が今も続いています。。。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-75628030784765174182014-06-22T23:51:00.002+09:002014-06-23T10:11:15.903+09:00放射能汚染の「負の連鎖」を断ち切る(その2) 再生紙工場の苦悩<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/06/blog-post_14.html" target="_blank">前回お話した</a>再生紙工場、K製紙の製品は古紙再生100%のトイレットペーパーですので、木材を直接原料として使用しているわけではありませんが、収集した古紙を溶解・脱水する過程で必要な熱源として<span style="color: blue;">バークボイラーを40年以上にわたって使用</span>してきました。K製紙がバークを燃料として買い取ってくれるおかげで、地域のチップ工場や製材所はバークの処理や再利用に頭を悩ませることなく、安心してチップ生産や製材に取組むことができたといえるでしょう。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEig_KhX6DLgYZx_5I6w-HTV9UnNhk2MX09cUq7Pj1VWidVVKd__Ud_CcTBdZX8IwOla6zZnrWCgHAVLgXhMtlxopTYJBQI2vGuGb58fF1f3rnaM5NC6p1XV3j6fkA0uZmbw8xMFrICi6Ag7/s1600/DSC00712ss.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEig_KhX6DLgYZx_5I6w-HTV9UnNhk2MX09cUq7Pj1VWidVVKd__Ud_CcTBdZX8IwOla6zZnrWCgHAVLgXhMtlxopTYJBQI2vGuGb58fF1f3rnaM5NC6p1XV3j6fkA0uZmbw8xMFrICi6Ag7/s1600/DSC00712ss.jpg" height="213" width="320" /></a></div>
福島第一原発事故の後、立木のバークに付着したセシウムが灰に濃縮されることを、事前に理解し対応できた事業体は少なかったと思います。K製紙の対応を時系列で整理すると次のようになります。<br />
<br />
■K製紙の対応の経緯<br />
1)H23.3 <span style="color: red;">セメント工場への灰の受入れが不可</span>となりK製紙の場内で保管を行う。<br />
2)H23.6 灰の放射性物質濃度を測定、<span style="color: red;">15,000ベクレル/kg程度の汚染</span>を確認する。<br />
3)H23.7 燃料のバークに付着したセシウムが原因と判断、<span style="color: red;">バークを制限し建築廃材を購入</span>。<br />
4)H23.9 保管している灰について県へ報告書を提出。<br />
5)H24.1 8,000ベクレル/kg以上の灰を指定廃棄物に登録する手続きを開始。<br />
6)H24.5 環境省東北地方環境事務所の現場視察を受ける。<br />
7)H24.7 保管していた灰について<span style="color: red;">指定廃棄物の指定を受ける</span>。<br />
8)H24.8 環境省の指導を受け所定の方法により指定廃棄物の保管(工場外の敷地)を開始。<br />
9)H25.6 保管場所を工場内の敷地(屋外)に変更。<br />
10)H25.12 保管場所を製品倉庫(屋内)に変更。<br />
<br />
いやはや、K製紙にとっては災難としか言いようがありません。<br />
<br />
バークの受入を制限しその不足分を建築廃材にシフトした結果、その後は指定廃棄物となる灰は発生していませんが、それでもトータルで<span style="color: red;">275.8トンの指定廃棄物となる灰</span>が発生してしまいました。<br />
この数量は、環境省の「<a href="http://shiteihaiki.env.go.jp/" target="_blank">指定廃棄物処理情報サイト</a>」の<a href="http://shiteihaiki.env.go.jp/02/02.html#amount" target="_blank">指定廃棄物の数量</a>に示されています。このうち岩手県の数量の「その他」を見ると275.8トン(平成26年3月31日時点)と記載されていますが、<span style="color: blue;">この数量は全てK製紙から発生した指定廃棄物</span>ということになります。<br />
ちなみに、岩手県の欄の「焼却灰」とある193.1トンは全て市町村のゴミ焼却施設から発生した指定廃棄物です。したがって、<span style="color: blue;">岩手県内の民間事業体で指定廃棄物の指定を受けたのは、K製紙ただ1社</span>ということなのです。<br />
実のところ、8,000ベクレル/kg以上の廃棄物は、K製紙以外のところにも存在します。指定廃棄物となることを恐れて測定を避ける事業体がある中で、<span style="color: red;">いかにK製紙がこの問題に真摯にかつ実直に取り組んだか</span>、お分かりいただけるかと思います。<br />
<br />
K製紙が被った被害は多岐に渡りますが、整理しますと、<br />
1)安価なバーク燃料から建築廃材にシフトしたことによる<span style="color: red;">燃料費の増大</span>。<br />
2)セメント工場の原料であった灰が、産業廃棄物となって<span style="color: red;">処分費用24,000円/トンに増大</span>。<br />
3)灰をはじめ、ばい煙や周辺環境などの<span style="color: red;">放射線測定経費と手間</span>。<br />
4)指定廃棄物の<span style="color: red;">保管のための経費</span>や工場敷地、はては製品倉庫まで保管場所に取られる。<br />
5)地域住民から不安視され、<span style="color: red;">工場の立ち退き運動</span>が起きる寸前まで追い込まれる。<br />
<br />
上記の<span style="color: blue;">1)から3)までは、東京電力に掛かり増し経費の請求</span>を行っていますし、また、<span style="color: blue;">4)については環境省から保管に要する経費の補填</span>を受けていますので、金銭的には一応の解決を見ていますが、こと<span style="color: red;">5)に関しては地域の民間企業として極めて厳しい局面</span>に立たされました。<br />
<br />
というのも、地域住民の一部には従前からこの工場が出すばい煙や騒音(いずれも規制をクリアしている)を快く思わない方々も居たのです。そして、こうした方々を背景に某市議会議員がこの指定廃棄物問題を騒ぎ立て、はては県の某○○振興センター所長からは「木質バイオマス利用は指定廃棄物の増大につながる、行政として推進できない」などとする見解まで飛び出す始末で、こうした動きに追い詰められたK製紙は、「ボイラーも40年近く稼働し老朽化していることだし、<span style="color: blue;">この際、重油ボイラーに切り替えたい<span style="color: black;">」などと、すっかり弱り切った状態</span></span>になっていました。<br />
<br />
しかし、K製紙のような真摯で実直な企業が不当に立ち退きを強いられて良いはずがありません。そのためK製紙は平成25年10月に、環境省東北地方環境事務所や県・市の関係者の同席による<span style="color: blue;">地域住民説明会を開催し、その中でこれまでの経緯をありのままに説明</span>し、理解を求めることを行ったのです。<br />
<br />
住民からは、厳重な保管状況などから数値上は安全性に問題が無いことが理解されたものの、「地域住民への周知が遅い!」との不満の声が上がりました。<br />
しかし、同席した環境省東北地方環境事務所の責任者から、「周知の遅れは我々環境省側の指導不足にあり、K製紙に責任は無い、どうかご理解いただけないか」と、<span style="color: blue;">最後は環境省側が泥をかぶってくれた</span>おかげで、なんとか住民の理解を得て、現在も継続的に放射線量をモニタリングしながら操業している状態です。<br />
<br />
もし、K製紙が操業停止や撤退、あるいはバークボイラーを使用しないことになれば、地域のチップ工場や製材工場はバークの行きどころが無くなり、ただでさえ採算性の厳しいこれら木材関連の事業体に悪影響が及ぶところでした。<br />
といっても、<span style="color: red;">現在でもバークの受け入れ制限は続いており、バーク燃料を納めているチップ工場にはいまだにその悪影響が及んでいる</span>状況です。<br />
<br />
次回は、このチップ工場に及んだ負の連鎖を整理してみることにします。forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-13522206103223094702014-06-14T19:48:00.003+09:002014-06-29T21:30:19.138+09:00放射能汚染の「負の連鎖」を断ち切る(その1) 何が起きたのか?突然ですが、テレビ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の人気コーナー『DASH村』で、“農業の達人”としてTOKIOの指導役を務められていた<a href="http://www.ntv.co.jp/dash/village/" target="_blank">三瓶明雄さんが、6月6日朝に急性骨髄性白血病のため亡くなった</a>そうです。享年84。<br />
ご存知のとおり、『DASH村』のあった福島県浪江町は、福島第一原発事故により計画的避難区域となってしまいました。晩年の明雄さんはTOKIOメンバーとともに各地の農業を見て回っておられましたが、テレビ画面からも明雄さんの「故郷に帰りたい」という気持ちは、痛いほど伝わってきたものでした。<br />
故郷を追われ、失意のうちにその生涯を閉じた明雄さん。その胸中をお察し申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。<br />
<br />
<br />
さて今回から、放射能汚染が木質バイオマス利用に及ぼした悪影響と、これを克服するための取り組みを、具体的な事例を見ながら整理してみたいと思います。<br />
<br />
具体的とは、いったいなにが起きたのか?図で示すと次のようになります。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjsmHtGFAWIUNJ9S2a_gX0rNJS34AEB8usrXVa2ZqSFIVw_qijoUcBvhQ10mhGwwUstXX0Jcg1bRjXXjN_MfO9jAtpJIuqdaHdx-PE62_xZkN-gJLQhMShEFn79D9PXw7evQoonjnp8Jakn/s1600/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E9%80%A3%E9%8E%96.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjsmHtGFAWIUNJ9S2a_gX0rNJS34AEB8usrXVa2ZqSFIVw_qijoUcBvhQ10mhGwwUstXX0Jcg1bRjXXjN_MfO9jAtpJIuqdaHdx-PE62_xZkN-gJLQhMShEFn79D9PXw7evQoonjnp8Jakn/s1600/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E9%80%A3%E9%8E%96.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
<span style="color: blue;">事故前は</span>、チップ工場のバークが木質バイオマス燃料として、<br />
バーク(チップ工場) → バークボイラー(再生紙工場) → 灰(セメント工場)<br />
と<span style="color: blue;">滞りなく流れていたも</span>のが、放射性物質の影響により、<br />
1)セメント工場が100Bq/kg以上の<span style="color: red;">灰の受け入れを中止</span><br />
2)再生紙工場のバークボイラーの<span style="color: red;">灰が8000Bq/kgを超え指定廃棄物</span>に<br />
3)<span style="color: red;">バークの汚染</span>が原因と判明、再生紙工場がバークの受け入れを制限<br />
4)受け入れ制限されチップ工場の<span style="color: red;">行き場のないバーク</span>が場内に滞留<br />
5)バークの滞留が3000トン(推定)に及び、<span style="color: red;">チップ工場の稼働が危機</span>に陥る<br />
といった<span style="color: red;">「負の連鎖</span>」が生じたものです。<br />
これは、困難に立ち向かう男たちの真実のドラマである。(ちょっとオーバーかな?)<br />
<br />
<br />
今回はまず、セメント工場と灰のことを整理してみます。<br />
<br />
<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/05/2.html" target="_blank">これまで</a>、<span style="color: blue;">事業所の灰は原則として産業廃棄物</span>となることをお話してきました。ですが、灰にはセメントの基材として活用するという良い方法があります。<br />
<br />
木材の焼却灰に限らず、ゴミの焼却灰であっても、焼却灰にはセメント共通の化学成分が含まれています。<a href="http://www.ichiharaeco.co.jp/Why.htm" target="_blank">灰に不足している石灰石(酸化カルシウム源)をたして高温で焼き上げたものが「エコセメント」</a>として一般に流通しています。<br />
<br />
ところが福島第一原発事故後に、エコセメントの一部に放射性物質の汚染が認められたため、国土交通省がシュミレーションを行った結果、放射能濃度が1000 Bq/kgのセメントを使用して製造されたコンクリートの床、壁、天井で囲まれた居住空間における被ばく線量は0.36 mSv/年と評価されたそうです。<br />
出典: <a href="http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000125.html" target="_blank">福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について</a><br />
<br />
この値は、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html" target="_blank">前回お話しした1 mSv/年の許容量</a>に比べ1/3程度の小さい値ですが、それでも、その他食品や人為的な他の影響のことを考えるとビミョーな数値といえます。そのため一般社団法人セメント協会は、「セメントの段階でクリアランスレベル以下とすることが必要である」とし、会員各社に周知を行いました。<br />
ここで言うクリアランスレベルとは、「セシウム134とセシウム137の放射能濃度の和が100Bq/kgである」としています。これにより、<span style="color: red;">国内のセメント工場は100Bq/kg以上の灰の受け入れを中止</span>しました。<br />
出典:<a href="http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/110728.html" target="_blank">放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について</a><br />
<br />
