木質バイオマス利用に役立つ忘備録です。これは!と思った情報を随時アップして参ります。

2014年3月8日土曜日

木材の燃焼化学

またまた基礎講座です。今回は木が燃えるときの化学式を見ていきます。

燃料といえば、フツーは灯油とかプロパンガスとかですが、これらは「炭化水素」の仲間で、炭素Cと水素Hの化合物であると、学校で教えられましたよね?
炭化水素で最も構造の簡単なものはメタン(CH4)ですが、その燃焼は、

CH4 + O2  →  CO2 + 2H2O

つまり、メタンとか灯油とかが燃えると二酸化炭素と水(水蒸気)が発生するわけで、例えば、1リットルの灯油を燃やすと、これとほぼ同じ1リットルの水(水蒸気)が発生します。部屋でファンヒーターを使用すると窓が結露するのは、部屋で洗濯物を干していること(だけ)が原因ではありまませんww

さて、木材は針葉樹も広葉樹もその組成は、「セルロース」と呼ばれる繊維が最も多く約50%、「ヘミセルロース」が針葉樹で約20%・広葉樹で約30%、「リグニン」が針葉樹で30%・広葉樹で約20%となっています。
「紙」は木材からセルロースだけ抽出して、これ絡ませながら薄く平(たいら)に成形したものです。
コンクリート構造物に例えると、セルロースは鉄筋、ヘミセルロースは砂利などの骨材、リグニンはセメントに相当します。このうち、最も多いセルロース(C6H10O5)nはデンプンと同じ多糖類とされ、これが燃焼するときは、

(C6H10O5)n + (6O2)n  →  (6CO2 + 5H2O)n

となり、やはり二酸化炭素と水(水蒸気)が発生します。
つまり、もし木材がまったく水分を含まなかった(水分0%だった)としても、燃焼ガスには二酸化炭素と水(水蒸気)が含まれているわけです。

水蒸気が冷えて水滴となることを「凝縮」といい、これが結露の正体です。
また、ある圧力の下で液体(水)が沸騰する、または(水)蒸気が凝縮する温度を「飽和温度」あるいは「沸点」といいます。ご存知のとおり、1気圧のときの水の沸点(飽和温度)は100℃です。

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