木材に含まれる水の割合を示すには2つの方法があります。これを混同してはいけません。
木材をどんどん乾かしていって、水分がゼロになったとします。そのときの木質の重量(絶乾重量)を100とした場合の水の割合を「乾量基準含水率」(U)と呼び、製材品や合板等の木材で「含水率」といったらこの「乾量基準含水率」(U)を指します。
乾量基準含水率は100%を上回ること、つまり木質の重量を上回る水を含む木材がありえます。例えば、伐採したてのスギ材は含水率が200%を超えることもあります。
■乾量基準含水率 U=Ww/Ws×100(%)
いっぽう、食品でも土壌でも、一般的に含水率といったら全体重量のうちの水の割合のことを言うはずです。これを「湿量基準含水率」(M)と呼び、上記の含水率(乾量基準含水率)と区分するため「水分」と呼ぶことがあります。
湿量基準含水率は(当然ですが)100%を上回ることはありえません。湿量基準含水率が100%とは、すなわち「水」です。
■湿量基準含水率 M=Ww/(Ws+Ww)×100(%)
後日に説明しますが、木質バイオマス利用では湿量基準含水率で考えたほうが都合が良いのです。というのは、湿量基準含水率と木材の発熱量はキレイな反比例の関係にあるため、熱量の計算が容易だからです。
いっぽう、乾量基準含水率は木材の強度など物理的特性を考える場合に都合が良いのですが、発熱量との関係は2次曲線状になって計算がメンドくさいww
製材所もチップ工場も、通常は乾量基準含水率で話をしてくるので、このあたり注意が必要です。
※乾量基準Uが100%のとき、湿量基準Mは50%
※乾量基準Uが50%のとき、湿量基準Mは33%
といった具合です。
ちなみに換算式は、
■乾量基準U⇒湿量基準M M = U/(100+U) × 100(%)
■湿量基準M⇒乾量基準U U = M/(100-M) × 100(%)
となりますので、Androidスマホをお使いの方は「計算式電卓」のようなプログラム電卓に式を登録しておくと便利です。iPhoneのことはよく分かりませんが、似たようなものはあるでしょう。
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