<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/05/2.html" target="_blank">以前に、</a>「<span style="color: red;">灰の発生量</span>は、木材の絶乾重量当り、木部では0.2~0.7%、樹皮では2~7%、<span style="color: red;">おおざっぱに、木部で0.5%、樹皮でその10倍</span>」とお話しましたが、バークボイラーの灰が100Bq/kg以下となると、バークの段階で5Bq/kg以下というごく低濃度でないとクリアできないことになり、これでは<span style="color: blue;">関東から南東北にかけての樹木でクリアすることはまず不可能</span>でしょう。<br />
<br />
100Bq/kg以上の引取り中止を示された再生紙工場は、さっそく自社のバークボイラーから出た灰の放射性物質濃度を測定してみました。すると、驚くべき結果が現れたのです。<br />
<br />
次回は、この再生紙工場の苦悩とその対応を追って見ることにします。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-2475815843287986902014-06-07T22:51:00.001+09:002014-06-08T00:12:18.388+09:00灰とその取り扱いを考える(その4) 放射性物質が含まれる灰の危険性は?今回は、放射性物質が含まれる灰、具体的には、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/05/blog-post_31.html" target="_blank">前回お話しした指定廃棄物の基準</a>に達する8,000Bq/kgを超えた灰を取り扱った場合のことを整理してみます。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguqfw0c7X3_pfbaQ1Ad7h6KDIGgMuxP5HXxYXU7F1Yrw0DQzjQmOasFfaxN5StHAV8f7ofiNJed7i5Cwl39g2NemW6i0blGpBnBvyuMk2keVwmD9u1C6pOGXAP5qcu4n0k3TYzjNHYImpA/s1600/20130707_360922.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguqfw0c7X3_pfbaQ1Ad7h6KDIGgMuxP5HXxYXU7F1Yrw0DQzjQmOasFfaxN5StHAV8f7ofiNJed7i5Cwl39g2NemW6i0blGpBnBvyuMk2keVwmD9u1C6pOGXAP5qcu4n0k3TYzjNHYImpA/s1600/20130707_360922.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
<b>1 そもそも放射能はどの程度なら大丈夫なの?</b><br />
よく、「<span style="color: blue;">1年間で1ミリシーベルト以下なら安全</span>」といったことが言われていますが、この数字の根拠は、<span style="color: blue;"> ICRP (国際放射線防護委員会)が2007年に出した勧告に基づくもの</span>です。<br />
<br />
そして、<span style="color: blue;">具体的にこの内容を規制する法律</span>として、経済産業省が所管する「<span style="color: red;">放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律</span>」 、同じく経済産業省が所管する「<span style="color: red;">核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律</span>」 によって規制がなされています。<br />
<br />
【放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律】<br />
この法律は、<span style="color: blue;">事業者が放射線を利用等する場合に適用される法律</span>ですが、具体的には、使用施設の技術的基準として、敷地境界線で年間1ミリシーベルト(3ケ月間250マイクロシーベルト)を超えないように、必要な遮蔽壁その他の遮蔽物を設けることとする規制です。<br />
<br />
【核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律】<br />
この法律は、<span style="color: blue;">原子炉等を設置する事業者が順守しなければならない法律</span>ですが、具体的には、当該事業者は施設に関して周辺監視区域を定め、柵で囲い表示をし、その中に人を住まわせてはならないとし、また周辺監視区域の外については、実効線量が、 1年間につき、 1ミリシーベルトを超えないものとする規制です。<br />
<br />
なお、この1ミリシーベルトには自然放射線量(バックグランド値)は、含まれないとされています。要するに、人為的な被曝量として1年間で1ミリシーベルト以下とするべきである、ということになります。<br />
<br />
<br />
<br />
<b>2 8,000Bq/kgを超えた灰は発生するのか?</b><br />
ところで実際に、8,000Bq/kgを超えた灰が発生することがあるのでしょうか?事業所の廃棄物と、薪ストーブの灰について見てみましょう。<br />
<br />
【事業所の灰】<br />
環境省「<a href="http://shiteihaiki.env.go.jp/" target="_blank">指定廃棄物処理情報サイト</a>」の中に<a href="http://shiteihaiki.env.go.jp/02/02.html#amount" target="_blank">指定廃棄物の数量</a>が逐次に掲載されています。合計14万トンあまり(平成26年3月31日時点)という、よくわからないような大量の放射能を帯びた廃棄物ですねww<br />
ただし、8,000Bq/kgを超えた廃棄物の全てが指定廃棄物に指定されているわけではないので、その点はご注意ください。<br />
この表の中の「焼却灰」とは、主としてゴミ焼却施設から発生した8,000Bq/kgを超えた灰の量を示しています。一方、ボイラー等のバイオマス利用施設から発生した灰は、「その他」に区分されています。<br />
<br />
【薪ストーブの灰】 <br />
若干古いデータになりますが、こちらも環境省「<a href="http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14885" target="_blank">東北地方及び関東地方における一般家庭等で使用される 薪及び薪の灰等の調査結果について</a>」(平成24年2月24日)、これによりますと、<br />
<br />
岩手県、宮城県、福島県及び茨城県の一部の薪の灰において8,000Bq/kgを超える放射能濃度が検出され、薪では最高値1,460Bq/kg、薪の灰では最高値240,000Bq/kgでした。また、排ガスの放射能濃度は1箇所を除き不検出でした。検出された1箇所についても、検出値は0.4Bq/m3でした。<br />
<br />
とあります。薪→灰となるに従って放射性セシウムが灰の中に残り、結果的に濃縮されていることが分かります。<a href="http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=19343&hou_id=14885" target="_blank">元データはこちら</a>。<br />
<br />
<br />
<b>3 灰による被ばく量の計算</b><br />
では、こうした灰を取り扱ったことによる被ばく、あるいは人体への影響はどの程度あるのでしょうか?これも環境省が調査を行っており、「<a href="http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120119001_eval.pdf" target="_blank">薪ストーブ等の使用に伴い発生する灰の被ばく評価について</a>」によると、<br />
<br />
薪ストーブの使用に伴う子どもの被ばく線量は、灰が8,000Bq/kg(8Bq/g)の場合には0.00584 mSv/yに、灰が240,000Bq/kg(240Bq/g)の場合には0.1752 mSv/yとなる。<br />
※240,000 Bq/kgは環境省において実施した薪及び灰の放射能濃度調査における灰の放射能濃度の最高値。<br />
<br />
とあります。なお、この被ばく評価はある一定条件でのシュミレーションによるものですが、その条件は<a href="http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120119001_eval-app.pdf" target="_blank">こちらの補足資料</a>にあります。<br />
<br />
240,000Bq/kgは測定データの最高値でめったに出る値ではありませんので、仮に<span style="color: blue;">灰が8,000Bq/kgの場合には年間0.00584ミリシーベルトの被ばくとなります。<span style="color: red;">この値は年間1ミリシーベルトの線量を基準とした場合に比べずっと小さい値</span></span>ですので気にするほどではない、ということになります。<br />
<br />
要するに、灰を食べたりしない限り、<span style="color: red;">一般的な取り扱いをしていれば、被ばくと呼べるほど人体への影響は無い</span>わけです。ちょっと安心しましたね。<br />
<br />
<b><br /></b>
<b>4 灰の利用又は処分にあたって注意</b><br />
とはいえ、こうした灰の処分については注意が必要です。灰は「木灰」ですので、肥料として活用されていた方もいらっしゃるかと思いますが、こうした堆肥などについては、放射性セシウムによる農地土壌の汚染拡大を防ぐとともに、食品衛生法上問題のない農畜産物の生産を確保するため、農林水産省が、<span style="color: red;">肥料や土壌改良資材、培土、そして飼料に含まれる放射性セシウムの暫定許容値を設定しており、その基準は400 Bq/kg(製品重量)</span>となっています。<br />
<a href="http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/supply.html" target="_blank">放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について</a><br />
<br />
なお、この数値の根拠はシュミレーションにより、肥料等の放射性セシウム濃度が400 ベクレル/kg以下であれば、たとえ同濃度の肥料等を40年程度施用し続けても、過去の農地土壌中の放射性セシウム濃度の範囲内である100ベクレル/kgを超えることがないことを基準としたものです。<br />
<a href="http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/hiryo_info/cs_qa.html" target="_blank">肥料・土壌改良資材・培土の暫定許容値設定に関するQ&A</a><br />
<br />
従いまして残念ながら、今回、一定の<span style="color: blue;">放射性物質降下があった地域では、灰を肥料として施用することは避けるべき</span>だ、ということです。薪ストーブを使用することの直接の妨げにはなりませんが、木質バイオマスの循環利用の一部が妨げられてしまったことになります。。。<br />
<br />
<br />
さて、次回からは、実際に岩手県内で生じた放射性物質による「負の連鎖」の事例を見ていくことにします。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-51697202179440584452014-05-31T23:30:00.000+09:002014-06-01T01:18:29.381+09:00灰とその取り扱いを考える(その3) 放射性物質に係る法規制は?東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、放射性物質が大気中に放出され、樹木に放射性セシウムが付着しました。不幸にも、これらの樹木を原料とする薪、チップ、木質ペレットに放射性セシウムが含まれている可能性があります。<br>
<br>
原発推進とは真逆の立場である木質バイオマス利用が原発による放射能汚染を受けている。皮肉な話ですね。<br>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgw90kalzzbqOBt8bm7fAJ5i7gHoSSEes2_Av6GHMN96_L-LCbMeL0dwy4P2J5AxbHEgByGILv02QUw58-yDg4ErB-iFbGqsUlkvgeIDAiXpdBpzUwGJAAPhZK7IHgNAzUqEuBGQzoslJH4/s1600/Cs.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgw90kalzzbqOBt8bm7fAJ5i7gHoSSEes2_Av6GHMN96_L-LCbMeL0dwy4P2J5AxbHEgByGILv02QUw58-yDg4ErB-iFbGqsUlkvgeIDAiXpdBpzUwGJAAPhZK7IHgNAzUqEuBGQzoslJH4/s1600/Cs.jpg" height="320" width="289"></a></div>
<br>
現在、放射能問題に関しては様々な情報が飛び交っていますが、ここでは<span style="color: blue;">木質バイオマス利用の灰に絞って整理</span>していきたいと思います。したがって、放射能の単位等の基礎知識は割愛しますのでご了承ください。今回はまず、灰に含まれる放射性物質に係る法規制を見ていきます。<br>
<br>
<b>1 灰の規制と指定廃棄物</b><br>
<span style="color: blue;"><span style="color: black;">実は、</span>規制はシンプル</span>で、<span style="color: red;">焼却灰については環境省が、放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8,000ベクレル(Bq)以下であれば、通常の埋め立て処分をしても差し支えない</span>とする基準を示しており、量目の多寡に関わらず、ひとえにこの基準値(セシウム濃度)以上であるかどうかが問題になります。<br>
<br>
8,000Bq/kgを超えた廃棄物は、「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年8月30日法律第110号)第16条~第18条により、環境大臣が<span style="color: red;">指定廃棄物</span>に指定し、<span style="color: blue;">国が責任をもって処理する</span>ことが定められています。<a href="http://shiteihaiki.env.go.jp/faq/#qa-1" target="_blank">(環境省 指定廃棄物処理情報サイト「よくある御質問」)</a><br>
よく、勘違いされている方がいらっしゃるのですが、8,000Bq/kgを超えた灰が発生したからといって、そのボイラーや薪ストーブの使用者が何か悪いことをしたわけでも何でもなく、ただ単に、「その灰の管理や処分は国が責任を持ちますよ」、というだけの話です。<br>
<br>
<br>
<b>2 当面の指標値(調理加熱用薪とペレット)</b><br>
平たく言えば、灰になったとき8,000Bq/kgを超えなければ、事業所であれば産業廃棄物として、ご家庭であれば一般廃棄物として捨てて差し支えないわけですが、この基準を担保するため、<span style="color: blue;"><span style="color: red;">調理加熱用</span>薪とペレットについては<span style="color: red;">当面の</span>指標値が林野庁から通知</span>されており、この指標値を超える調理加熱用薪やペレットを流通させてはならない、としています。<br>
なお、指標値の無い燃料チップやバークを燃料とする場合は、最後の灰の段階で8,000Bq/kgを超えなければ良いわけです。<br>
<br>
■調理加熱用薪<br>
