実は、同じ重量ならば広葉樹よりも針葉樹のほうが発熱量が多いのです。樹種による違いや個々のバラつきはありますが、針葉樹は4,660kcal/kg(19.5MJ/kg)、広葉樹は4,400kcal/kg(18.4MJ/kg)辺りの発熱量を示すものが多いとされています。針葉樹は広葉樹よりも6%程度高い発熱量があることになりますね。
その理由は、針葉樹と広葉樹の組成の違いにあります。以前お話したとおり、リグニンの割合が広葉樹が20%程度であるのに対し、針葉樹は30%程度あります。リグニンの発熱量は、セルロースやヘミセルロースに比べ単位重量当り5割以上高い値を示すそうで、これが針葉樹の発熱量が高い主な理由です。
ただし、針葉樹と広葉樹の絶乾比重(水分0%のときの比重)を比べた場合、たとえばスギが0.38程度であるのに対し、ナラは0.68と1.8倍もあるので、同じ体積ならば広葉樹のほうが発熱量が多いことになります。
つまり、針葉樹は広葉樹に比べると空隙だらけのスカスカな木なわけで、薪ストーブで同じ暖かさを得るのに、広葉樹のほうが薪をくべる頻度が少なくて済む理屈です。
ただし、針葉樹と広葉樹の絶乾比重(水分0%のときの比重)を比べた場合、たとえばスギが0.38程度であるのに対し、ナラは0.68と1.8倍もあるので、同じ体積ならば広葉樹のほうが発熱量が多いことになります。
つまり、針葉樹は広葉樹に比べると空隙だらけのスカスカな木なわけで、薪ストーブで同じ暖かさを得るのに、広葉樹のほうが薪をくべる頻度が少なくて済む理屈です。
樹種による燃焼特性と比重との関係については、また改めてまとめてみたいと思います。
さて、木材を燃料として使用するときには様々な樹種が混ざることが考えられます。特に、建築廃材や林地残材を燃料チップにする場合、樹種を指定することは困難です。では、木質燃料の発熱量を評価する場合、一般的にはどんな数値を使えば良いのでしょうか?
それには、「木材工業便覧」に示されている「含有水分量と発熱量」を用いることが一般的です。「便覧」によると、絶乾のときの木材の発熱量(高位発熱量)は4,562kcal/kg(19.1MJ/kg)である、とされています。この値は針葉樹と広葉樹の中間ぐらいの発熱量ですね。
この数値が国内では公式な数値とされていますので、特に断りの無い限り、このブログでも木材の高位発熱量は「便覧」に従うことにします。なお、念のため繰り返しになりますが、この表での「水分」とは「湿量基準含水率」のことを指します。
次回は、発熱量と水分の関係を見て参ります。
さて、木材を燃料として使用するときには様々な樹種が混ざることが考えられます。特に、建築廃材や林地残材を燃料チップにする場合、樹種を指定することは困難です。では、木質燃料の発熱量を評価する場合、一般的にはどんな数値を使えば良いのでしょうか?
それには、「木材工業便覧」に示されている「含有水分量と発熱量」を用いることが一般的です。「便覧」によると、絶乾のときの木材の発熱量(高位発熱量)は4,562kcal/kg(19.1MJ/kg)である、とされています。この値は針葉樹と広葉樹の中間ぐらいの発熱量ですね。
この数値が国内では公式な数値とされていますので、特に断りの無い限り、このブログでも木材の高位発熱量は「便覧」に従うことにします。なお、念のため繰り返しになりますが、この表での「水分」とは「湿量基準含水率」のことを指します。
次回は、発熱量と水分の関係を見て参ります。
お忙しいところ失礼します。
返信削除こちらの記事で、扱われている、含有水分量と発熱量の表は、何年度の木材工業便覧の、何ページに記載された表でしょうか。研究で、木材工業便覧を参照したところ、古すぎるのか、該当する表がありませんでした。。(1952年版のものでした)