<a href="http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/pdf/111102-02.pdf" target="_blank">調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値の設定について(平成23年11月2日付け23林政経第231号林野庁林政部経営課長・木材産業課長通知)</a><br>
・薪 40Bq/kg(乾重量)<br>
・木炭 280Bq/kg(乾重量)<br>
<br>
■ペレット<br>
<a href="http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/pdf/121102-03.pdf" target="_blank">木質ペレットの当面の指標値の設定及び「木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム測定のための検査方法」の制定について(平成24年11月2日付け24林政利第70号林野庁林政部木材利用課長通知) </a><br>
・ホワイトペレット・全木ペレット 40Bq/kg<br>
・バークペレット 300Bq/kg<br>
<br>
<span style="color: blue;">薪の指標値についは注意が必要</span>で、それは通知文の題名のとおり、<span style="color: red;">“調理加熱用”に限定</span>されているからです。つまりこの指標値は、ピザ釜など灰が食品に触れる可能性のある薪について定めたもので、<span style="color: red;">40Bq/kgを超えた薪の使用を直ちに禁止するものではありません</span>。暖を取るための薪や、温水を作る薪ボイラーであれば、<span style="color: blue;">灰が8,000Bq/kg以下であれば捨てても問題無い</span>のです。<br>
とはいえ、薪を販売する場合は、その薪が何に使われるか定かではないので、40Bq/kgを超える薪は販売しないことが、販売側の責任として一般的な対応となっています。<br>
<br>
なお、話が前後しますが、40Bq/kgという指標値は、木材が燃焼して灰分が残ったときの濃縮率をもとに8,000 Bq/kgから逆算した数値です。前回、「<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/05/2.html" target="_blank">灰とその取り扱いを考える(その2) 廃棄物か?資源か?</a>」で、<span style="color: blue;">灰の発生量は木材の絶乾重量当り木部で0.5%程度</span>(100%÷0.5%=200倍)である、と記載しましたが、ホワイトペレットの燃焼試験の結果もやはり210倍程度とされ、<br>
8,000 Bq/kg÷210 倍=38.1 Bq/kg≒40 Bq/kg<br>
との根拠によるものです。以下もご参照ください。<br>
・<a href="http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/peretto_2.html" target="_blank">木質ペレットの当面の指標値の設定、検査方法等についてのQ&A</a><br>
・<a href="http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/shintan1.html" target="_blank">調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値の設定について</a><br>
<br>
とはいえ、0.5%という割合は、木材のバークを含まない木部のみが完全燃焼した場合の話で、薪の場合はバークもあり、また、ストーブやボイラーの性能・燃焼条件によって燃え殻(未燃部分)も一定量発生するため、<span style="color: blue;">実際には40Bq/kgを超えたからといって必ずしも8,000 Bq/kg以上になるわけではありません</span>。<br>
<br>
<br>
余談になりますが、食品に適用されている100Bq/㎏の基準と、廃棄物に適用される8,000Bq/㎏は混同しないようにしなければなりません。<a href="http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_100-8000.pdf" target="_blank">こちらの環境省の通知</a>にあるとおり、ひとことで言えば、100Bq/kgは「安全に利用できる基準」であり、8,000Bq/kgは「廃棄物を安全に処理するための基準」です。<br>
<br>
この<span style="color: red;">「安全に利用できる基準」には国や地域によって違いがあり、日本は世界で最も厳しい基準</span>を設けている国のひとつです。食品に厳しい基準を設けることは消費者保護の観点から大切なことですが、一方で、もともと年間摂取量が少ない食品(例えば、山菜やキノコのような季節的な嗜好品)にまで一律に低い基準を適用することは、これらの生産・販売を生業とする産業にダメージを与えることになります。事実、山菜や野生キノコの出荷制限により産直施設の経営に影響が出るほか、<span style="color: red;">しいたけ栽培の場合、地域によっては産業そのものが消滅</span>しています。<br>
<br>
その点、<span style="color: red;">農業国であるスウェーデンは、消費者保護はもちろん最優先される一方で、自国の農業も守る</span>観点から、食料品に許容できる汚染の上限をどの水準に設定するかで激しい議論が続けられました。その結果、最終的には「セシウム137に限った許容限度のみ」を規制するとして、<br>
・トナカイ・ヘラジカなどの野生動物の肉や湖沼に生息する淡水魚、野生のベリー、キノコ、木の実は1500Bq/kg<br>
・それ以外の食料品は300Bq/kg<br>
といった基準を設けるに至ったとのことです。<br>
出典:<a href="http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/40ff41f6ef9ce6da50cffd378d430701" target="_blank">チェルノブイリ原発事故のあとのスウェーデン</a><br>
又は書籍、<a href="http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=5902" target="_blank">スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか</a><br>
<br>
そもそも<span style="color: blue;">日本では、福島第一原子力発電所の事故が起きる以前は「安全に利用できる基準」は決まっていなかった</span>のです。要するに、<span style="color: red;">事故が起きると考えること自体がタブー視</span>され、いざ事故が起きてからあわてて学識経験者や消費者代表を参集し、論議する時間も無い中で設定された基準です。非常に冷静さを欠いた状況の中で、自国の農林水産業を維持する観点は置き去りにされた、このことは、食品の多くを輸入でまかなう我が国の「おごり」のように思えてならないのですが、皆さんはどうお考えになりますか?<br>
<br>
ところで、8,000Bq/kgの灰はそんなに危険なものなのでしょうか?また、40Bq/kgという指標値に対して実際の汚染はどの程度なのでしょうか?次回以降は、そのあたりを整理してみたいと思います。<br>
<br>forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-26907904530366236772014-05-25T18:02:00.002+09:002014-05-25T22:30:59.666+09:00灰とその取り扱いを考える(その2) 廃棄物か?資源か?木質燃料を燃焼させると灰が残ります。灰はアルカリ性が強く、成分は主にカリウムと石灰であるとされ、古くから肥料として活用されてきました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjqW8-AcOoShucuLsOJdsTYgLBinKqYN874lGi0RfPwY35oZAXOonXlSxd7yvXDG4TzuPN83cUgpOpZiE0WKHIgaojtH2LA1RrJIbGLRBRqU9CDNdkvi57RbGqqIYhBEL9SVCv6xyYsaqcn/s1600/R0010695ss.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjqW8-AcOoShucuLsOJdsTYgLBinKqYN874lGi0RfPwY35oZAXOonXlSxd7yvXDG4TzuPN83cUgpOpZiE0WKHIgaojtH2LA1RrJIbGLRBRqU9CDNdkvi57RbGqqIYhBEL9SVCv6xyYsaqcn/s1600/R0010695ss.jpg" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
<span style="color: blue;">灰の発生量は、木材の絶乾重量当り、木部では0.2~0.7%、樹皮では2~7%</span>とされています。<span style="color: red;"><span style="color: black;">おおざっぱに、</span>木部で0.5%、樹皮でその10倍</span>と覚えておけば良いでしょう。木材全体では1%弱といったところでしょうか。<br />
<br />
なお、以上は純粋に木材だけの話ですので、<span style="color: blue;">建築廃材など防腐剤や塗料等が含まれる場合は、肥料としての活用は避けなければなりません。</span> <br />
また、純粋に木材だけを燃焼させた場合も、1)不幸にも放射性物質が含まれる場合や、2)燃焼時の反応で六価クロムが生成される場合もあります。1)2)については次回以降に整理して参ります。<br />
<br />
<b>1 廃棄物と資源との境目は?</b><br />
過去に出された廃棄物関連の法令・通達は量も膨大で内容も複雑です。ここでは、専門のサイトである<a href="http://www.sanpai-web.com/" target="_blank">産業廃棄物適正処理応援サイト「産廃web」</a>のお世話になることにします。このサイトの<a href="http://www.sanpai-web.com/about-sanpai/002.html" target="_blank">こちらに「廃棄物の定義と種類」</a>が解説してありますが、これによると廃棄物と資源の違いはひとえに、<span style="color: red;">売買の対象になる有価物であれば資源、売買できない不要物は廃棄物</span>、ということになります。<br />
<br />
よく聞かれることですが、ここでの「有価」とは、利用者が運搬料まで含めて有価で買い取ることを意味します。例えば、灰を1トン=1円で有価だと言い張っても、1トンの灰を運搬することを考えると、これは有価物とはみなされません。<br />
このあたりの根拠となる通達は、<a href="http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=11000510" target="_blank">「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」厚生雀環境衛生局環境整備課長通達(昭和46年10月25日)</a>によるものです。<br />
<br />
なお、発生した灰を自ら肥料などに活用できる場合は、当然のことながら、廃棄物とはみなされません。<br />
<br />
<br />
<b>2 産業廃棄物と一般廃棄物の違いは?</b><br />
「廃棄物」は更に「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分類されます。法的には、<span style="color: blue;">事業活動によって生じた20種類の廃棄物を産業廃棄物として、それに該当しないものを一般廃棄物</span>としています。灰は、産業廃棄物の種類の中で「燃え殻」に区分されます。<br />
<br />
事業活動とは、製造業や建設業に限定されるものではなく、オフィス、商店等の商業活動や、水道事業、学校等の公共事業も含めた広義の概念となります。また、<span style="color: blue;">産業廃棄物には量的な規定がない</span>ので、個人事業主の事業規模が小さい者から排出される場合や、極めて微量な場合であっても、該当するものは全て産業廃棄物になります。<br />
<br />
ですので厳密に言えば、同じ薪ストーブでも、個人宅で使っている薪ストーブから出た灰は一般廃棄物、お店に設置してある薪ストーブから出た灰は産業廃棄物、ということになります。厳密に言えば、です。<br />
<br />
なお、法的な区分として、<span style="color: red;">一般廃棄物は市町村に処理責任があるのに対し、産業廃棄物は排出事業者に処理責任</span>があります。法的に取り扱いが異なるため、廃棄にあたっては、市町村等の一般廃棄物用の処理施設での処理・処分することはできないこととされ、産業廃棄物を処理・処分できる許可を受けた産業廃棄物処理事業者へ処理・処分委託することとなっています。<br />
<br />
ちなみに、産業廃棄物として灰を処分する場合、最終処分場に埋め立てされるケースがほとんどです。その処分費用として、岩手県のある最終処分場では1トン当り2万円かかります。発電や数千キロワットを超える蒸気ボイラーの運用では、処分する灰の量も年間数百トンになりますから、これらの経費もあらかじめ見積もっておく必要がありますね。<br />
<br />
<br />
さて以上、一般的な灰の処理や対応を整理しましたが、次回はより深刻な問題、灰に含まれる放射性物質の問題を数回に分けて整理してみたいと思います。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-20325402202193358992014-05-24T23:31:00.000+09:002014-05-25T00:13:11.139+09:00灰とその取り扱いを考える(その1) 避けて通れないものあっぱれでしたねぇ、2014年5月21日の福井地方裁判所の判決。<br />
<br />
<a href="http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2105G_R20C14A5CC1000/" target="_blank">■関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた21日の福井地裁の判決要旨</a><br />
・原発の稼働は法的には電気を生み出す一手段である経済活動の自由に属し、<span style="color: blue;">憲法上は人格権の中核部分よりも劣位</span><br />
・多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いという問題を並べて論じるような<span style="color: red;"><span style="color: black;">議論に加わり、</span><span style="color: blue;">議論の当否を判断すること自体、法的には許されない</span></span><br />
・豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが<span style="color: blue;">国富の喪失</span><br />
<br />
<a href="http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG21032_R20C14A5CR8000/" target="_blank">樋口裁判長マジカッコイイ!</a>原告の横断幕にもあったように、「<a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140521/k10014612701000.html" target="_blank">司法は生きていた</a>」のです。胸が熱くなりました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOv4y2huOQ-sxpZ_08LrSHr8PnLXw-xvFZXMavIeS2k8TwU9noZa7NW5gXVj1bBaLYwLZyJ7l-bsgj8yELqsJaZDGSxupvGgzUUJJ-BsBz3TiVi5qp6VkW_8BVfJfQqrf3rm896JDRSocq/s1600/20140521151932_959869711.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOv4y2huOQ-sxpZ_08LrSHr8PnLXw-xvFZXMavIeS2k8TwU9noZa7NW5gXVj1bBaLYwLZyJ7l-bsgj8yELqsJaZDGSxupvGgzUUJJ-BsBz3TiVi5qp6VkW_8BVfJfQqrf3rm896JDRSocq/s1600/20140521151932_959869711.jpg" height="212" width="320" /></a></div>
<br />
ところが驚いたことに、判決を受けた<span style="color: blue;">菅義偉官房長官</span>は再稼働を進めるという<span style="color: red;">従来の政府方針について、「全く変わりません」</span>と述べた。原子力規制委員会の<span style="color: blue;">田中俊一委員長</span>も、「司法の判断について申し上げることはない。<span style="color: red;">我々は我々の考え方</span>で、科学技術的な知見に基づき審査していく」と語った。<br />
<br />
政治家であろうがなかろうが、この判決を真摯に受け止める、というのが法治国家に暮らす人間の常識であろう。官房長官をしてこのように語らしめているもの、その背後にあるものは何か?それが官房長官の非人間性を醸成している。<br />
官房長官もお子さんやお孫さんがいらっしゃるだろうに、彼らに対して、いったいどんな説明ができるのだろう。いっそ、お孫さんを原発のある町に引っ越しさせてみるがいい。<br />
<br />
そもそも、昨年・一昨年と<span style="color: blue;">原発ゼロで夏を乗り切った実績</span>、そして<span style="color: blue;">今年も乗りきれる公算</span>なのである。また長期的に見ても今後、人口減少と産業の構造変化、あるいは省エネ推進が確実視される状況であって、さらに夏場のピークはFITで普及したソーラーが賄ってくれるのだから、これ以上、<span style="color: blue;">原発を稼働させる必然性など存在しないはず</span>なのだ。<br />
なのに、なぜここまでして原発を推進しなければならないのか?太陽電池を設置しても、その後の電力会社の接続に異常なまでの時間がかかるのはなぜか?電力会社が原発の資産価値をゼロにしたくないという、単にそれだけの理由ではないか?<br />
<br />
<span style="color: red;">原発再稼働に躍起になる前に、もっとやらなければならないことが山積している。</span><br />
<br />
しかし、カネと政治の前に、私達はあまりに無力だ。おそらく、大口の電力需要者が「原発の電力は買わない」などとならない限り、この状況は変わらない。ということは、今は何も期待できない、ということになる。<br />
<br />
啓発活動を粘り強く継続しつつも、私達は当面、自分にできることに粛々と取組んでいくしかないと考えます。<br />
<br />
さて、前置きでほとんど終わってしまいましたが、今回から数回にわたって、木質バイオマス利用の課題のひとつである、残されたもの「灰」の取り扱いについて整理してみたいと思います。具体的には、<br />
<br />
1 灰は廃棄物か?資源か?<br />
2 灰に含まれる放射性物質<br />
3 灰に含まれるその他物質(六価クロム等)<br />
<br />
この問題、法律要件に関わる部分が多く解釈が難しいところもありますが、以前から整理の必要があると感じていました。また、灰の処理には、放射性物質の問題も深く関わって参りますが、理解しやすくするため、岩手県内の具体的な事例も引き合いに出しながら整理していく予定です。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-55739742519620503852014-05-18T19:20:00.004+09:002014-05-19T17:58:29.450+09:00燃料チップ供給は儲かるか?(その2) 供給事業の実際<div dir="ltr">
<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/05/blog-post_17.html" target="_blank">前回</a>のチップ化コストに引き続き、原木調達から燃料チップ配送までのコストを考えてみることにします。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
チップ工場が燃料チップを供給する場合の流れは、<br />
<span style="color: blue;">1 原木購入 ⇒ 2 チップ製造 ⇒ 3 配送</span><br />
となりますが、それぞれの単価を見て参ります。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<b>1 原木購入</b><br />
木材は品質に応じて大まかに、A材=製材用、B材=合板用、C材=製紙チップ用などどランク付けされていますが、実際には、その境界線はあいまいなところがあります。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
1本の木を、元の太い側からA材、その次にB材というふうに採っていって、曲がり材や細材をC材として活用する、このようにして段階的に余すこと無く活用することが木材利用では大切なことです。これを、<span style="color: red;">木材のカスケード利用</span>などと称しています。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
ちなみにカスケード(cascade)は「滝」と訳されますが、英語で滝にはフォール(waterfall)という単語もあります。フォールが一気に落ちる滝であるのに対し、カスケードは階段状に落ちる滑滝(なめたき)を意味するそうです。なるほど、多段階利用というニュアンスで、言い得て妙ですね。</div>
<br />
<div dir="ltr">
さて、木材の価格を公表しているサイトはいくつかありますが、今回はポータルサイトである「<a href="https://genbokujyukyu.com/" target="_blank">原木需給.com</a>」から<a href="https://genbokujyukyu.com/info_topics/index/6" target="_blank">木材価格需給動向</a>の<a href="https://genbokujyukyu.com/info_topics/view/77" target="_blank">素材価格(年計)</a>「素材価格(年計)外材、合板適材、チップ用素材」を見てみます。</div>
<div dir="ltr">
ここで、木材チップ用素材価格(単位:1㎥当たり円)針葉樹丸太は、およそ5,000円弱/㎥で推移していることが分かります。</div>
<div dir="ltr">
また、最近の聞取りですが、岩手県内の某バイオマス発電事業者の原木丸太買取価格が7,000円/トン(生トン・工場着価格)との情報があり、生丸太1㎥の重さを0.8トンとすると、容積単価は5,600円/㎥相当と推測されます。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
近年のバイオマス需要が高まりつつある状況を考慮し、ここでは<span style="color: red;">原木代5,600円/㎥(丸太・チップ工場着価格)</span>としてみることにします。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<b>2 チップ製造</b><br />
前回、チップ製造のコスト(一般管理費を含まない)は、</div>
<div dir="ltr">
<br />
・減価償却を終えている場合、丸太1㎥当りのチップ化コストは約900円/㎥<br />
・減価償却が新たに発生する場合、丸太1㎥当りのチップ化コストは約1,500円/㎥</div>
<div dir="ltr">
<br />
としていましたが、事業の永続性を考え、ここでは、<span style="color: red;">チップ化コスト1,500円/㎥(丸太換算)</span>を採用することにします。</div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<br /></div>
<div dir="ltr">
<b>3 配送</b><br />
最後は、燃料チップをボイラー利用者に配送します。<br />
様々な運搬手段が考えられますが、ここでは中小規模のボイラー熱需要者を想定して、4tファームダンプ(いわゆる、深あおりダンプ)で配送することにします。・・・深ダンプとは写真のようなものです。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgX-vgb_7CIJdmYbYYRnz1j69A7jx8cjRwQKXPTg4-NhJ7pWhaiGmJ5Hb8IiKf35YlCfINwcy94aJbce1mASkozOFWiVsBmOZxu7H2yhU1JPd0W_LHsuOVwPVYDDaxRtO5OkgrJaIwFLiZt/s1600/DSC_0064s.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgX-vgb_7CIJdmYbYYRnz1j69A7jx8cjRwQKXPTg4-NhJ7pWhaiGmJ5Hb8IiKf35YlCfINwcy94aJbce1mASkozOFWiVsBmOZxu7H2yhU1JPd0W_LHsuOVwPVYDDaxRtO5OkgrJaIwFLiZt/s1600/DSC_0064s.jpg" height="212" width="320" /></a></div>
コストについては、またまた<a href="http://www2.pref.iwate.jp/~hp1017/" target="_blank">岩手県林業技術センター</a>のお世話になりましょう。こちらの研究成果「<a href="http://www2.pref.iwate.jp/~hp1017/kenkyu/naibu/kenpo/14-2.pdf" target="_blank">燃料用チップ供給コストの試算</a>」(平成18年3月発行)のP5から、4tファームダンプのチップ運搬コストは2,912円/㎥(丸太換算・運搬距離30㎞)<br />
<br />
ここでは、<span style="color: red;">配送コスト2,900円/㎥(丸太換算)</span>を配送費用としてみることとします。<br />
<br />
<br />
<b>4 コスト合計・考察</b><br />
以上、コストを合計しますと、<br />
<br />
原木代 5,600円/㎥(丸太・チップ工場着価格)<br />
チップ化 1,500円/㎥(丸太換算)<br />
配送 2,900円/㎥(丸太換算)<br />
(合計) 10,000円/㎥(丸太換算)<br />
・・・配送のほうが、チップ化よりもコストがかかるんですね。<br />
<br />
となります。このとき、<span style="color: blue;">丸太⇒チップの容積は2.6倍</span>なので、チップ1㎥のコストは、<br />
10,000円/㎥(丸太換算) ÷ 2.6 ≒ 3,846円/㎥(チップ換算)<br />
<br />
<br />
さて、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_26.html" target="_blank">先に燃料チップの相場をお示し</a>しましたが、ここで、岩手県内の温水プールでの事例ですと、3,951.15円/㎥(チップ換算)となっておりました。この単価は税込み(5%時代)なので、税抜き単価は、3,763円/㎥(チップ換算)となります。<br />
・・・3,846円と比較し、なんと、<span style="color: red;">赤字</span>です(^^;<br />
<br />
ただし、温水プールの場合は、<br />
1)一部購入原木もあるが、製材工場の<span style="color: blue;">端材を十分に活用</span><br />
2)チップ化施設は20年以上経っており、<span style="color: blue;">減価償却済み</span><br />
3)チップ工場⇒温水プールまでが<span style="color: blue;">至近距離</span>にある<br />
4)大規模な温水プールなので<span style="color: blue;">年間通じた一定需要</span>がある <br />
といった条件のもとで、まあなんとか黒字を出している、といった実情かと推測されます。その辺りの実情は、機会をみて現地レポートをしてみたいと思います。<br />
<br />
以上のようなことから、燃料チップ供給に取組むにあたっては、1)供給先までの距離が近いこと 2)事業として取組むだけの十分な需要量があること、といった点が大切かと思われます。それでも、じゃんじゃん儲かる、とうわけにはいきませんね(苦笑)<br />
<br />
なお、「原木の価格を安くしろ!」というのは、丸太供給に取組む側とすればキビしい話であることはご理解ください。。。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-1693811839219074542014-05-17T22:04:00.000+09:002014-05-17T22:06:43.855+09:00燃料チップ供給は儲かるか?(その1) チップの生産コストを知る連休の余波で更新をお休みしてしまいましたが、引き続き今回は、燃料チップ供給側の事情を考えてみたいと思います。<br />
なお、ここでは、<span style="color: blue;">製紙用チップ工場でのチップ生産</span>を対象として考えます。移動式チッパーは規模もチップの品質もまちまちなので、あらためて考えることにします。<br />
<br />
さて、ずばり、チップの製造にはどのくらいコストがかかるのでしょうか?今回は、<a href="http://www2.pref.iwate.jp/~hp1017/" target="_blank">岩手県林業技術センター</a>の研究成果速報「木質バイオマス利用」にお世話になることにします。<br />
<br />
速報の<a href="http://www2.pref.iwate.jp/~hp1017/kenkyu/naibu/sokuho/sokuho151-200/166.pdf" target="_blank">No.166「製紙用チップ工場における土場残材のチップ化処理コスト」</a>(平成17年7月27発行)を要約しますと、<br />
<br />
1 調査及び試算の方法 <br />
・ 製造コストは聞き取りにより、修理・整備費、賃金、電気・燃料費、租税公課費、消耗品費等を調べた<br />
・工場が減価償却を終えていると想定した場合と、減価償却が新たに発生する(チップ工場を新規に設置する)と想定した場合の双方を試算<br />
・工場の規模(処理能力)は、1日6時間稼働で約100㎥/日の原木をチップ化、月産約800絶乾トンのチップ製造<br />
・ チップの容積は、丸太材積の約2.6倍になった<br />
<br />
2 結果及び考察 <br />
・<span style="color: blue;">減価償却を終えている場合</span>、一般管理費を含めない工場稼働コストは約9万円/日<br />
⇒ <span style="color: red;">丸太1㎥当り</span>のチップ化コストは<span style="color: red;"><span style="color: black;">約</span>900円/㎥</span><br />
⇒ <span style="color: red;">チップ1㎥当り</span>のチップ化コストは<span style="color: red;"><span style="color: black;">約</span>350円/㎥</span><br />
・ <span style="color: blue;">減価償却が新たに発生する場合 </span>、一般管理費を含めない工場稼働コストは約15万円/日<br />
⇒ <span style="color: red;">丸太1㎥当り</span>のチップ化コストは約<span style="color: red;">1,500円/㎥</span><br />
⇒ <span style="color: red;">チップ1㎥当り</span>のチップ化コストは約<span style="color: red;">580円/㎥</span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEirzy76mY838vEqIRXpbBF8BPYUA6VUI3YwhcFMJ-XOYrpg46m4G2FWa5hP_iveN3aR0Cy8NsdHsf6FjTcOJrQGrJQOljom4AZPVfrfR6AoP0ir-jNLOaeNliTzlM7sTGaJK-PU0D4R1ybJ/s1600/DSC00973s.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEirzy76mY838vEqIRXpbBF8BPYUA6VUI3YwhcFMJ-XOYrpg46m4G2FWa5hP_iveN3aR0Cy8NsdHsf6FjTcOJrQGrJQOljom4AZPVfrfR6AoP0ir-jNLOaeNliTzlM7sTGaJK-PU0D4R1ybJ/s1600/DSC00973s.jpg" height="213" width="320" /></a></div>
<br />
なお、このチップ工場の規模を説明しますと、100㎥/日の原木を消費し、800BDt(絶乾トン)/月のチップを生産する、となっていますが、これは、<br />
<br />
月間の原木消費量(材積) 100㎥/日 ☓ 20日 = 2,000㎥/月<br />
年間の原木消費量(材積) 2,000㎥/月 ☓ 12月 = 24,000㎥/年<br />
<br />
月間のチップ生産量(絶乾トン) 2,000㎥/月 ☓ 0.4(<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_23.html" target="_blank">絶乾比重</a>) = 800BDt(絶乾トン)/月<br />
年間のチップ生産量(絶乾トン) 24,000㎥/年 ☓ 0.4(<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_23.html" target="_blank">絶乾比重</a>) = 9,600BDt(絶乾トン)/年<br />
<br />
といった規模であると考えてください。この規模は、岩手県内のチップ専門工場としては、平均よりやや大きいクラスであると思います。<br />
<br />
<br />
原木1㎥当り、あるいはチップ1㎥当りの生産コストが分かったところで、次回は原木購入から納入までのコストを追ってみることにします。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-33195698702510484372014-05-04T21:57:00.002+09:002014-05-04T22:01:27.198+09:00「ホワイトベース大槌」の薪ボイラーを見学しました今回は趣向を変えて、岩手県大槌町にオープンしたばかりの<a href="http://wb-otsuchi.com/" target="_blank">宿泊施設「ホワイトベース大槌」</a>に設置された薪ボイラーの様子をお伝えします。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgM_REvHAJW9JzqyFdnB9JBF3b6SlSu2MrUcv0CKamnAt6FcD3_Pw8ZYUSUnluEslg4U9sxTCJrI-xGuX6PGhdMwK1QK2UlNXxQWMDmWBmWldmstOhvNIybMETLfb_K4g1YMcyj5JOsLqGB/s1600/DSC02013ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgM_REvHAJW9JzqyFdnB9JBF3b6SlSu2MrUcv0CKamnAt6FcD3_Pw8ZYUSUnluEslg4U9sxTCJrI-xGuX6PGhdMwK1QK2UlNXxQWMDmWBmWldmstOhvNIybMETLfb_K4g1YMcyj5JOsLqGB/s1600/DSC02013ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhj_JgwfjnTik71CDNiDYSQgL8KZgIphHhlqaXYyXZBdiLdz4nmfFzjXlZegoDbglCAIH2nGlnUPnOafCTceIq7TJCOv4TykIdwyaVsHdEDqNaulXnjCjRiRiQmbPpVycR4OEDNFApoix3/s1600/DSC02025ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhj_JgwfjnTik71CDNiDYSQgL8KZgIphHhlqaXYyXZBdiLdz4nmfFzjXlZegoDbglCAIH2nGlnUPnOafCTceIq7TJCOv4TykIdwyaVsHdEDqNaulXnjCjRiRiQmbPpVycR4OEDNFApoix3/s1600/DSC02025ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">このカラーリングが「ホワイトベース」の由来らしい、、、</td></tr>
</tbody></table>
<div>
<div>
東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた大槌町では宿泊施設が不足、復興工事の関係者は隣の釜石市や山田町から現場に通う状況であったため、大槌町の第3セクター「復興まちづくり大槌株式会社」が宿泊施設の建設を進めていたものです。</div>
</div>
<div>
<br /></div>
<div>
この施設の目玉は、なんといってもお風呂の給湯を、地元の「<a href="http://kirikirikoku.main.jp/index.html" target="_blank">NPO法人 吉里吉里国</a>」(芳賀正彦理事長)の運営による薪ボイラーでまかなっていることでしょう。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
しかも<a href="http://www.tomoe-techno.co.jp/under2/catalogue/img_d/maki_tomoe.pdf" target="_blank">このボイラー(巴商会)</a>は、震災直後に吉里吉里地区の<a href="http://tsunagari-nukumori.mizunet.org/about/" target="_blank">避難所で使われた「薪ボイラー」</a>の再利用なのです。薪ボイラーは震災の年2011年4月〜8月に避難所のお風呂供給に使われた後、NPO「吉里吉里国」が保管していました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgq2fipoGuvvYF2JayNMgoIjIpKpXYujZQ73IGqC-adEhpmrhStlKhheUKXQwp4LjZ0DJWCa6lMLFU0CgK9EvMgB6g8ovhcq7DUkgE4Qq8AZ-KE6ZP5K3b6UUzS6HxlYV1I73GbVTtLaNvj/s1600/DSC02006ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgq2fipoGuvvYF2JayNMgoIjIpKpXYujZQ73IGqC-adEhpmrhStlKhheUKXQwp4LjZ0DJWCa6lMLFU0CgK9EvMgB6g8ovhcq7DUkgE4Qq8AZ-KE6ZP5K3b6UUzS6HxlYV1I73GbVTtLaNvj/s1600/DSC02006ss.JPG" height="213" width="320" /></a></div>
<div>
<br /></div>
実は、ホワイトベース大槌の建設当初、薪ボイラーの計画はありませんでしたが、宿泊施設ができることを知った芳賀さんが、薪ボイラーの活用を申し出たことにより利用が実現したものです。<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBXRdrZ2CmsI3CwqaWOFNq-Sj_ptWCCDoCkDqqbU5ilm7sT6OmD_hO1H7tCNJ_wJsaygDRHkWnF-kS0hgBcnVlb_r4U-O7HaduFdl5ZpY6gzsxW-oJvN6zLlBHhtPenQgRUIQXM32Qyieb/s1600/DSC02008ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBXRdrZ2CmsI3CwqaWOFNq-Sj_ptWCCDoCkDqqbU5ilm7sT6OmD_hO1H7tCNJ_wJsaygDRHkWnF-kS0hgBcnVlb_r4U-O7HaduFdl5ZpY6gzsxW-oJvN6zLlBHhtPenQgRUIQXM32Qyieb/s1600/DSC02008ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">貯湯タンクは2トンの容量、1日にこのタンク2回分のお湯を供給する</td></tr>
</tbody></table>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIO3D21J2YrwEHJcP9pkeeA4untUDLsV4lx3Iz67UXQ_R_LQOrCc_j8p9bjpqcrWrug4B4vIzypIMZIPAjj7RfN4WodDaXfEOnhPGUoj5MLdlFqmJa0I0vj4FgtzaOaQEh3cW-jIAUKvt2/s1600/DSC02012ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIO3D21J2YrwEHJcP9pkeeA4untUDLsV4lx3Iz67UXQ_R_LQOrCc_j8p9bjpqcrWrug4B4vIzypIMZIPAjj7RfN4WodDaXfEOnhPGUoj5MLdlFqmJa0I0vj4FgtzaOaQEh3cW-jIAUKvt2/s1600/DSC02012ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">入浴棟に隣接した薪ボイラー棟</td></tr>
</tbody></table>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgFwYJz7hnKjymhg4C4EP3yXz71QMgeLFg8ME9hORPG5iRor6lc4NufjHZP0i81Ak0ra3SxDPnCHYJlRA1nL4-I08xEClUXVxNpRKPK5k-XTzTKVFlQFzQrHYMyv9XZCd6Ftx-qcE-xPie_/s1600/DSC02033ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgFwYJz7hnKjymhg4C4EP3yXz71QMgeLFg8ME9hORPG5iRor6lc4NufjHZP0i81Ak0ra3SxDPnCHYJlRA1nL4-I08xEClUXVxNpRKPK5k-XTzTKVFlQFzQrHYMyv9XZCd6Ftx-qcE-xPie_/s1600/DSC02033ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">温水の供給量を測定する流量計</td></tr>
</tbody></table>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
この宿泊施設で吉里吉里国は、薪を供給するのではなく、お風呂のためのお湯を売る、言い換えれば<span style="color: blue;">熱を供給するスタイルの契約</span>を取り交わしています。したがってボイラーは吉里吉里国が管理し、もちろん燃料には自分たちが準備した薪を使います。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgH1nLtmSDxdDn-Ndz6fkY3A6Asu2l82TwYKT87TCLMSKAcATMfZxE6xXXljgFr8W5Cv4xS4culoHG1akYF2M2FNMd8XBTCpe0Zmp75KjmjjJ2fx3ar_fs7upiB_jSlYImvJzbvPjI2ds_A/s1600/DSC02014ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgH1nLtmSDxdDn-Ndz6fkY3A6Asu2l82TwYKT87TCLMSKAcATMfZxE6xXXljgFr8W5Cv4xS4culoHG1akYF2M2FNMd8XBTCpe0Zmp75KjmjjJ2fx3ar_fs7upiB_jSlYImvJzbvPjI2ds_A/s1600/DSC02014ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">薪風呂は残念ながら男風呂のみです(女性は個室のユニットバス利用)</td></tr>
</tbody></table>
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjRaD3JkYE0XKkt2lU7Hpa94p0l-GoRwdqTMCG3ZAR9Pgqdw-bAbmzqHuto4wfjkZEwsnTbLMPxd8TcmupJhJbFArKTdQYTlmcQOgNZKS4YD68CWIdNjnzldrIrSthXLiTiyya-pQKToNKI/s1600/DSC02022ss.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjRaD3JkYE0XKkt2lU7Hpa94p0l-GoRwdqTMCG3ZAR9Pgqdw-bAbmzqHuto4wfjkZEwsnTbLMPxd8TcmupJhJbFArKTdQYTlmcQOgNZKS4YD68CWIdNjnzldrIrSthXLiTiyya-pQKToNKI/s1600/DSC02022ss.JPG" height="213" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">お部屋は海の見えるビジネスホテル風です</td></tr>
</tbody></table>
<div>
<br />
芳賀さんは、「震災直後はガレキの木材から薪を作った。被災者を温めてくれたこのボイラーで、今度は復興のために大槌に来てくれる人たちの疲れを癖やしたい」と話しておられます。<br />
<div>
<br /></div>
<div>
震災に屈することなく、地域の森林資源を「薪」という形で活用し、<span style="color: blue;">地域で生きていく術を自ら切り開いていく</span><span style="color: blue;">芳賀さんたちの取り組みに敬意を表する</span>ものです。</div>
</div>
<div>
また、伐採・搬出の技術や薪づくりの指導など、<span style="color: blue;">芳賀さんたちの取り組みを支援してくださった皆様に対し感謝申し上げる</span>次第です。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
芳賀さんたち吉里吉里国の取り組みは薪供給だけにとどまらず、<a href="http://www.pref.iwate.jp/ringyou/seibi/ninshou/004025.html" target="_blank">岩手県林業事業主改善計画の認定</a>を受けて林業の事業体として自立し、さらなるステップアップを目指して取り組みを進めておられます。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
こうした芳賀さんたちの取り組みが評価されるとともに、例えば今後、吉里吉里海岸に海水浴や海遊びに利用できる日帰り入浴施設が建設されたとして、その温水供給が地域の薪や燃料チップでまかなわれるならば、森林資源とお金が循環する仕組みづくりに役立つと思うのですが、どうでしょう?</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<span style="color: blue;">海の見えるステキな日帰り温泉</span>で、ついでに「道の駅」や「薪の駅」を併設してしまうとか?流行ると思うんですけど、やりませんか大槌町長さん!</div>
<div>
<br /></div>
forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-6653500762279548392014-05-03T23:11:00.000+09:002014-05-03T23:42:07.077+09:00燃料チップと他の燃料の熱量単価を比較する<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_27.html" target="_blank">前回</a>に引き続き、燃料チップと他の燃料の熱量単価比較をしてみます。<br />
<br />
先に燃料チップの熱量単価を算定しましたが、その結果はおよそ下記のとおりであろうかと思います。<br />
<span style="color: red;">2.1円/MJ</span>(税込)・・・<span style="color: blue;">中小ボイラー向け、又はFIT認証付き</span>大規模向け<br />
<span style="color: red;">0.7円/MJ</span>(税込)・・・<span style="color: blue;">FIT認証無し</span>大規模向け<br />
<br />
さて、他の燃料としてここでは、石炭、A重油、灯油、LPガスを取り上げてみます。<br />
<br />
<br />
<b>
1 石炭の価格と熱量単価</b><br />
今から遡ること40年前、自分が小学校3・4年生で東京の昭島市に暮らしていた頃、小学校の暖房は石炭ストーブだった記憶があります。(しまった!歳がバレてしまいました)あの頃は身近な燃料であった石炭も、今では個人が入手することすら難しくなっています。<br />
<br />
そのため、石炭の価格も分かりにくいのですが、石炭はもっぱら大規模向け(発電)ということにして、ここでは<a href="http://www.tohoku-epco.co.jp/ryokin/reason/pdf/material_m22_03.pdf" target="_blank">東北電力さんの算定根拠資料「燃料費」</a>P12から、<br />
原価織込み石炭<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E8%B3%83%E3%83%BB%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E8%BE%BC%E3%81%BF%E6%9D%A1%E4%BB%B6" target="_blank">CIF価格</a> <span style="color: red;">10,113円/t</span><br />
<br />
CIF価格とは、運賃・保険料込み条件の価格のことだそうです。発電所の着価格ということですね。<br />
<br />
一方、石炭の低位発熱量は、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_8181.html" target="_blank">先にお示しした</a>「他の燃料の発熱量を知る」から<br />
石炭(一般炭) <span style="color: red;">25.1MJ/kg</span> = 25,100MJ/t<br />
<br />
∴したがって、<span style="color: blue;">石炭の熱量単価</span>は、<br />
10,113円/t ÷ 25,100MJ/t = <span style="color: red;">0.4円/MJ</span><br />
<br />
<br />
<b>
2 A重油の価格と熱量単価</b><br />
A重油の価格は、<a href="http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html#headline1" target="_blank">資源エネルギー庁「石油製品価格情報」</a>の産業用価格(軽油・A重油)から、<br />
平成25年東北地区平均 <span style="color: red;">91.7円/リットル</span>(<span style="color: blue;">小型ローリー配達</span>)<br />
<br />
一方、A重油の低位発熱量は、上記と同じく「他の燃料の発熱量を知る」から<br />
A重油 <span style="color: red;">37.1MJ/リットル</span><br />
<br />
∴したがって、<span style="color: blue;">A重油の熱量単価</span>は、<br />
91.7円/リットル ÷ 37.1MJ/リットル = <span style="color: red;">2.5円/MJ</span><br />
<div>
<br />
<br /></div>
<b>
3 灯油の価格と熱量単価</b><br />
灯油の価格についても、資源エネルギー庁の価格情報の給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)から、<br />
平成25年東北地区平均 1,829円/18リットル(配達) = <span style="color: red;">101.6円/リットル</span>(<span style="color: blue;">配達</span>)<br />
<br />
一方、灯油の低位発熱量は、上記と同じく「他の燃料の発熱量を知る」から<br />
灯油 <span style="color: red;">36.7MJ/リットル</span><br />
<br />
∴したがって、<span style="color: blue;">灯油の熱量単価</span>は、<br />
<div>
101.6円/リットル ÷ 36.7MJ/リットル = <span style="color: red;">2.8円/MJ</span></div>
<div>
<br />
<br /></div>
<b>
4 LPガスの価格と熱量単価</b><br />
LPガスの価格については、一般財団法人<a href="http://oil-info.ieej.or.jp/price/price.html" target="_blank">日本石油情報センターの価格情報</a>から、<br />
平成25年東北地区平均 <span style="color: red;">30,195円/50㎥</span><br />
<br />
㎥をkgに換算するには、<a href="http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/data/lpgas_kansanhyo.pdf" target="_blank">日本LPガス協会のLPガス単位換算表</a>から、ガス1㎥は2.183kgなので、<br />
30,195円/50㎥ = 30,195円/109.15kg = <span style="color: red;">276.6円/kg</span><br />
<br />
一方、LPガスの低位発熱量は、上記と同じく「他の燃料の発熱量を知る」から<br />
LPガス <span style="color: red;">47.0MJ/kg</span><br />
<br />
∴したがって、<span style="color: blue;">LPガスの熱量単価</span>は、<br />
276.6円/kg ÷ 47.0MJ/kg = <span style="color: red;">5.9円/MJ</span><br />
<br />
<div>
<br /></div>
<div>
以上の計算結果を棒グラフにしてみました。</div>
<div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjLotQpbrOLXVo3ImhGUCOoGjZYLhaVHeiU8ggoaleXzJUUaC-wibOXxP0kgk4GLDQzadkHyAtO4JQMSw9y0dt0UOqBgF9k6miLVoShip2TQFf4mVHn0-l4SdFwtzlS3kOZh5_sbInr8hJ0/s1600/tanka.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjLotQpbrOLXVo3ImhGUCOoGjZYLhaVHeiU8ggoaleXzJUUaC-wibOXxP0kgk4GLDQzadkHyAtO4JQMSw9y0dt0UOqBgF9k6miLVoShip2TQFf4mVHn0-l4SdFwtzlS3kOZh5_sbInr8hJ0/s1600/tanka.gif" height="222" width="320" /></a></div>
このグラフから概観しますと、<br />
・石炭はさすがに安いです。FIT認証の無い燃料チップはこれに次ぎますが、このチップの価格(相場)が適切かどうかは不明です。<br />
・中小ボイラー向け燃料チップは、A重油や灯油より若干安いランニングコストになります。<br />
・ガスはランニングコストが高く付きます。<br />
<br />
実際にボイラー導入を検討する際は、熱量単価(ランニングコスト)だけでなく、ボイラーの初期投資(補助金は使えるのか?)と減価償却(耐用年数は何年か?)、運転に係る人件費、メンテナンスや灰処理などの維持管理費、といったものを算定し、どの燃料を採用するかを総合的に判断することになります。<br />
<br />
バイオマス系のボイラーは石油系のボイラーに比べ高価なものですから、基本的には、<span style="color: blue;">ランニングコストの差で初期投資の差を埋め合わせてい</span>くことになります。ですから、経済性の点からバイオマスボイラーを導入する場合は、相当期間の運用が必要であり、そのことによるリスクもあることは理解しておく必要があります。<br />
<br />
ところで燃料チップの供給は、ビジネスとして魅力のあるもの、要するに儲かるものなのでしょうか?次回はこのあたりを検証してみたいと思います。<br />
<br /></div>
forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-85808082732419403912014-04-27T21:26:00.000+09:002014-04-27T21:27:53.283+09:00燃料チップの熱量単価を算定する<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_26.html" target="_blank">先に</a>燃料チップの価格相場を見て参りましたが、これを羅列しますと、<br />
<br />
■全国木材チップ工業連合会<br />
1)燃料用等 11.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M45<br />
<br />
■全国リサイクル協会連合会<br />
2)F1(バイオマス証明付き) 7.5~8.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M55<br />
3)F2(バイオマス証明無し) 0.1~1.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M55、C2M55<br />
<br />
■岩手県内の小規模温水ボイラー向け事例<br />
4)3,727.5円/㎥(含水率100%以下想定)・・・該当区分:C1M45<br />
5)3,951.15円/㎥(含水率60%以下想定)・・・該当区分:C1M35<br />
<br />
さっそくそれぞれの<span style="color: red;">熱量単価(円/MJ)</span>、すなわち、1MJの熱を得るために何円かかるかを計算していきます。<br />
<br />
<br />
<b>1 単位重量(kg)当りの発熱量</b><br />
「<a href="http://www.w-bio.org/" target="_blank">木質バイオマスエネルギー利用推進協議会</a>」さまの<span style="color: blue;">規格では</span><span style="color: blue;">、発熱量を高位発熱量で評価するようになっています</span>が、このブログでは、後に他の燃料と熱量単価を比較することを想定し、低位発熱量で計算してみることにします。<br />
<br />
上記では、水分が35%、45%、55%のものがありますが、これら<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_16.html" target="_blank">燃料チップの発熱量</a>(低位発熱量)の計算式は、<br />
Q = -0.2326M + 17.7<br />
Q : 低位発熱量(MJ/kg)<br />
M : 湿量基準含水率(%)<br />
<br />
でしたから、それぞれ、<br />
M35のとき、Q = 9.56MJ/kg<br />
M45のとき、Q = 7.23MJ/kg<br />
M55のとき、Q = 4.91MJ/kg<br />
<br />
<br />
<b>2 容積を重量に換算</b><br />
上記の1)~3)は重量が分かっていますが、4)5)の重量が不明です。<br />
聞き取りにより、樹種はカラマツが主体であるということなので、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_6.html" target="_blank">先にお示しした換算表</a>により、<br />
<br />
M45(水分45%) → 含水率82%のカラマツチップ ・・・ 約250kg/㎥<br />
M35(水分35%) → 含水率54%のカラマツチップ ・・・ 約200kg/㎥<br />
<br />
したがって単価は、<br />
4)3,727.5円/㎥(M45)÷250kg/㎥ = 14.9円/kg<br />
5)3,951.15円/㎥(M35)÷200kg/㎥ = 19.8円/kg<br />
<br />
<br />
<b>3 燃料チップの熱量単価計算</b><br />
以上、重量と水分、kg当りの単価がわかれば熱量単価が計算できますが、4)5)は配達料込みの価格であるのに対し、1)~3)には運賃が含まれていないので一律2円/kg(トン当り2,000円の運賃)を加算することにします。<br />
<br />
1)チップ工業連合会M45 (11.0円/kg + 2.0円/kg)÷7.23MJ/kg = 1.80円/MJ<br />
2)リサイクル協会F1M55 (8.0円/kg + 2.0円/kg)÷4.91MJ/kg = 2.04円/MJ<br />
3)リサイクル協会F2M55 (1.0円/kg + 2.0円/kg)÷4.91MJ/kg = 0.61円/MJ<br />
4)温水ボイラー向けM45 (14.9円/kg + 0円/kg)÷7.23MJ/kg = 2.06円/MJ<br />
5)温水ボイラー向けM35 (19.8円/kg + 0円/kg)÷9.56MJ/kg = 2.07円/MJ<br />
<br />
<br />
以上の結果は、<span style="color: red;">あくまで予想される水分に従って算定した熱量単価</span>です。実際には、個々に水分測定してみないことには正確なことは言えませんが、傾向としてはつかめるかと思います。<br />
<br />
考察しますと、<br />
・温水ボイラー向けチップの熱量単価は、どちらも2円/MJ程度で公平(というか、そのように逆算している)<br />
・FIT対応(F1)の燃料チップの価格は、温水ボイラー向けの熱量単価と同等(と目される)<br />
・FIT非対応(F2)は安価だが水分管理が不明であり、原料の品質がワンランク下<br />
・チップ工業連合会の1.8円/MJは大規模利用を想定しているので、小規模な温水ボイラー向けは配送込みでやはり2円/MJ程度になるのではないか<br />
<br />
<br />
さて次に、他の燃料と熱量単価と比較をしてみる予定でしたが、だいぶ長くなったので、次回のお楽しみにしたいと思います。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-26096737166969768282014-04-26T20:29:00.003+09:002014-04-27T16:19:28.981+09:00燃料チップの価格を見る現状では、種類も相場もまちまちな燃料チップなので、価格をいきなり比較するのも乱暴な話ではありますが、ともあれ実際の相場を見てみます。<br />
<br />
といっても、単純にチップの価格を並べただけでは比較にならないので、以前にご紹介した<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_19.html" target="_blank">「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」さまの規格</a>に従い、<span style="color: blue;">原料と水分で以下の16区分</span>を意識して調べてみることにします。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgkSkGwQCLMol7YhNB1KgTkNFy4vfpx1CC8hhSkyeT4Ur2bvRc6zFINYVGgW6vW4grdd3Bx6KoIKg9YFLcs79HVHfZaqoiIhv_P9dJkxdxV0T-y7eoEAS3vd-dW56sTizdue63_hxYNIrQX/s1600/table.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgkSkGwQCLMol7YhNB1KgTkNFy4vfpx1CC8hhSkyeT4Ur2bvRc6zFINYVGgW6vW4grdd3Bx6KoIKg9YFLcs79HVHfZaqoiIhv_P9dJkxdxV0T-y7eoEAS3vd-dW56sTizdue63_hxYNIrQX/s1600/table.gif" height="158" width="320" /></a></div>
<br />
<b>1 全国木材チップ工業連合会さまの木材チップ市況</b><br />
まず、統計数字としても価値の高い、<span style="color: red;">全国木材チップ工業連合会</span>さまが公表されている<a href="http://zmchip.com/" target="_blank">木材チップ市況</a>を見ていきます。<br />
<br />
この市況はもともと製紙用チップの市況を示しておられましたが、最近は燃料用を意識した記述が増えています。この資料の「概況」に目を通すだけでも様々な情報が記述されており、興味深いです。<br />
<br />
最新の平成26年3月31日調の岩手の数字を拝見しますと、<br />
■燃料用等 11.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M45<br />
<br />
この業界の原料は原木又は製材端材のみで、伐採後にチップ工場でストックされた原木をチップ化しているため、水分が若干低減しおおむねM45相当と考えました。<br />
<br />
また、この価格はチップ工場サイロ下価格ですから、実際に使用するためには<span style="color: blue;">運賃として、距離にもよりますがトン当り2,000円程度(㎏当り2円程度)を加算する必要</span>があるでしょう。<br />
<div>
<br /></div>
<div>
なお、当連合会さまに加盟している事業体から推測してこのチップは切削チップであり、原料の由来が明らかであるため、必要に応じてFIT法で規定する間伐材等の証明(後述)を添付することが可能と思われます。<br />
<br />
<br />
<b>2 NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会さまの地域別木質チップ市場価格</b><br />
<div>
次に、<span style="color: red;">全国リサイクル協会連合会</span>さまが公表されている<a href="http://www.woodrecycle.gr.jp/2013/11/post_59.html" target="_blank">地域別木質チップ市場価格</a>を見ていきます。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
こちらの市場価格は、バイオマス発電のFIT対応を強く意識した公表となっており、<span style="color: blue;">サーマル用(燃料用)はF1、F2の区分があり、それぞれ、バイオマス証明付きと、証明の無いものを意味</span>しています。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
■F1(バイオマス証明付き) 7.5~8.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M55</div>
<div>
■F2(バイオマス証明無し) 0.1~1.0円/㎏(生重量)・・・該当区分:C1M55、C2M55</div>
<div>
<br /></div>
<div>
バイオマス証明とは、FIT法上の燃料の区分のことです。同法では電力の買い取り価格を、<br />
・間伐材等由来の木質バイオマスによるもの(32円/kWh)=上記のF1<br />
・一般木質バイオマス(24円/kWh)=上記のF2<br />
・建設資材廃棄物(13円/kWh)<br />
という3つの調達価格を設定しています。<br />
<br />
買い取りされる電気の単価が高値安定であれば、間伐材等の利用インセンティブになる、という政策によるものです。なお、原料の区分について詳しくは、林野庁の「<a href="http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/pdf/hatudenriyougaidorainqa.pdf" target="_blank">木質バイオマス発電・証明ガイドラインQ&A</a>」をご参照ください。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
こうしたFIT法の仕組みや課題については様々な論者に譲るとして、いずれにせよ、証明のある・なしで上記のような価格差がある、ということです。</div>
<div>
<br />
なお現状として、林地のリサイクルチップは伐採から期間を経ず、その場でチップ化される傾向があるため、ここではM55相当として考えました。ですが今後は、これらに関しても水分管理の仕組みが必要になると考えられます。<br />
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>3 岩手県内の温水プールでの事例</b></div>
<div>
3点目は、岩手県雫石町にある<span style="color: red;">県営温水プール</span>の事例を見ていきます。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<a href="http://www2.pref.iwate.jp/~hp0208/01ene/new_ene/hotswim/new_ene_hotswim.htm" target="_blank">全国的にも知られるこの施設</a>は、平成5年から稼働している施設ですが、3台のチップボイラー(200kW+200kW+100kW)にヒートポンプの組み合わせで、競技用の50mプールと、レジャープールの温水、シャワー等の給湯、及び暖房をまかなっています。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
当施設はごく近隣に森林組合の製材工場があるため、この工場と燃料チップの単価契約を取り交わし、以降、途切れることなく施設を運営をしてきた実績があります。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
また、稼働する当初から燃料チップの<span style="color: blue;">熱量単価に着目し、チップの含水率(乾量基準)で80%をしきい値として高含水率チップと低含水率チップで価格差を設ける</span>ことで、チップ供給側の含水率管理を促すとともに、ボイラーの円滑な運用にもつながるという意味で、非常に評価できる仕組みを取り入れています。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
その単価は聞き取りになりますが、</div>
<div>
■3,727.5円/㎥(含水率100%以下想定)・・・該当区分:C1M45</div>
<div>
■3,951.15円/㎥(含水率60%以下想定)・・・該当区分:C1M35</div>
<div>
<br />
この金額は配達料込みの単価です。なんだか、ずいぶん細かい数字ですね。<br />
ちなみに、現在納入されているチップは、ほとんどが含水率60%程度の水分管理がされたチップだそうです。これは、<span style="color: blue;">丸太で一定期間を経てから製材し、端材をチップ化</span>しているためで、同じ丸太でも期間を経ることによって燃料としての価格が上がるということです。<br />
<br />
なお、チップを納入する際にこの施設では、<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_6.html" target="_blank">先にご紹介した容積重量の換算表</a>を用いて含水率の確認を行っています。最寄りの製材所でありチップの原料となる樹種も明らかなので、この方法で問題なく運用が可能です。</div>
<div>
当施設については、おってこのブログでもチップボイラーの事例として詳しくご紹介していきたいと思います。</div>
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<br /></div>
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<br /></div>
<div>
以上、燃料チップの単価を並べてみましたが、次回はこれらの熱量単価を算出し、さらに他の石油系燃料等を比較してみたいと思います。</div>
<div>
<br /></div>
</div>
forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-83231344115976193852014-04-20T23:17:00.000+09:002014-04-27T15:48:32.646+09:00燃料チップの規格まとめ今回は、これまで見てきた燃料チップの規格のまとめの意味で、規格が策定された背景、及び規格を普及させるための課題について整理してみたいと思います。<br />
<br />
<br />
1 規格が策定された背景<br />
<br />
これまで国内で公開された3つの燃料チップの規格を見てきましたが、こうした規格が出てきた背景には、業界の<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%B2%B7%E3%81%84%E5%8F%96%E3%82%8A%E5%88%B6%E5%BA%A6" target="_blank">FIT法</a>への対応があると思われます。<br />
<br />
みなさまご存知のとおり、<span style="color: blue;">木質バイオマス利用における日本のFIT法の位置付けは、もっぱら発電事業に的を絞った政策誘導</span>です。バイオマス発電は石炭等の発電施設と比べ小規模ですから、同じ蒸気タービンによる発電方式(<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB" target="_blank">ランキンサイクル</a>)を採る限り、一般的に小規模なものほど発電効率は悪くなり、発電した電力量が発生した熱量の20%を下回ることも珍しくないそうです。<br />
<br />
ですから、余った(大気中に放出される)熱を何らかの形で利用すべきなのですが、熱は自由に遠くまで運べないため、その需要先の確保が課題となります。<br />
<br />
このように、課題の残る現行のFIT法ではありますが、なにしろ使用する木質バイオマスの量が大きく、例えば、木質バイオマスで典型的な5,000kWクラスの発電所が使用する燃料チップは年間7~8万トン、丸太換算で10万㎥にもなるとされています。<br />
岩手県内の年間素材生産量が120万㎥程度ですから、<span style="color: blue;">発電所が1箇所稼働するだけで岩手県内の素材生産量の1割近い需要が出現</span>し、しかも、<span style="color: blue;">FIT法により価格も保証されている</span>となれば、チップ供給事業体も本気になろうというものです。<br />
<br />
木質バイオマス利用も、温水ボイラーの熱利用が中心だった頃は燃料チップ規格化の話もなかなか前に進みませんでした。なにせ、1箇所当りの需要量がたかだか百トン程度では、1万円/トンとしても燃料の販売代金は年間百万円にしかなりません。小さな需要も数がまとまれば大きな需要になりますが、そうなるまでには、需要が先か供給が先か、いわゆる卵とニワトリの関係がいつまでも続くことになります。<br />
<br />
FIT対応により供給サイドの体制が整備されていいき、同時に燃料チップの規格が浸透していくことで、小規模ボイラー向けの燃料チップも納入しやすくなることが期待されます。<br />
<br />
<br />
2 規格を普及させるための課題<br />
<br />
今後、スタンダードとなることが予想される「<a href="http://www.w-bio.org/" target="_blank">木質バイオマスエネルギー利用推進協議会</a>」さまの規格を拝見しますと、品質項目は、<br />
<span style="color: red;">1)原料、2)チップの種類、3)チップの寸法、4)水分、5)高位発熱量、6)灰分、7)かさ密度、8)窒素硫黄塩素、9)重金属類、10)異物</span><br />
の10項目を表示することになっています。<br />
<br />
このうち、1)原料、2)チップの種類、3)チップの寸法、7)かさ密度、については、チップを納入する都度調べることが可能であり、調べ方も比較的容易です。<br />
<br />
また、6)灰分、8)窒素硫黄塩素、9)重金属類、10)異物については、製造のロットごとに検査することになると思われる項目です。<br />
<br />
いっぽう、<span style="color: red;">5)高位発熱量</span>は、<span style="color: red;">4)水分</span>に従って変化するものであり、発熱量は燃料チップ性能の根本であって、水分はボイラーとのマッチングも問われる項目ですから、<span style="color: red;">製造ロットごとではなくチップを納入する都度調べる必要がある</span>と考えられます。<br />
<br />
燃料チップの価値は、<u>単位熱量当りの金額、すなわち<span style="color: red;">熱量単価</span></u>で評価することができます。<br />
いま、水分35%(乾量基準54%)のチップが3,500円/㎥で入手でき、チップ1㎥の重さが250㎏だったとします。<br />
水分35%の木材の低位発熱量は(<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/03/blog-post_16.html" target="_blank">こちらをご参照ください</a>)、<br />
-0.2326 ☓ 35 + 17.7 = 9.56(MJ/㎏) = 2,287(kcal/㎏) = 2.66(kWh/㎏)<br />
したがって、この1㎥のチップの低位発熱量の総量は、<br />
9.56MJ/㎏ ☓ 250㎏ = 2,390MJ = 572Mcal = 665kWh<br />
この1㎥の燃料チップが3,500円なので、<br />
3,500円/㎥ ÷ 2,390MJ/㎥ = 1.46円/MJ = 6.12円/Mcal = 5.26円/kWh<br />
となり、この円/MJ(あるいは、円/Mcalや円/kWh)の値が<span style="color: red;">熱量単価</span>です。つまり、<span style="color: blue;">1MJの熱を得るために何円かかるかを示している</span>わけで、この値が小さいほどランニングコストが安上がりになります。<br />
<br />
もし、燃料チップを供給する側がチップの水分を下げる取組みを行ったとします。すると当然、チップの重量は軽くなるわけですが、ボイラーを使用する側が単価を一律に10,000円/トンと決めていたとすると、供給する側の取組みはムダになり、より良い燃料チップ供給の取組みは進展しません。<br />
<br />
「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」さまの規格を見ても、原料で4区分、<span style="color: blue;">水分で4段階の区分</span>がされています。単位重量当りでも、あるいは単位容積当りで見ても、水分によって得られる熱量に違いがあるわけですから、今後、燃料チップの取り引きが一般化すれば、原料4区分☓水分4段階=16種類の単価があってもおかしくないと思います。<br />
<br />
ただし、ここでは問題があって、それは<a href="http://woody-biomass-utilities.blogspot.jp/2014/04/blog-post_6.html" target="_blank">先にお話したとおり</a>、燃料チップの水分をその場で迅速に把握することが難しいということです。水分は燃料チップの熱量単価に直結する因子ですから、この<span style="color: blue;">水分を正しく把握し評価することではじめて、需要と供給のフェアな取り引きが成立す</span>るものと考えます。<br />
<br />
<span style="color: blue;">燃料チップの規格を普及させるためには、チップの水分を迅速に測定する手段がぜひとも必要</span>です。計測機器メーカーさまのご尽力に期待したいところです。<br />
<br />
<br />
さて、今回はランニングコストと熱量単価の話が出てまいりました。そこで次回は、燃料チップの相場を見ながら、他の石油等の燃料と熱量単価の比較をしてみたいと思います。forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-44531581935930490882014-04-19T22:08:00.000+09:002014-04-19T22:08:07.093+09:00燃料チップの規格その3 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会さま燃料チップの規格その3は、「<a href="http://www.w-bio.org/" target="_blank">木質バイオマスエネルギー利用推進協議会</a>」さまが公表された規格を見ていきます。<br />
<br />
「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」は、木質バイオマスの利用にかかわる事業者や関係者を広く網羅し、<u>2012年の7月に発足した新しい組織体</u>です。その狙いとするところは、<b>情報の共有と意見交換を通して、木質バイオマスのエネルギー利用を総合的・戦略的に推進することである</b>、としています。いわば、「業界」の意見集約を行う組織体ですね。<br />
<br />
会長には筑波大学名誉教授の熊崎実氏を据えるほか、チップの供給サイドからは「全国木材チップ工業連合会」と「全国木材資源リサイクル協会連合会」の双方の関係者が、さらに大手木材企業やボイラーメーカー、シンクタンクやコンサル会社も名を連ねるほか、技術面では岩手大学名誉教授の沢辺攻氏が幹事となるなど、今日の業界を網羅した錚々たる構成員となっています。<br />
<br />
ちなみに、熊崎実氏と沢辺攻氏の共著による「<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4540121170/ref=oh_details_o01_s00_i00?ie=UTF8&psc=1" target="_blank">木質資源とことん活用読本</a>」は、木質バイオマス利用の<u>技術面をわかりやすく整理した書籍として現在もっとも優れたもの</u>といって良いでしょう。この本をご購入いただければ、もう、このブログを見る必要はありませんねww<br />
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利用推進協議会さまの<a href="http://www.w-bio.org/2014/03/31/%E6%9C%A8%E8%B3%AA%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E5%88%A9%E7%94%A8%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC-%E9%96%8B%E5%82%AC%E5%A0%B1%E5%91%8A/" target="_blank">燃料用木質チップの品質規格</a>は、<span style="color: red;">2014年3月14日</span>に開催された『木質バイオマスエネルギー利用推進セミナー』の報告会資料の中にあり、<span style="color: red;">同日に公表</span>されたものとされ、以下の表のとおり10項目にわたる規格となっています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj7MzjA-l9xB57HcUazoSJOCrWRg9X7HWKx1gNOX4HP4h7xUuzMYBwvFxgCWii7Jax52GRPOVMALGp-NSbBxoVDzEaPcfp_2mXt8EkjQmH2cH64xavCeUuWH4VtKkOPdyYSE_9zjxLlhinp/s1600/kikaku_kyougikai.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj7MzjA-l9xB57HcUazoSJOCrWRg9X7HWKx1gNOX4HP4h7xUuzMYBwvFxgCWii7Jax52GRPOVMALGp-NSbBxoVDzEaPcfp_2mXt8EkjQmH2cH64xavCeUuWH4VtKkOPdyYSE_9zjxLlhinp/s1600/kikaku_kyougikai.gif" height="301" width="400" /></a></div>
策定に際しては、<b>「全国木材資源リサイクル協会連合会」、「全国木材チップ工業連合会」および「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」の三者により策定された</b>としていますが、おそらくは、<span style="color: red;">燃料用チップの欧州規格</span>を横目で睨みながら、リサイクル協会連合会及びチップ工業連合会の双方に配慮しながら調整を行ったものと推測されます。<br />
要するに、<u>欧州規格に準拠している部分が多く見られる</u>、ということですが、しかしこれは、今後も欧州先進国から多くを学ばなければならない我々にとって、賢明なことであると言えるでしょう。<br />
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なお、<span style="color: red;">燃料用チップの欧州規格</span>は、<a href="http://www.tomoe-techno.co.jp/under2/fuel/pdf/chip1.pdf" target="_blank">トモエテクノさまのこちら(和訳)</a>、もしくは<a href="http://www.woodenergy.ie/media/woodenergy/content/standardsandspecifications/COFORD%20Connects%20Note%20on%20standards.pdf" target="_blank">こちらの10ページ目</a>(Table 8. Specification of wood chips for non-industrial use.)に掲載されています。ちなみに、「non-industrial use」とは、パーティクルボードなどのマテリアル利用ではない、という意味です。<br />
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このブログでは、規格の内容を再掲することはいたしませんので、ぜひ、利用推進協議会さまの規格と、欧州規格とをプリントアウトし、見比べることをオススメいたします。<br />
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さて、利用推進協議会さまの規格の特徴としては、<br />
1)原料をClass1からClass4まで4区分し、<span style="color: red;">無垢材からリサイクル材まで幅広く</span>含める<br />
2)その<span style="color: red;">原料区分ごとに必要な品質項目</span>(チップの寸法や水分、異物の混入など)を規定<br />
3)Class1からClass4に<span style="color: red;">数字が上がるにつれて品質がラフ</span><br />
4)リサイクル材が含まれる<span style="color: red;">Class3及び4には異物の基準</span>が設けられている<br />
といったところでしょうか。<br />
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以上のことから<u>大雑把に言って</u>、Class1は小規模温水ボイラー向け、Class2は中規模温水ボイラー又は小規模蒸気ボイラー向け、Class3は産業用蒸気ボイラー及び一部発電向け、Class4は発電向け、といった区分となり、あとは、ボイラーメーカーの仕様に従って適合したサイズや水分が指定される、といった使われ方になるでしょう。<br />
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次回は、燃料チップ規格のまとめを行い、その意義と課題、今後の展望を整理してみたいと思います。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6917197855783510028.post-21648743557876391522014-04-13T21:42:00.000+09:002014-04-14T09:26:49.543+09:00燃料チップの規格その2 全国木材資源リサイクル協会連合会さま前回に引き続き今回は、「<a href="http://www.woodrecycle.gr.jp/" target="_blank">全国木材資源リサイクル協会連合会</a>」さまの「<a href="http://www.woodrecycle.gr.jp/pdf/hinshitukikaku.pdf" target="_blank">木質リサイクルチップの品質規格</a>」を見ていきます。<br />
http://www.woodrecycle.gr.jp/pdf/hinshitukikaku.pdf<br />
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規格の公表は平成22年12月15日、6項目にわたる規格となっています。<br />
なお、「全国木材資源リサイクル協会連合会」さまの規格は、<u>燃料チップ(サーマル)だけでなく、各種マテリアル利用が含まれています</u>ので、以下にはサーマルに関わる部分だけを抽出しました。<br />
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1)木質リサイクルチップの加工別による形状の種類<br />
・切削チップ : 主に機械的に刃物で切削したもの。形状はおおよそ四角形のフレーク状の削片。<br />
・破砕チップ : 主にハンマークラッシャーなどの機械的な打撃により木質の繊維に沿って砕いたもの。形状はおおよそ細長いピン状の木片。ピンチップ、クラッシャーチップともいう。<br />
※これ以降、<span style="color: red;">木質リサイクルチップにおいて表記の無いものは破砕チップをいう</span><br />
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2)木質リサイクルチップの品質基準<br />
・A チップ(切削チップ含む) : 柱、梁材および幹材等の断面積の大きいもの、無垢材(防腐剤、合板、ペンキ付着物、金属、プラスチック類、土砂等の全ての異物、または樹皮を含まないこと)<br />
・B チップ(切削チップ含む) : A チップと同様およびパレット、梱包材、解体材等の無垢材で比較的断面積の大きいもの(防腐剤、合板、ペンキ付着物、金属、プラスチック類、土砂等の全ての異物を含まないこと)<br />
・C チップ : B チップと同様および合板等(防腐剤、ペンキ付着物、金属、プラスチック類、土砂等の異物を含まないこと)<br />
・D チップ : C チップと同様および繊維板、ペンキ、接着剤等の付着したものなど(襖、障子等を含む。)、または枝、除根材等(<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E9%8A%85%E3%83%92%E7%B4%A0%E7%B3%BB%E6%9C%A8%E6%9D%90%E4%BF%9D%E5%AD%98%E5%89%A4" target="_blank">CCA</a>含有物、金属、プラスチック類、土砂等の異物を基本的に含まないこと)<br />
・Eチップ : チップ製造の際の副産物(有害物質、金属を含まないこと)<br />
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3)木質リサイクルチップの利用用途標準<br />
燃料チップ(サーマル)用途として、上記のA・B・C・Dは○だが、Eは△<br />
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4)製造における留意点<br />
・チップサイズ : 切削チップは各ユーザーの受入れ基準に準ずる、A~Dの破砕チップは長辺 50mm以下(但しA、B チップは 5mm 以下を除く)、Eチップは5mm以下<br />
・含水率 : サーマルは25%までとし、これを超えるものは協議が必要<br />
・<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E9%8A%85%E3%83%92%E7%B4%A0%E7%B3%BB%E6%9C%A8%E6%9D%90%E4%BF%9D%E5%AD%98%E5%89%A4" target="_blank">CCA処理材</a>は使用不可<br />
・畳、草葉、腐朽材は基本的に使用不可(用途により利用する場合有り)<br />
・土砂等も使用不可(目視等により判別)<br />
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5)再資源化施設において明らかにする項目を以下のとおりとする<br />
(ア)木くずの種類ごとの保管施設の容量、屋根の有無<br />
(イ)破砕機の仕様、原動機の出力(kw)、破砕能力(t/h)<br />
(ウ)生産工程での異物除去の方法(手選別、磁選機および金属探知機の有無)<br />
(エ)破砕機本体のスクリーンおよび篩機のスクリーンの仕様と有無<br />
(オ)製品のストックヤードの保管容量、屋根の有無<br />
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6)品質試験(含有量試験・性状試験)<br />
・必須試験項目 : サイズ、全水分、発熱量、灰分、塩素分<br />
・その他試験 : 重金属項目については、利用目的、ユーザー等の要求により実施する場合がある<br />
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「全国木材資源リサイクル協会連合会」さまの規格の特徴としては、<br />
1)<span style="color: red;">あらゆる木質系の資源を活用</span>する方向<br />
2)チップの<span style="color: red;">標準形態は破砕チップ</span><br />
3)木質以外の<span style="color: red;">不純物によって5段階の品質区分</span>、燃料に適さない物も<br />
4)あらかじめ<span style="color: red;">チップ供給者が施設の情報公開</span>を行う<br />
5)あらかじめ<span style="color: red;">チップ供給者が品質試験</span>を行う<br />
といったところでしょうか。<br />
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なお、上記の<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E9%8A%85%E3%83%92%E7%B4%A0%E7%B3%BB%E6%9C%A8%E6%9D%90%E4%BF%9D%E5%AD%98%E5%89%A4" target="_blank">CCA処理材</a>とは、かつて木造住宅のシロアリ防除のため用いられていた「クロム銅ヒ素系木材保存剤」クロム (Cr)・銅 (Cu)・ヒ素 (As) のことです。環境汚染の可能性があるため現在はほとんど使用されていませんが、解体家屋の土台材などに使用されているおそれがあるため、燃料チップとしての利用は難あり、としています。<br />
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さて、2つの業界の規格を見てきましたが、できれば1つの規格にまとまったほうが利用する側にとって有益です。次回はこうした1本化の動きを見ながら、規格について考察してみたいと思います。<br />
<br />forest4riverhttp://www.blogger.com/profile/09972778645896915868noreply@blogger.com0